芳華(芳華/Youth)
story
1976年。文化大革命の末期。リウ・フォン(ホアン・シュエン)に連れられて、17歳のホー・シャオビン(ミャオ・ミャオ)が文芸工作団へやって来る。憧れの舞踊班に配属されたのだ。父親が労働改造所にいるため苦労して育ったシャオピンは、新しい人生への出発に胸を躍らせていた。
入団早々、シャオピンは同室のディンディン(ヤン・ツァイユー)の軍服を黙って借りて、写真館へ向かう。立派な軍服姿を父親に早く見せたかったのだ。ところが、写真館にその写真が飾られたため、慰問公演への移動中、厳格な寮長のシュー・ウェン(リー・シャオファン)に発覚。皆から問い詰められてしまう。
その後も、汗かきで体臭がきついシャオビンは何かにつけ皆からいじめられ、いつもリウ・フォンがかばってくれた。スイツ(チョン・チューシー)はそんな皆の態度をひどいと思っていたが、ただ眺めていることしかできない。歌が上手く美人のディンディンは男性団員たちに人気があり、スイツはトランペット奏者のチェン・ファン(ワン・ティエンチェン)と親密だった。
ある日、チェン・ファンが持ってきたカセットプレイヤーで、皆はテレサ・テンの歌を聴く。歌の歌詞に自分の思いを重ねたリウ・ファンは、ディンディンと二人きりになった時、秘めていた思いを告白してしまう。しかし思いは通じず、その様子を目撃していた男性団員が騒いだため、リウ・フォンは伐採部隊へ異動となる。
リウ・フォンに思いを寄せていたシャオピンは、文工団を見限ってやる気をなくし、野戦病院へ異動させられる。時は1979年。中越戦争が勃発し、リウ・フォンも最前線で兵士を率いて戦っていた。悲惨な光景を目の当たりにしたシャオピンは、身を粉にして働くが病院も爆撃を受け…。
アジコのおすすめポイント:
文化大革命中、人民解放軍の士気を高めるために作られた特殊部隊、文芸工作団を背景に、そこで出会った男女6人の半生を時代の変化と共に綴った青春ドラマです。数々の名作・ヒット作を生み出した巨匠フォン・シャオガン監督が自らの経験を織り込み、同じく文芸工作団出身者である作家で脚本家のゲリン・ヤン(『シュウシュウの季節』『花の生涯〜梅蘭芳〜』)と共に作り上げました。語り部となるのは、本作で注目されたチョン・チューシー演じるスイツ。後に作家となる彼女の視点で、1995年までのリウ・フォンとシャオピンの物語が描かれていきます。主演は白楽天役も記憶に新しいホアン・シュエンと、新人女優ミャオ・ミャオ。『夏、19歳の肖像』に出ていた上戸彩似のヤン・ツァイユーも出演。時代や人生は無情に移ろっていくけれど、青春時代の煌めきは変わらず心に残っているのですね。
|