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ASICRO FOCUS file no.33

「PROMISE」来日記者会見

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背景の山の上にずらりと並ぶ兵士たち

●撮影時のエピソードをお願いします。

 真田「そこに兵士たちが立っていますけど(笑)、現場では毎日800人の本物の兵士たちがエキストラとして参加してくれまして、時には奴隷となり、時には衣装を着て戦士として戦闘シーンに加わっていただきました。そんな中で、ほんとうに信じられないような映像、モニターをチェックする度に『これ、実写ですよね?』って、自分で撮っていながら驚くような贅沢なショットがいっぱいあって(笑)。そういう環境の中で仕事をさせていただいたのは、ほんとに役者冥利に尽きますね。ハリウッドだったらCGで処理してしまうと思うし、日本だったそういう予算も時間の使い方もできないと思うし、ほんとにこの組ならではの贅沢さを味あわせていただきました。

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映画と同じ衣装の兵士たち登場!
(*写真提供:monicalさん)
 中国語という難関はありましたけれど、ほんとに言葉や国境を越えて理解し合える、学びあえる、尊敬しあえる、そして一つの答えを見つけ出していくという、そういう貴重な経験ができたことは、自分の人生経験の有り難い素晴らしい印象として残っています。以上…です。以上じゃないですけど(笑)、語り始めるとほんとに時間がいくらあっても足りないくらい、いっぱい詰まってるんで、これくらいにしておきます(笑)」

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 ドンゴン「撮影中はほんとうに苦労したエピソードがたくさんあるんですが、面白いエピソードをご紹介しましょう。この映画では走るシーンが多かったんですが、走るシーンはまとめて8月中に撮影しました。実はランニングマシーンの上を走っていたのですが、1ヶ月間ずっと走り続けていた思い出があります。幸い『プロミス』の後に、韓国映画『タイフーン』の撮影が決まっていて、体重を落とさなくてはいけなかったので、体重を落とすのに大変役立ちました(笑)。それと、中国はとても国土が広く、北京で撮影する以外は大体奥地での撮影が多かったんです。そういう所では他にすることがないので、主に真田さんと一緒に運動をしてました。真田さんがグローブを持ってきていたので、キャッチボールをしたり…屋上でほんとに子どものように遊んでいたのを覚えています」

司会「どちらがお上手でしたか?」

 ドンゴン「実は真田さんより少し年下なので、私の方が上手いんじゃないかと思って始めたんですが、真田さんの投げたボールを受けてみたらとてもずしりと重くて、ほんとにお上手でした。真田さんは、長く野球をやっていらしたようですね」

 真田「一応…一度、野球選手の役をやったので(笑)。でもほんとに、娯楽施設というものが何もないんですよね。半年間の撮影の短い期間でしたけど…短くもないんですけど(笑)、まるでなんか幼なじみのような、そんな遊びを繰り返していたので、今こうして兄弟のような感覚になったと思います」

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少女に運命の選択をさせる満神
 ホン「役者として一番難しかったのは、役柄が映画の中で今までに一度も登場したことのない初めてのものだったことです。監督からは『あなたが演じるのは神様なのだから、瞬きをしないでくれ』と厳しい要求がありました。でも、私が演じる時はいつもワイヤー吊りで、しかも扇風機の強い風で煽られていたんです。それなのに瞬きをしないでいるのは、とても辛かったです。ただ、自分にとっては1つのチャレンジだったので、それを乗り越えることができてとてもうれしいです。一方で、映画の製作者としても大変苦労しました。当時、雲南省の地表温度は常に摂氏58度もありました。そのような厳しい環境の中で、数百頭のヤクと400人以上のスタッフを率いて仕事をしなければならないことも、大きなチャレンジでした」

●(前日の朝に放映されたワイドショーでの発言を受けて)お二人はすでに共演をプロミスされたようですが、次はどんな役をやりたいですか?

