story
2017年、ロンドン。宇宙科学者として成功した元風船売りの息子、フッガー・クマール(ヴィジャイ・ヴァルマー)は、授賞式のスピーチで大切な恩師アーナンド・クマールについて話し始める…。
1996年、インドのパトナ。数学のラーマーヌジャン大会で優勝したアーナンド・クマール(リティク・ローシャン)は「インドは宇宙を目指す!」と豪語するラーム・シン教育大臣(パンカジ・トリパーティー)から表彰され、「何かあったら訪ねてこい」と言われる。しかし、アーナンドは優勝メダルより2位がもらった学術誌の最新号が気になっていた。
数学で頭がいっぱいのアーナンドには、ダンス教室に通う良家の娘スプリヤー(ムルナール・タークル)という恋人がいる。口ベタなアーナンドは彼女に手紙を渡すと、ベナレスへ行き学術誌の最新号を読むため大学図書館へ潜入。係員に見つかって追い出されるが、親切な守衛が「君の論文が載れば、一生無料で届く」と教えてくれた。
そこで、アーナンドは解明されていない数式を解いて学術誌に送り、見事論文が掲載されたばかりでなく、ケンブリッジ大学から入学許可証も届いた。「王になるのは王の子どもじゃない。能力のある者だ」といつも励ましてくれる郵便局員の父(ヴィレーンドラ・サクセーナー)、優しく見守る母(サダナ・シン)、兄を尊敬する弟プラナヴ(ナンデーシュ・サンドゥ)も喜んでくれた。
しかし、イギリスへの旅費がない。父が無理をしてお金を工面し、足りない分は大臣に援助してもらおうとするが無駄足に終わる。さらに、父が倒れて急逝。留学は断念せざるをえず、アーナンドは失意の中、家計を助けるため母の焼いたパーパルを売り歩いた。
そんな彼の前に、1987年のラーマーヌジャン大会の優勝者、ラッラン・シン(アーディティヤー・シュリーワースタウ)が現れる。彼はインド工科大学(IIT)受験の予備校を手広く経営して成功していた。アーナンドは講師として迎えられ、広告塔になる。そして有名になり、生活も豊かに。スプリヤーとの交際も認めてもらえるようになった。
だが、ある日、勉強好きな貧しい少年と出会い、父の言葉を思い出して改心する。そして、貧しいが才能のある子どもたちに無料で教える私塾「スーパー30」を弟と開設。優秀な30人を選抜してIITに合格させるため、予備校とは違う独自の教育を始めるのだった…。
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