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マーベラス

監督:マーティン・キャンベル
脚本:リチャード・ウェンク
撮影:デヴィッド・タッターサル
編集:アンジェラ・M・カタンザーロ
アクション指導:ディヤン・リストフ
美術:ウルフ・クローガー
衣装:イリーナ・コチェヴァ
音楽:ルパート・パークス(Photek)
出演:マギー・Q、マイケル・キートン、サミュエル・L・ジャクソン、ロバート・パトリック、パトリック・マラハイド、デヴィッド・リントール、エヴァ・グエン・トールセン

2021年/米・英
日本公開日:2022年7月1日
カラー/4Kスコープ/109分/R15
字幕:
配給:REGENTS
©2021 by Makac Productions, Inc.
2022年 ゴールドリスト 最優秀女優賞(マギー・Q)


poster


マーベラス(The Protégé)

story

 1991年。戦時下のベトナム、ダナン。雨の中、ミッションの最中にとある店へ向入った工作員ムーディ(サミュエル・L・ジャクソン)は、大勢の男たちが殺されているのを発見する。戸棚の中で震えながら拳銃を向けていたのは、11歳の少女アンナ(エヴァ・グエン・トールセン)だった。

 30年後、ルーマニアのブカレストで麻薬王ドン・プレダ(ヴェリザール・ビネヴ)の息子バリ(ジョルジュ・ピステレアヌ)が誘拐される。身代金を受け取りに来た女が捕われるが、それは作戦だった。彼女は難なく麻薬王を暗殺する。ムーディに鍛えられたアンナ(マギー・Q)は、今や裏社会でトップクラスの師弟コンビになっていた。

 ロンドン。任務が終わると二人はそれぞれの生活に戻る。アンナは希少古書店を営み、ムーディは田舎の大きな屋敷でクローディア(キャロリン・リンケ)と暮らし、趣味の音楽とハイテク機器に没頭していた。ムーディの70歳の誕生日、アンナは久しぶりにムーディの屋敷を訪れる。プレゼントは彼が欲しがっていたビンテージギターだ。

 お祝いの後、納屋の地下にある隠し部屋で、ムーディは自分の余命が短いことを告げ、古書店のあるビルをアンナのために買い取ったと告げる。そして、最後の頼みとして、98年から行方不明になっているルーカス・ヘイズという人物の調査を依頼する。アンナは躊躇いながらも、馴染みのハッカー、ベニー(ガンバ・コール)に調査を頼む。

 その頃、古書店にマイケル・レンブラント(マイケル・キートン)という男が本を探しにやって来る。その本は希少本だがアンナも好きな本だった。二人は互いを意識しながら別れる。その後、ルーカス・ヘイズの消息がわかるが、ベニーは殺され、不安に思ったアンナがムーディの屋敷へ行くと、クローディアとムーディも殺されていた。さらに、アンナも2人組の男に銃撃される。

 大切な師を失い復讐を誓うアンナは、ルーカス・ヘイズの謎を解くため、二度と戻らないつもりでいたベトナムへ旅立つ。そして、馴染みの暴走族ビリー(ロバート・パトリック)たちと共に、鍵を握る大物実業家ヴォール(パトリック・マラハイド)に接触するのだが…。

アジコのおすすめポイント:

ベトナム戦争の頃、工作員に拾われ、凄腕の殺し屋として育てられた女が、恩人でもある師匠を殺した真犯人を突き止めるため故郷に戻り、真の敵と向き合うサスペンスアクションです。日本人にはわかりづらいのでタイトルが変わったのだと思いますが、原題「The Protégé」は「弟子」という意味なんですね。監督はニュージーランド生まれでイギリスを拠点に活躍するロバート・キャンベル。ピアース・プロスナンの『007/ゴールデンアイ』やダニエル・クレイグの『007/カジノ・ロワイヤル』と、007シリーズの名作を監督し、2017年にはジャッキー・チェン主演の『ザ・フォーリナー/復讐者』も手がけています。

主演は今やハリウッドのアクション女優として活躍中のマギー・Q。ハワイ出身で、台湾や香港で活躍した後、06年に『ミッション:インポッシブル3』でハリウッドデビュー。『ダイバージェント』シリーズにも出演しています。アメリカ人とベトナム人のハーフなので、今回の役はぴったり。キレ味抜群のアクションを披露する彼女とがっつり組める俳優ということで、監督が選んだのはマイケル・キートンとサミュエル・L・ジャクソンの2大俳優。この3人の俳優のアンサンブルを楽しむための映画とも言えます。特に、敵対関係だけでなく、闘いながらも惹かれあってしまう微妙な関係を演じたマギーとマイケルの絡みも見どころです。この男、敵なのか、味方なのか? そして、最後に待ち受けるあっと驚く展開もあり、なかなか楽しめる作品となっています。美しい映像も見どころで、冒頭に出てくるブカレストの麻薬王の邸宅はなんと、あの独裁者チャウシェスクがプライベートで家族と使っていた邸宅だそうです。少女時代のアンナを演じるのはエヴァ・グエン・トールセン。後半で明かされる、彼女の出演シーンも印象に残ります。

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▼公式サイト ▼予告編