悲しみより、もっと悲しい物語
(比悲傷更悲傷的故事/More than Blue)
story
レコーディング中の新曲が不満な歌姫のA-Lin(A-Lin)は、帰宅中に運転手が聴かせてくれた未発表のデモ曲に心を奪われる。「ある悲しみ」というその曲を歌っていたのは、Kと呼ばれていた音楽プロデューサーのチャン・チォカイ(リウ・イーハオ)。作詞はクリームことソン・イェンイェン(アイビー・チェン)だ。A-Linは運転手の紹介で、当時の二人を知るパン(ハー・ハオチュン)に会いに行く。
二人が出会ったのは高校1年生の時だった。父を病気で亡くし、母にも棄てられたK(シー・チーティエン)は一人きりになり、身体を鍛えるためにいつも走っていた。そんな彼の前に突然、クリーム(ヤオ・アイニン)が現れた。彼女は吸っていたタバコをKに渡して逃げ、Kは先生に叱られてしまう。それ以来、Kは無邪気で明るい彼女に一瞬で恋をした。
クリームも交通事故で両親を亡くしていた。境遇だけでなく、趣味も好きなものも同じ二人は、やがてKの家で一緒に暮らすようになる。お互いの名前をKとクリームに決めたのはクリームだった。大学卒業後、Kは音楽プロデューサーの道へ。クリームは作詞家として活動を始める。二人はかけがえのないパートナーとして時を重ねていた。
しかし、二人の関係は友達以上恋人未満のまま、一線を越えることはなかった。Kはクリームのすべてを愛し、永遠に一緒にいたいと願っていたが、それは叶わぬ夢。彼は父親と同じ白血病に侵されており、余命僅かと知っていたのだ。クリームを再び孤独にさせたくない。彼は自分の想いを伝えることではなく、たとえ自分がいなくなっても彼女を幸せにしたいと願っていた。
ある日「私が好きなら結婚して」と言うクリームに、Kは「僕じゃダメだ。仕事もお金もあって家族思いで健康な男と結婚して欲しい」と伝える。やがて、クリームは偶然知り合った歯科医のヤン・ヨウシェン(ブライアン・チャン)にアプローチを始めるのだが…。
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