story
杭州市。龍井茶の産地として知られる西湖の畔で暮らす母と息子。父ホーシャン(何山)は、10年前に家を出たまま行方不明だ。母タイホア(苔花:ジアン・チンチン)は茶摘みで生計をたて、息子ムーリェン(目蓮:ウー・レイ)を育て上げた。
茶摘みの季節がやってきた。山起こしの日、タイホアは山に向かうバスの中で、仲の良いジンラン(チェン・クン)に「夫の死を知らせるメッセージが届いた」と告げる。その朝、大学を卒業したムーリェンが、茶畑の母を訪ねてくる。やっと仕事が決まったのだ。ムーリェンはずっと父親を探している。「父さんは死んだ」と話しても「父さんの木がある限り、父さんは見つかる」と信じている。
茶畑の主人で著名な茶師でもあるチェンさん(チェン・ジエンビン)は、ムーリェンをかわいがりお茶の仕事をさせたがっていた。妻を亡くした彼はタイホアといい仲になり、再婚も考えている。だが、そのことを知った彼の母親が反対し、タイホアを茶摘み人の寮から追い出してしまう。
タイホアと一緒にジンランも寮を出た。彼女は弟が大儲けをしているというバタフライ社のイベントにタイホアを連れていく。立派なスーツに身を包み、堂々とイベントの司会進行を務める弟のドン・ワンリー(イェン・ナン)。成功したマネージャーのワン・チン(ワン・ジアジア)が紹介され、サクセスストーリーを披露する。タイホアは初めて見る煌びやかな世界に圧倒された。
バタフライ社は「足裏シート」を販売する会社だが、その実態はマルチ商法。このイベントは新しい販売員を増やすためのものだった。成功すれば1080万元とマネージャーのポストが約束されている。タイホアは洗脳され、違法ビジネスの世界にどっぷりとつかっていく。
一方、ムーリェンは就職した会社の仕事が詐欺商売とわかり辞めてしまう。そして、久しぶりに会った母は別人のようになっていた。派手な服に派手なメイク。母の部屋へ行くと「足裏シート」の箱が山のように積まれている。母は大事にしていた家まで売ってしまっていた。
ネットで調べると、バタフライ社が怪しい会社なのはすぐにわかった。母は騙されている。湖上イベントに出席したムーリェンは警察に通報するが、違法の証拠がなく失敗に終わる。ムーリェンを責めるタイホワ。「お母さんに寄り添ってみては」と助言されたムーリェンは、意を決して母と行動を共にする。その実態を暴くために…。
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