ハード・ヒット 発信制限(発信制限/Hard Hit)
story
その朝、海雲台のパルム銀行支店長イ・ソンギュ(チョ・ウジン)は、副頭取からの電話で起こされる。予定されていた会議が延期になったのだ。ソンギュは娘ヘイン(イ・ジェイン)と息子ミンジュン()を車の後部座席に乗せ、学校に送りとどけてから出行することにする。「変ない臭いがする」車に乗ったヘインは異臭に気づく。
車が走り出すと、携帯の着信音が鳴る。ダッシュボードに見慣れぬ携帯があった。運転しながら出てみると、男の声で「車に爆弾を仕掛けた」と言う。非通知電話だ。イタズラと思ったソンギュが携帯を切ると、すぐに写真が送られてきた。妻(キム・ジホ)と子どもたちの写真だ。
ソンギュはセルフ給油のスタンドに寄る。だが、また携帯が鳴り「車から降りると爆発する」と男が伝えてきた。運転席の下に仕掛けてあるのは手製の油圧式爆弾で、地雷の上に乗っているようなものだ。ソンギュは店員に金を渡して給油してもらう。男は高額な金を要求してきた。
子どもたちを学校で降ろすこともできず、走り続けるソンギュに、副支店長のアン・ジョンホ()から電話が入る。彼も同じ状況にあり、妻が職場の前で降りたがって困っていた。駆けつけたソンギュが説得するも、妻が車を降りた途端、ジョンホの車は爆発。爆風で破片が刺さったのか、ミンジュンが脚に怪我をして出血してしまう。
病院へ急ぎたいソンギュ。だが、犯人は無情にも金を先に要求。金額はジョンホの分も加わりさらに高額になっていた。ソンギュは妻に電話して、金の用意を頼むのだが…。
アジコのおすすめポイント:
座席に地雷型爆弾を仕掛けられた銀行員が、見えない犯人に翻弄されながら家族を守るために奮起するノンストップアクションスリラーです。監督は『PMC ザ・バンカー』など数々のヒット作の編集で腕を磨いたキム・チャンジュ。本作で長編監督デビューを飾りました。主演は『SEOBOK/ソボク』で非情な組織の男、『茲山魚譜ーチャサンオボー』では僻地のごますり役人をコミカルに演じた演技派のチョ・ウジン。主演作を観るのは初めてかも。対する、なかなか登場しない犯人を演じたのは、若手人気俳優のチ・チャンウク。17年に兵役に就いて除隊後の初映画出演作で、初めての悪役に挑戦しています。とはいえ、理由ありの背景があるので、最後にはこの配役に納得することでしょう。そして潔いラストへと繋がります。注目したいのは娘を演じた子役のイ・ジェイン。コ・アソン、キム・ヒャンギに続く名子役として活躍中。皆、ルックスが似てるところも共通点かも。親子の絆が深まるヒューマンドラマとしても楽しめます。
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