●踊りのアクション指導について
質問「牡丹楼での踊りのシーンで、チャン・ツィイーさんは1ヶ月ほど筋トレをされたそうですが、実際はどのようなトレーニングをされたのですか? また、チン・シウトン監督があの場面での演技に求めたもの何でしょうか?」
トニー「今の質問は監督に答えていただいた方がいいと思います。(笑)僕は監督の指示に従っただけです。こういう風にしたいので部分的に考えてくれと頼まれたに過ぎないので、監督にお話していただいた方がいいんじゃないかと思います。」(笑)
監督「たしかにこの映画の最初のアイデアは、踊り、バレエを撮っていこうという風に考えた訳ですが、その時点では2ヶ月もかけて舞踏の振付師を呼びまして、チャン・ツィイーと踊りの訓練をやりました。自分自身でも、映画のこの場面は舞踏的な演出をしたかったんだと思います。撮影本番に入る直前に、隣りにいるトニーの存在に気がつきました。彼の方がほんとはすごいんじゃないかと。彼と今まで一緒に仕事をして、多くのインスピレーションを与えてくれたので。そこで考えを変えました。そして舞踊の振り付けの先生に『申し訳ないですが、この場面はあなたをはずします。側に立っててもらえますか』と言いました。この演出は全部アクションの発想で舞踊の演出をしようと変えました。それで、こういう風になりました。」
「ちなみに僕の知る限りでは、このようなやり方は今までにあまりなかったんではないかなと思います。非常に伝統的な中国の古典の長い袖を使った舞いを、なんとアクション監督が演出するんです。実際にご覧になるとわかりますけれども、この場面はこの映画の中で最も素晴らしい場面の1つになっています。彼には本当に感謝しています。」
チャン「あの時は自分がまるで学生時代に戻ったような気がします。毎朝9時から夜8時まで、稽古場でダンスしたりアクションを練習したりして、1日3食全部稽古場で過ごしました。昔、習ったことがあるので、舞踏の基本はできていましたが、今回は監督に大きな空間を与えていただいて、充分に自分が表現できるようにしていただきましたので、自分の方でもできる限り監督の要求に応えられるよう頑張りました。練習は自分にとってたいしたことではありません。踊りがうまくできるようになったのは練習のおかげだと思います。」
●役作りについて
質問「盲目の踊り子・小妹を演じるにあたり、盲目の少女と一緒に共同生活をされたそうですが、エピソードはありますか?」
チャン「1ヶ月間、本当に目の見えない女性と生活しました。見えないという役を演じることが、自分にとって負担にならないよう演技したかったのです。で、彼女に頼みまして、いろんなことをやってみました。例えば蛇に追いかけられるシーンですが、実際にその女性に現場で声を出して追いかけられているようにしてもらい、それをカメラに撮って、テレビでどういう反応をするかを見て自分で研究しました。それから、映画の中でお花を触るシーンがあるんですが、その女性と一緒に公園に行き、お花を触るところなどを見て勉強しました。人に触るところも、彼女が実際に触っているところを見て勉強しました。」
●興行成績について
質問「監督に質問です。中国では前作『HERO』を超えるヒットと言われていますが、日本にもその勢いが上陸すると思いますか?」
監督「『LOVERS』については実は昨日、中国の方に電話で聞きました。今、興行成績が1億1千万元(×14=日本円)を超えたそうです。この記録は『HERO』に続いてとてもいい記録となってまして、今まで中国で公開した外国映画の興行成績を超えているそうです。日本でも、できれば『HERO』を上回ってくれればうれしいと思います。」
「今日この会場に集まってくださった皆さんを見て、ある程度自信がつきました。こんなにたくさんのマスコミの皆さんがかけつけて応援してくださったということは、一生懸命宣伝してくださるでしょう。『HERO』を超えるような成績になるだろうと期待しております。本当にありがとうございます。」
会見終了後、集合写真撮影タイムを経て大盛況の記者会見は終了しました。(現像してみれば、アジクロの貧弱なカメラに視線を送ってくれていた金城君に感謝!)