ザ・クロッシング Part II
(太平輪:驚濤摯愛/The Crossing)
story
イェン・ザークン(金城武)は戦地からも雅子に手紙を送っていた。帰国した志村雅子も返事を書き続けていた。しかし、日本から届いた雅子の手紙は、交際を反対するザークンの母(ヤン・クイメイ)が焼却してしまう。軍務を終えたザークンは、立派な医者となっていた。
母はザークンと戦死した兄の嫁メイファン(アンジェルス・ウー)を結婚させようとするが、メイファンがそれを拒む。彼女はザークンの心を理解していた。そして、こっそり集めていた焼け残りの手紙をザークンに渡す。日本へ帰った雅子は不遇な生活を送っていた…。
1949年、上海。生活苦から娼婦に身を落としたユイチェン(チャン・ツィイー)は、「負傷兵は台湾へ送られる」という話を聞いて、台湾へ向かう客船太平輪号に乗るため切符を手に入れようと苦労していた。しかし、ダンサーで親友のシアシャン(チン・ハイルー)が自分の切符を譲ってくれ、なんとか太平輪号に乗り込む。
激戦地で重傷を負ったトン・ダーチン(トン・ダーウェイ)も、レイ・イーファンから託された日記をユンフェンに届けるため、負傷兵たちと共に甲板にいた。ザークンは上海の学生デモに参加した弟ザーミン(トニー・ヤン)を連れ戻すため、上海へ来ていた。しかし、出向寸前にザーミンは港に残り、ザークンだけが乗船する。
基準を遥かに超える乗客を乗せて出航した太平輪号は、規制を避けるため夜間に無灯火で航行。深夜、貨物船と衝突する…。
アジコのおすすめポイント:
壮絶な戦いの後から始まる後半では、いよいよ「太平輪」号に乗り込むまでと、その後のパニック状態が描かれていきます。金城武が演じる台湾医師の一家の物語も興味深く、監督の娘アンジェルス・ウーが『マンハント』の時とはまったく違う素朴な兄嫁を演じており、好感が持てます。厳格な母親をヤン・クイメイ、快活で一本気な弟をトニー・ヤンとこれまた適役。他にもカオ・ジェやリン・メイシウ、リー・ウェイと、様々な台湾俳優が総出演。戦争で引き裂かれたホアン・シャオミンとソン・ヘギョの美男美女カップル、離ればなれになりながら海で結ばれる金城武と長澤まさみの悲恋と、せつない物語が続く中、娼婦になってまでしたたかで一途に生きてきたチャン・ツィイーと彼女に惚れた兵士トン・ダーウェイとの物語には、人間の強さと希望が託されています。音楽を担当したのは、『レッドクリフ』、そしてこの後の『マンハント』でも監督と組んだ岩代太郎。また、オリジナルの主題歌は台湾のベテラン、ロー・ターヨウ、日本版主題歌は矢井田瞳が歌っています。
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