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ASICRO FOCUS file no.8

『LOVERS』来日記者会見 in Tokyo

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左から梅林茂(音楽)アンディ・ラウ(劉徳華)、チャン・ツィイー(章子怡)、金城武、チャン・イーモウ(張藝謀/監督)、トニー・チン・シウトン(程小東/アクション監督)

●踊りのアクション指導について

質問「牡丹楼での踊りのシーンで、チャン・ツィイーさんは1ヶ月ほど筋トレをされたそうですが、実際はどのようなトレーニングをされたのですか? また、チン・シウトン監督があの場面での演技に求めたもの何でしょうか?」

トニー「今の質問は監督に答えていただいた方がいいと思います。(笑)僕は監督の指示に従っただけです。こういう風にしたいので部分的に考えてくれと頼まれたに過ぎないので、監督にお話していただいた方がいいんじゃないかと思います。」(笑)

監督「たしかにこの映画の最初のアイデアは、踊り、バレエを撮っていこうという風に考えた訳ですが、その時点では2ヶ月もかけて舞踏の振付師を呼びまして、チャン・ツィイーと踊りの訓練をやりました。自分自身でも、映画のこの場面は舞踏的な演出をしたかったんだと思います。撮影本番に入る直前に、隣りにいるトニーの存在に気がつきました。彼の方がほんとはすごいんじゃないかと。彼と今まで一緒に仕事をして、多くのインスピレーションを与えてくれたので。そこで考えを変えました。そして舞踊の振り付けの先生に『申し訳ないですが、この場面はあなたをはずします。側に立っててもらえますか』と言いました。この演出は全部アクションの発想で舞踊の演出をしようと変えました。それで、こういう風になりました。」

「ちなみに僕の知る限りでは、このようなやり方は今までにあまりなかったんではないかなと思います。非常に伝統的な中国の古典の長い袖を使った舞いを、なんとアクション監督が演出するんです。実際にご覧になるとわかりますけれども、この場面はこの映画の中で最も素晴らしい場面の1つになっています。彼には本当に感謝しています。」

チャン「あの時は自分がまるで学生時代に戻ったような気がします。毎朝9時から夜8時まで、稽古場でダンスしたりアクションを練習したりして、1日3食全部稽古場で過ごしました。昔、習ったことがあるので、舞踏の基本はできていましたが、今回は監督に大きな空間を与えていただいて、充分に自分が表現できるようにしていただきましたので、自分の方でもできる限り監督の要求に応えられるよう頑張りました。練習は自分にとってたいしたことではありません。踊りがうまくできるようになったのは練習のおかげだと思います。」

●役作りについて

質問「盲目の踊り子・小妹を演じるにあたり、盲目の少女と一緒に共同生活をされたそうですが、エピソードはありますか?」

チャン「1ヶ月間、本当に目の見えない女性と生活しました。見えないという役を演じることが、自分にとって負担にならないよう演技したかったのです。で、彼女に頼みまして、いろんなことをやってみました。例えば蛇に追いかけられるシーンですが、実際にその女性に現場で声を出して追いかけられているようにしてもらい、それをカメラに撮って、テレビでどういう反応をするかを見て自分で研究しました。それから、映画の中でお花を触るシーンがあるんですが、その女性と一緒に公園に行き、お花を触るところなどを見て勉強しました。人に触るところも、彼女が実際に触っているところを見て勉強しました。」

●興行成績について

質問「監督に質問です。中国では前作『HERO』を超えるヒットと言われていますが、日本にもその勢いが上陸すると思いますか?」

p3 監督「『LOVERS』については実は昨日、中国の方に電話で聞きました。今、興行成績が1億1千万元(×14=日本円)を超えたそうです。この記録は『HERO』に続いてとてもいい記録となってまして、今まで中国で公開した外国映画の興行成績を超えているそうです。日本でも、できれば『HERO』を上回ってくれればうれしいと思います。」

「今日この会場に集まってくださった皆さんを見て、ある程度自信がつきました。こんなにたくさんのマスコミの皆さんがかけつけて応援してくださったということは、一生懸命宣伝してくださるでしょう。『HERO』を超えるような成績になるだろうと期待しております。本当にありがとうございます。」

会見終了後、集合写真撮影タイムを経て大盛況の記者会見は終了しました。(現像してみれば、アジクロの貧弱なカメラに視線を送ってくれていた金城君に感謝!)


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更新日:2004.8.7
●back numbers

●記者会見の表記

質問
(質問者)
金城(金城武)
チャン(チャン・ツィイー)
アンディ(アンディ・ラウ)
梅林(梅林茂)
監督(チャン・イーモウ)
トニー(トニー・チン・シウトン)
●トニー・チン・シウトン
(程小東)/アクション監督

アジア映画界屈指のアクション演出家。ジャッキー・チェン、チョウ・ユンファ、ミシェル・ヨーなど、香港のトップスターに武術指導を行ってきた。80年代後半には、中国ホラーブームの火付け役となった『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』シリーズを監督し、アボリアッツ国際ファンタスティック映画祭審査員特別賞を獲得。

主な代表作
・北京オペラブルース(86)
・チャイニーズ・ゴースト・ストーリー(87)
・スウォーズマン(91)
・チャイニーズ・ゴースト・ストーリー3(91)
・ドラゴン・イン(92)
・ワンダーガールズ/東方三侠(92)
・少林サッカー(01)
・赤裸特工(02)
・HERO(03)
梅林茂(音楽)

伝説のロックグループ「EX(エックス)」のメンバーとして活躍し、80年代初期にはエリック・クラプトンのサポートバンドを務めた。85年にグループ解散後、映画音楽の作曲を手がけるようになる。アジア映画の音楽も多数手がけており、ジェイコブ・チャン監督『夜間飛行』で2001年台湾金馬奨の最優秀オリジナル主題歌賞に輝いた。

主な代表作
・眠らない街/新宿鮫(93)
・トカレフ(93)
・南京の基督(95)
・G4特工(97)
・不夜城(98)
・花様年華(2000)
・夜間飛行(01)
・陰陽師(01)
・たまゆらの女(02)
・戀之風景(03)
ワダエミ(衣装デザイナー)

今日の映画界を代表するコスチュームデザイナーの一人。その評価は海外にもとどろき、黒澤明監督『乱』(85)で日本人初のアカデミー衣裳デザイン賞を獲得。香港映画界でも注目され、メイベル・チャン監督『宋家の三姉妹』、ロニー・ユー監督『キラー・ウルフ/白髪魔女伝』を経て、『HERO』で香港電影金像奨を受賞した。

衣裳
『LOVERS』の衣裳たち