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スーパー30 アーナンド先生の教室

スーパー30 アーナンド先生の教室(Super 30)


監督:ヴィカース・バハル
脚本:サンジーヴ・ダッタ
撮影:アナイ・ゴースワーミー
編集:A・シュリーカル・プラサード
音楽:アジャイ&アトゥール
出演:リティク・ローシャン、ムルナール・タークル、アーディティヤー・シュリーヴァースタヴ、パンカジ・トリパーティー、アミット・サードゥ、ヴィジャイ・ヴァルマー

2019年/インド
日本公開日:2022年9月23日
カラー/シネスコ/ヒンディー語/154分
字幕:佐藤裕之
配給:SPACEBOX
©Reliance Entertainment ©HRX Films ©Nadiadwala ©Grandson Entertainment ©Phantom Films.
2020年 ジーシネ・アワード
 男優賞(リティク・ローシャン)
2020年 ミルチ音楽賞
 最優秀エンジニア賞(ヴィジャイ・ダヤル)
2020年 ETCボリウッド・ビジネス・アワード
 The 100 Crore Club
2020年 ダダサヘブ・ファルケ映画祭
 作品賞/男優賞(リティク・ローシャン)


poster


story

 2017年、ロンドン。宇宙科学者として成功した元風船売りの息子、フッガー・クマール(ヴィジャイ・ヴァルマー)は、授賞式のスピーチで大切な恩師アーナンド・クマールについて話し始める…。

 1996年、インドのパトナ。数学のラーマーヌジャン大会で優勝したアーナンド・クマール(リティク・ローシャン)は「インドは宇宙を目指す!」と豪語するラーム・シン教育大臣(パンカジ・トリパーティー)から表彰され、「何かあったら訪ねてこい」と言われる。しかし、アーナンドは優勝メダルより2位がもらった学術誌の最新号が気になっていた。

 数学で頭がいっぱいのアーナンドには、ダンス教室に通う良家の娘スプリヤー(ムルナール・タークル)という恋人がいる。口ベタなアーナンドは彼女に手紙を渡すと、ベナレスへ行き学術誌の最新号を読むため大学図書館へ潜入。係員に見つかって追い出されるが、親切な守衛が「君の論文が載れば、一生無料で届く」と教えてくれた。

 そこで、アーナンドは解明されていない数式を解いて学術誌に送り、見事論文が掲載されたばかりでなく、ケンブリッジ大学から入学許可証も届いた。「王になるのは王の子どもじゃない。能力のある者だ」といつも励ましてくれる郵便局員の父(ヴィレーンドラ・サクセーナー)、優しく見守る母(サダナ・シン)、兄を尊敬する弟プラナヴ(ナンデーシュ・サンドゥ)も喜んでくれた。

 しかし、イギリスへの旅費がない。父が無理をしてお金を工面し、足りない分は大臣に援助してもらおうとするが無駄足に終わる。さらに、父が倒れて急逝。留学は断念せざるをえず、アーナンドは失意の中、家計を助けるため母の焼いたパーパルを売り歩いた。

 そんな彼の前に、1987年のラーマーヌジャン大会の優勝者、ラッラン・シン(アーディティヤー・シュリーワースタウ)が現れる。彼はインド工科大学(IIT)受験の予備校を手広く経営して成功していた。アーナンドは講師として迎えられ、広告塔になる。そして有名になり、生活も豊かに。スプリヤーとの交際も認めてもらえるようになった。

 だが、ある日、勉強好きな貧しい少年と出会い、父の言葉を思い出して改心する。そして、貧しいが才能のある子どもたちに無料で教える私塾「スーパー30」を弟と開設。優秀な30人を選抜してIITに合格させるため、予備校とは違う独自の教育を始めるのだった…。


アジコのおすすめポイント:

インドといえば、数学の国。最初に「0」を発見したのも古代インドの数学者だし、『奇蹟がくれた数式』ではデーヴ・パテルが天才数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャンを演じました。その名前を冠した数学大会が、本作の冒頭に出てくる大会。そして、主人公アーナンド・クマールもやはり天才的な数学能力の持ち主。ところが、ケンブリッジ大学に認められたにもかかわらず、お金の問題で留学がかないませんでした。そんな彼にもたらされたのが、教育者という新たな道。しかも、自分のようにお金で才能の芽が摘まれることのないよう、なんと無償で、才能ある貧しい子どもたちを教えることにしたのです。これ、実話なんですね。子どもたちが目指すのは、インド教育界の最高学府インド工科大学(IIT)。その人気と難関ぶりは『きっと、うまくいく』(映画ではICEとなっていますが、モデルはIIT)でもよくわかります。監督は『クイーン 旅立つわたしのハネムーン』のヴィカース・バハル。主演は、2018年に「世界で最もハンサムな男性ランキング」で6位に輝いたリティク・ローシャン(『WAR ウォー!!』)。本作ではその美貌を封印してスターオーラも消し去り、肌の色を変え、体重を増やして、実際のアーナンド・クマールその人に近づいています。アジコ的には兄に献身的に尽くす弟を演じたナンデーシュ・サンドゥが印象的で気になりました。さらに、こどもたちにも注目。演技経験のない15000人以上からオーディションで選ばれ、さらに30人を厳選。実際のスーパ−30の生徒も含まれているそうです。映画の後半、受験を妨害しようと企む大人たちを、子どもたちが知恵を駆使して撃退するシーンは最大の見どころです。

尚、2003年にアーナンド・クマールが始めた「Super 30」というプログラムは、選抜された30人に1年間、寮から食事、教材まで全て無償で提供され、インド工科大学に受験できるというシステム。毎年20人前後が合格し、2008年から2010年までと2017年にも全員が合格という快挙。米タイムズ誌やニューズ・ウィーク誌でも取り上げられ、NHKでも紹介されています。

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リティク・ローシャン(左)と
本物のアーナンド・クマール(右)

▼公式サイト ▼予告編