工作 黒金星と呼ばれた男
(工作/The Spy Gone North)
story
1992年、情報部隊の将校だったパク・ソギュン(ファン・ジョンミン)は、国家安全企画部のチェ・ハクソン室長(チョ・ジヌン)から「工作員になれ」との指令を受け、北朝鮮の核兵器開発の実態を探るため、韓国のスパイとして北朝鮮に潜入することになる。与えられたコードネームは「黒金星(ブラック・ヴィーナス)」。
軍人だったパクはまったく別人の身分を作るため、資金をもらってギャンブルなどで散財。自己破産をして、事業家に転身する。さらに、北京に駐在する対外経済委員会の所長リ・ミョンウン(イ・ソンミン)に接近するため、北京で彼に近い人物たちと接触を続けた。
半年後、チャンスが訪れる。現金が必要になった委員会のリ所長から、金持ちの事業家としてマークされていたパクに連絡が入ったのだ。リ所長はキャッシュの他に、信頼を築くために南の情報も要求。2回目の会合では、国家安全保衛部のチョン・ムテク課長(チュ・ジフン)も同席し、軍事機密を要求されるが、パクは「スパイになる気はない」と拒絶。話し合いは決裂する。
しかし、南の企業と取引したいリ所長がたしなめ、改めて会食の席が設けられる。そして、様々なアプローチでパクをテスト。「長期的にお互いの利益になるビジネスの提案」を求められる。広告業界のハン・チャンジュ(パク・ソンウン)と知り合ったパクは、北での広告撮影を提案。金正日と会うため、ついにピョンヤンへ向かうことになる…。
アジコのおすすめポイント:
またまた韓国から、歴史の真実を描く傑作が登場しました。それは、これまでに描かれたことのなかった実在のスパイの物語。このデリケートな題材を堂々と映画化できたのは、南北融和の機運が高まっているまさに今だからでしょう。そして、本作は南のスパイと彼と対峙した北の担当者の神経戦、心理ドラマであると共に、人間としての絆、友情が芽生えていく物語でもあるのです。それゆえに、ラストシーンは大きな感動に包まれます。監督はデビュー作の『許されざるもの』以来、様々なジャンルの作品に挑戦。『悪いやつら』『群盗』など、数々の話題作を作ってきたユン・ジョンビン。本作では綿密な調査と考証を行い、リアリティを追求しています。レストラン高麗館や黒金星が金正日と会うことになる別荘など、美術面にも注目。さらに本物そっくりの金正日が登場しますが、演じているのはなんとキ・ジュボン!まったくわかりませんでした。主演は演技派のファン・ジョンミンとイ・ソンミンですが、特にドラマでも人気のイ・ソンミンが出色。感情を抑えた演技の中で、微妙に心が変化する人物をじっくりと演じており、数々の男優賞に輝いているのも納得です。尚、モデルとなったスパイ、パク・チェソ氏については、朝日新聞が単独取材を行っており、7/22の夕刊に写真と記事が掲載されています。
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