52Hzのラヴソング(52Hz, I Love You)
story
今日はバレンタイン・デイ。花屋を営むシャオシン(チョン・ チェンイン)は、市場へバラを仕入れに行く。今日は特別な1日。シャオシンにとってはかきいれ時の大事な日だが、自分は恋とは無縁に過ごしてきた。同じく独身の叔母(シンディ・チャオ)が花屋を手伝ってくれているが、今日の叔母はやけにお洒落をしている。いつでも恋をする準備ができているみたい。
パン職人のシャオアン(リン・チョンユー)は、いつものようにレイレイ(チェン・ミッフィー)にモーニングコールをかける。ずっとレイレイに思いを寄せているシャオアン。だが、彼女には10年も同棲中の恋人ダーハー(スミン)がいた。届かない思いをギターに乗せて歌うシャオアン。それはまるで、52Hzの周波数を発する世界一孤独なクジラのよう。
レイレイは疲れ切っていた。シンガーソングライターのダーハーは、一向に売れる気配がなく、ギターショップと貸スタジオの収入はわずか。ずっとレイレイが彼を支えてきたが、増えるのは請求書の山だけ。そろそろ別れるべきでは?悩みながら、合同結婚式のセッティングに向かう。
メイメイ(リー・チェンナ)とチーチー(チャン・ロンロン)は、ブライダルショップで結婚式の衣装合わせをしている。合同結婚式に出席するのだ。同性カップルだが人目なんか気にしない。シャオシンの店でブーケを買い、会場の公園へ向かう。ダーハーもシャオシンの店でバラの花束を注文した。今日こそプロポーズする。レストランにバンドも予約して、入念な準備をしていた。
配達で忙しいシャオシンは、同じく特製チョコの配達で忙しいシャオアンのバイクと接触事故を起こしてしまう。車が動かなくなり、シャオシンとシャオアンは一緒にバイクで配達をすることに。一方、配達に駆り出された叔母も、同じく配達に駆り出されたパン職人のドン師匠(リン・チンタイ)と電車で隣合わせとなり…。
アジコのおすすめポイント:
バレタイン・デイの一日を様々なカップルの恋愛模様で綴った素敵なミュージカル作品です。作中で歌われるオリジナル曲は17曲。どの曲も歌詞が素晴らしく、それぞれの心情を歌い上げます。メロディが覚えやすいので、2回観れば覚えてしまうほど。台湾では一緒に歌う上映会も大盛況だったようです。出演しているのは、台湾で活躍するミュージシャンたち。中でもアミ族出身でトーテムでおなじみのスミンの演技はユニークで、よいアクセントになっています。凛々しく登場するチャン・ロンロン、意外な役柄で登場するリン・チンタイも見所。『セデック・バレ』以降、再び歴史大作に挑んでいるウェイ・ダーション監督ですが、その合間にこんな素敵な映画をポン!と作ってしまうのはさすがです。懐かしい『海角七号 君想う国境の南』のメンバーも総出演。年齢、性別を超えて、恋する気分が味わえます。
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