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毒戦  BELIEVER

監督:イ・ヘヨン
原典:『ドラッグ・ウォー 毒戦』(監督:ジョニー・トー)
脚本:イ・ヘヨン、チョン・ソギョン
撮影:キム・テギョン
照明:ホン・スンチョル
編集:ヤン・ジンモ
美術:イ・ハジュン
衣装:チェ・セヨン
音楽:ダルパラン
出演:チョ・ジヌン、リュ・ジュンヨル、キム・ジュヒョク(遺作)、チャ・スンウォン、パク・ヘジュン、チョン・ガラム、チン・ソヨン、キム・ドンヨン、イ・ジュヨン

2018年/韓国
日本公開日:2019年10月4日
カラー/シネスコ/124分/PG-12
字幕:根本理恵
配給:ギャガ・プラス
(c)2018 Cineguru Kidarient & Yong Film.
2018年 大鐘賞映画祭
 助演男優賞・特別賞(キム・ジュヒョク)
 助演女優賞(チン・ソヨン)
2018年 青龍映画賞
 助演男優賞(キム・ジュヒョク)/音楽賞(ダルパラン)
 人気スター賞(チン・ソヨン)
2018年 韓国映画プロデューサー協会賞
 助演女優賞(チン・ソヨン)
 編集賞(ヤン・ジンモ)/音楽賞(ダルパラン)
2019年 百想芸術大賞 助演男優賞(キム・ジュヒョク)
2019年 今年の映画賞 助演女優賞(チン・ソヨン)
2019年 黄金撮影賞
 撮影監督が選ぶ人気男優賞(リュ・ジュンヨル)

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毒戦 BELIEVER(毒戦/Believer)

story

 真っ白な雪原。両側が積もる雪に囲まれた道路を、車がひた走っていた。彼はどこに向かっているのか…。

 麻薬取締官のウォノ刑事(チョ・ジヌン)は、イ先生と呼ばれる男を追っていた。彼は国内最大の麻薬組織に君臨する支配者。その悪名と影響力は隅々にまで轟いているが、組織の人間ですら姿を見た者はおらず、「悪魔」と呼ばれ恐れられていた。そんな中、チャリティ団体のトップが亡くなり、麻薬製造工場で爆発事故が起こる。

 工場の焼け跡で、たまたま外にいたため唯一助かった青年がいた。ウォノは回復を待って彼を逮捕。重要な手がかりを持つ男として尋問を開始する。彼の名はラク(リュ・ジュンヨル)。後見人のオ・ヨノク(キム・ソンリョン)によれば、組織内で勢力図が代わり、新勢力が旧勢力を潰しにかかっているらしい。

 組織から捨てられたと話すラクは、イ先生が出現する可能性のある麻薬取引の情報を持っていた。ウォノはラクと取引をして釈放。組織のディーラー、パク・ソンチャン(パク・ヘジュン)になりすまし、麻薬取引の現場に潜入することに成功する。現れたのは、闇マーケットを牛耳るクレイジーな男ハリム(キム・ジュヒョク)と情婦ポリョン(チン・ソヨン)だった。狂気の中で商談は成立する。

 今度はウォノと警官のソヨン(カン・スンヒョン)がハリムとポリョンになりすまして、ラクとパク・ソンチャンを招き入れる。取引の場で試飲した麻薬による地獄も克服し、取引はうまくいった。後は、取引現場を押さえて、イ先生を捕まえるだけだ。ところが、ラクが信頼する仲間たちによる麻薬製造拠点の塩工場が襲われ、事態は混迷していく…。

アジコのおすすめポイント:

香港ノワールの巨匠、ジョニー・トー監督による『ドラッグ・ウォー 毒戦』(2013年)のリメイク作品です。ハードボイルド、男たちの絆、壮絶な銃撃戦を持ち味とするオリジナルに比べ、この韓国版では大胆な改編が行われており、展開は似ていても、そこに描かれているのはまったく別世界。冒頭の雪原が示しているように、帰結点もまったく違っています。香港での公開タイトルが『毒戦寒流』になったのも納得。副題の「BELIEVER」が本作のテーマであり、これは麻薬取締官と彼に協力することになった男との信頼関係が鍵となっております。さて、それはどんなものなのか? 全体的に韓国映画らしい「痛み」の演出が増強されており、このテイストはパク・チャヌク作品に似ている!と思ったら、脚本がパク・チャヌク監督作の常連作家、チョン・ソギョンでした。本作が遺作となってしまったキム・ジュヒョクが演じるジャンキー男の演技は強烈な印象を残すことでしょう。監督は多様な作品で独自のスタイルを築いてきたイ・ヘヨン。主演は熱血警官が似合うチョ・ジヌンと若手演技派NO.1のリュ・ジュンヨル。これに振り回されるディーラー役のパク・ヘジュンと善人ぶった悪党のチャ・スンウォンが絡みます。熱い刑事と氷のような青年の絆が、一体どんな化学反応を起こすのか? 劇場でとくとご覧ください。(『感染家族』のチョン・ガラムも新米警官役で登場しています!)


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