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『LOVERS』作品紹介

Lovers logo 今年のカンヌ国際映画祭では特別招待作品としてプレミアム上映された『LOVERS』。上映後は20分ものスタンディング・オベーションで喝采を浴びたという『LOVERS』の見どころポイントを、登場人物と共にいくつかご紹介します。

●金(ジン)・随風(スイフォン):若き官吏/金城武
金城武  朝廷を守る役人の一人で、弓矢の達人。上司・劉の命令で潜伏している反政府勢力・飛刀門の重要人物を探るため牡丹坊を訪れ、盲目の踊り子・小妹と出会う。その後、随風と名乗り、小妹を守って飛刀門の本拠地をめざす旅に出るのだが…。
 身分を隠して敵を誘うつもりでいながら、実は二重・三重のからくりに翻弄される男。そんな中で芽生える恋心が、どこで本物になるのか?

●小妹(シャオメイ):踊り子・飛刀門の一味/チャン・ツィイー
 父を官吏に殺された小妹は復讐心に燃える飛刀門の一味。踊り子として潜伏していたところを金と劉に見つけられ逮捕されるが、金のおかげで獄中から逃走する。実はそれは、飛刀門の本拠地を突き止めるための罠だったのだが…。
 冒頭の牡丹坊での踊りのシーンは見事! 華麗な衣裳も素晴らしいですが、その長い袖と太鼓によるアンサンブル・アクション舞踊は初めての体験です。
チャン・ツィイー

アンディ・ラウ ●劉(リウ):野心家の官吏/アンディ・ラウ

 本拠地を探して頭目を捕らえ、さらに大きな手柄とするために、あえて金と小妹を逃がす。二人が追っ手に捕まらないように陰で助けながら、二人の動向を見守っていくのだが、実は劉自身にも大きな秘密があるのだった…。
 アクション映画を数多くこなしているだけに、身のこなしはさすが。存在感のある俳優ながら今回は押えた演技が見どころ。後に暴発しますが。冒頭の「豆」技にも注目です。

 そして、この竹林の闘い。何度も迫りくる追手が次々と現れ、とうとう二人を追い詰めてしまいます。(竹の上に追手がたくさんいる!)いくら撮影とはいえ、切っ先鋭い竹林や笹で怪我をした人も多いのでは?と見るからに痛くなるような、凄いシーンが続々と登場します。この絶体絶命の危機を救うのは一体誰なのか?! さらに逃げまどう若き恋人たちの運命は? 真実の愛は見つかるのか? 結末は劇場でご覧ください。
*8月28日より全国ロードショー公開。
(映画紹介ページはこちら
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記者会見を読む ▼123
更新日:2004.8.21
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●アニタ・ムイに捧ぐ

 この映画は、アニタ・ムイに捧げられています。アニタ・ムイ(梅艶芳)は香港を代表する大スター。歌手として女優として、また人間としても尊敬される女性でしたが、昨年末、惜しくも子宮頚癌により40歳で生涯を閉じました。

 アニタは最初から『LOVERS』の主要人物として想定されていました。忙しい身でありながら、チャン・イーモウ監督の要請ならぜひ出演したいと、病を公表した昨年9月以降も周りの反対を押し切って出演の意思を強く持ち続け、イーモウ監督も彼女の体調を考慮しながら体制を整え、撮影スケジュールを調整していたのでした。

 が、11月のソロ・コンサート、そして日本でのCFロケを最後に入院。12月末、多くの友人たちに囲まれて帰らぬ人となりました。突然の悲報に監督は深く悲しみ、代役は立てずに脚本を修正することに。こうして『LOVERS』は4人の物語から3人の物語になった訳です。アニタの役が誰であったのかは、注意深く観ていると想像がつくと思います。

 残念ながら原版『LOVERS』を観ることはかないませんが、もしアニタが出演していたら、金城武のデビュー作でもある近未来アクション映画『東方三侠』シリーズのような「愛と使命に引き裂かれる」悲しみを持つヒロインの物語になっていたのではないでしょうか。そのテーマは『LOVERS』完成版でも活かされていると思います。合掌。


●アニタ・ムイの代表作

・君が好きだから(84)
・ルージュ(88)
・奇蹟/ミラクル(89)
・男たちの挽歌3/アゲイン
 明日への誓い(89)
・川島芳子(90)
・審死官(92)
・ワンダーガールズ/東方三侠
 (93)
・ワンダーガールズ/東方三侠2
 (93)
・酔拳2(94)
・レッドブロンクス(95)
・ボクらはいつも恋してる
 (96)
・半生縁(97)
・夜間飛行(01)
・男人四十(02)

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