 真田「まだ、具体的にどんなものという所までは話していません。今回、僕はどちらかというと、歌舞伎の色悪…というよりはエロ悪という存在だったので(笑)その路線をもうちょっと極めてみたいなと…。逆転するのはちょっと無理なんですよね。彼(ドンゴン)以上に誠実な役をやれというのは無理なんで、ひたすら悪い方向で、彼に対比を演じてもらうなら、いくらでもできるんじゃないかと…」(ドンゴン笑い)

 ドンゴン「撮影を通じてずいぶん仲良くなれましたが、やはり言葉が通じない中での6ヶ月は、長いようでいて時間が足りませんでした。今回、真田さんとはいいご縁ができたので、具体的な作品ではありませんが、ぜひまた一緒にやりましょうと、本当にプロミスを交わしたところです。今回は時代劇の要素が強かったので、次はがらりと変えて、現代もので互いの魅力が引き出せるような、そういう役で出演したいと思っています」

 真田「普段の私の環境を見ていると、次回作はコメディしかないですね(笑)」(会場笑)

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今やすっかり兄弟のようなドンちゃんと真田さん
●映画のように、一人の女性を愛してしまったらどうしますか? 恋敵になったとしたら?

 真田「ライバルがドンちゃんならすぐ身を引きます」(会場笑)

 ドンゴン「そしたら、有り難くいただきます(笑)」(会場笑)

それを聞いて、
 真田「やっぱり勝負しよう」
(会場爆笑)


(c)Beijing 21st Century Shengkai, China Film Group and Moonstone Productions, LLC
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更新日:2006.2.26
●back numbers

イベントの表記
司会・質問者
監督(チェン・カイコー)
ホン(チェン・ホン)
真田(真田広之)
ドンゴン(チャン・ドンゴン)
●真田広之
(Sanada Hiroyuki)
1960年10月12日、東京生まれ。幼少時からモデルとして活躍し、子役として映画にも出演していたが、13歳の時、千葉真一のジャパン・アクション・クラブに入団。78年に「真田広之」の名でアクション・スターとして再デビュー。以後、映画・舞台・ドラマと幅広く活躍。香港映画にも出演している。俳優としては『麻雀放浪記』(84)が転機となり、演技派として注目されるようになる。
99年には英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに客演俳優として参加。その功績が認められ、02年に名誉大英勲章第5位(MBE)を受ける。また同年の『たそがれ清兵衛』で数々の映画賞も受賞。翌年、ハリウッド映画『ラスト・サムライ』で国際的にも認められ、『PROMISE』以後もジェームズ・アイボリー監督の『ホワイト・カウンテス』やダニー・ボイル監督の『サンシャイン』に出演と快進撃が続いている。
filmography:
(子役時代を除く/*海外作品

1978-79
・柳生一族の陰謀(78)
・宇宙からのメッセージ(78)
・真田幸村の謀略(79)
・戦国自衛隊(79)

1980-89
・翔んだカップル(80)
・忍者武芸帖/百地三太夫(80)
・魔界転生(81)
・吼えろ鉄拳(81)
・冒険者カミカゼ(81)
・燃える勇者(81)
・龍の忍者(82)
・道頓堀川(82)
・蒲田行進曲(82)
・伊賀忍法帖(82)
・伊賀野カバ丸(83)
・里見八犬伝(83)
・彩り河(84)
・コータローまかりとおる!
 (84)
・麻雀放浪記(84)
・犬死にせしもの(86)
・火宅の人(86)
・キャバレー(86)
・必殺IV/恨みはらします(87)
・皇家戦士(87)
・快盗ルビイ(87)
・どっちにするの(89)

1990-99
・リメインズ/美しき勇者たち
 (90)
・病院へ行こう(90)
・つぐみ(90)
・継承盃(92)
・病は気から/病院へ行こう2
 (92)
・僕らはみんな生きている
 (93)
・眠らない街/新宿鮫(93)
・怖がる人々/箱の中(94)
・ヒーローインタビュー(94)
・忠臣蔵外伝/四谷怪談(94)
・119(94)
・写楽(95)
・EAST MEETS WEST(95)
・緊急呼出し
 /エマージェンシーコール
 (95)
・リング(98)
・らせん(98)
・D坂の殺人事件(98)
・たどんとちくわ(98)
・リング2(99)

2000-
・はつ恋(2000)
・みんなのいえ(01)
・真夜中まで(01)
・陰陽師(01)
・助太刀屋助六(02)
・たそがれ清兵衛(02)
・ラストサムライ(03)
・亡国のイージス(05)
・PROMISE(05)
・上海の伯爵夫人(05)
・サンシャイン(06)
・ラッシュアワー3(07)