マーベラス(The Protégé)
story
1991年。戦時下のベトナム、ダナン。雨の中、ミッションの最中にとある店へ向入った工作員ムーディ(サミュエル・L・ジャクソン)は、大勢の男たちが殺されているのを発見する。戸棚の中で震えながら拳銃を向けていたのは、11歳の少女アンナ(エヴァ・グエン・トールセン)だった。
30年後、ルーマニアのブカレストで麻薬王ドン・プレダ(ヴェリザール・ビネヴ)の息子バリ(ジョルジュ・ピステレアヌ)が誘拐される。身代金を受け取りに来た女が捕われるが、それは作戦だった。彼女は難なく麻薬王を暗殺する。ムーディに鍛えられたアンナ(マギー・Q)は、今や裏社会でトップクラスの師弟コンビになっていた。
ロンドン。任務が終わると二人はそれぞれの生活に戻る。アンナは希少古書店を営み、ムーディは田舎の大きな屋敷でクローディア(キャロリン・リンケ)と暮らし、趣味の音楽とハイテク機器に没頭していた。ムーディの70歳の誕生日、アンナは久しぶりにムーディの屋敷を訪れる。プレゼントは彼が欲しがっていたビンテージギターだ。
お祝いの後、納屋の地下にある隠し部屋で、ムーディは自分の余命が短いことを告げ、古書店のあるビルをアンナのために買い取ったと告げる。そして、最後の頼みとして、98年から行方不明になっているルーカス・ヘイズという人物の調査を依頼する。アンナは躊躇いながらも、馴染みのハッカー、ベニー(ガンバ・コール)に調査を頼む。
その頃、古書店にマイケル・レンブラント(マイケル・キートン)という男が本を探しにやって来る。その本は希少本だがアンナも好きな本だった。二人は互いを意識しながら別れる。その後、ルーカス・ヘイズの消息がわかるが、ベニーは殺され、不安に思ったアンナがムーディの屋敷へ行くと、クローディアとムーディも殺されていた。さらに、アンナも2人組の男に銃撃される。
大切な師を失い復讐を誓うアンナは、ルーカス・ヘイズの謎を解くため、二度と戻らないつもりでいたベトナムへ旅立つ。そして、馴染みの暴走族ビリー(ロバート・パトリック)たちと共に、鍵を握る大物実業家ヴォール(パトリック・マラハイド)に接触するのだが…。
アジコのおすすめポイント:
ベトナム戦争の頃、工作員に拾われ、凄腕の殺し屋として育てられた女が、恩人でもある師匠を殺した真犯人を突き止めるため故郷に戻り、真の敵と向き合うサスペンスアクションです。日本人にはわかりづらいのでタイトルが変わったのだと思いますが、原題「The Protégé」は「弟子」という意味なんですね。監督はニュージーランド生まれでイギリスを拠点に活躍するロバート・キャンベル。ピアース・プロスナンの『007/ゴールデンアイ』やダニエル・クレイグの『007/カジノ・ロワイヤル』と、007シリーズの名作を監督し、2017年にはジャッキー・チェン主演の『ザ・フォーリナー/復讐者』も手がけています。
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