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夏時間

夏時間(姉弟の夏の夜/Moving ON)

監督:ユン・ダンビ
脚本:ユン・ダンビ
撮影:キム・ギヒョン
照明:カン・ギョングン
編集:ウォン・チャンジェ
音響:キム・サンウク(Doluck)
整音:ハン・ドンフン
出演:チェ・ジョンウン、パク・スンジュン、ヤン・フンジュ、パク・ヒョニョン、キム・サンドン

2019年/韓国
日本公開日/2021年2月27日
カラー/DCP/105分
字幕:三重野聖愛
配給:パンドラ
(c)2019 ONU Film


2019年 釜山国際映画祭
 NETPAC賞/KTH賞/市民批評家賞/韓国監督組合賞
2020年 釜山映画批評家協会賞
 新人監督賞(ユン・ダンビ)/新人女優賞(チェ・ジョンウン)
2020年 CINE21 新人監督賞(ユン・ダンビ)
2020年 韓国映画批評家協会賞
 新人監督賞(ユン・ダンビ)/ベストフィルム第2位
2020年 Mar del Plata 映画祭
 コンペティション部門 審査員賞
2020年 ニューヨーク・アジアン映画祭 作品賞
2020年 ロッテルダム国際映画祭
 輝く未来賞部門 ベストデビュー作品賞 
2020年 女性韓国映画祭 脚本賞(ユン・ダンビ)

story

 その日、中学生のオクジュ(チェ・ジョンウン)は住み慣れたアパートに別れを告げ、幼い弟ドンジュ(パク・スンジュン)と父ビョンギ(ヤン・フンジェ)の車で引っ越していく。行き先は郊外の坂道にある祖父の家だ。木々が生い茂り、畑もある庭付きのレトロモダンな造りの家は大きく、祖父ヨンムク(キム・サンドン)が一人で住んでいた。

 体調がすぐれず、認知症の気配もあるヨンムクだが、孫たちが来てうれしそうだ。「ここで夏を過ごす」と父は子どもたちに告げる。母親の姿はない。事業に失敗したビョンギは離婚したのだ。上の階の部屋を陣取り、蚊帳を釣るオクジュ。ドンジュが一緒に寝たがるが、オクジュは受け入れない。怖がりのドンジュは父の寝床に転がり込む。

 叔母のミジョン(パク・ヒョニョン)がやって来た。二人は陽気なミジョンが大好きで、ミジョンも一緒に暮らし始める。訪ねて来た夫を追い返すミジョン。離婚寸前のようだ。父はブランドスニーカーの靴箱を車に積み、路上販売を始めていた。オクジュは付き合っているBFに新しい靴をプレゼントする。オクジュは二重瞼の手術をしたいと父にねだるが「やめろ」と無視される。

 祖父の誕生日。オクジュはプレゼントを渡し、ドンジュがおどけて歌う。父と叔母は思い出話をしている。楽しく幸せな時間が流れる。オクジュは手術費用を稼ぐため、こっそり父の車から靴箱をくすねて売ろうとするが、警察に補導されてしまう。引き取りに来る父。靴は偽物だった。ドンジュは母親と会っていた。そんな中、祖父の容態が悪化する…。

アジコのおすすめポイント:

多感な時期にいろいろな経験をするひと夏の出来事を、ミドルティーンの少女の視点で綴ったみずみずしい作品です。親の離婚、引越し、父の仕事、恋の行方、整形手術、祖父や叔母のこと、弟のこと、母親のこと…自分の力ではどうにもできない大人の都合や人生の出来事に揺れ動き、様々な感情が押し寄せて泣き出してしまう主人公の姿が繊細に描かれます。監督は本作で長編デビューを果たした女性監督のユン・ダンビ。2ヶ月以上かけて仁川で見つけたという舞台となった家が特に素晴らしく、家屋や庭で繰り広げられる何気ない日常シーンが秀逸です。姉弟を演じるのは新人のチェ・ジョンウンと、話題の「愛の不時着」などドラマでも活躍する天才子役パク・スンジュン。『わたしたち』『はちどり』に続く少女が主人公の傑作として注目して欲しい作品です。


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▼公式サイト ▼予告編