韓国を代表する2枚目ドンちゃんと並んでも かっこいい真田さん
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●中国語を覚えるコツは?
真田「この作品のために、初めて中国語の特訓を約3ヶ月日本でやった後、現地に飛んだのですが、ほんとに発音1つ、イントネーション1つ難しくて。コツというのはほんとにもう、くりかえしくりかえし、寝ても覚めても、お風呂の中でも、口ずさむことしかなかったですね。後はやはりその…現場でそれができないことには撮影ができないわけですから、そういうお尻に火のついた状態というか、火事場の馬鹿力みたいなのが、一番効果的だったと思います。毎日が受験生みたいなものですから、隙あらば1、2、3…と。
ただ、やればやるほど、中国語の奥の深さを感じましたね。シンプルなんだけど、その分ニュアンスそのものを込められる。それで、学ぶことが楽しくなり、たまにスタッフの方に通じるかと挑んでみたり、そんなことを励みにやってきました。撮影終了後は、3週間かけてダビングをして、監督もネイティブに聞こえるまでは日本に返さないということで、僕も望むところですと受けて立って…もう後半は楽しむしかないと、中国語を趣味にしてました。その結果、3週間という新記録を樹立して、必死の苦労が興行的にも繋がったので、うれしさもつのっています」
ドンゴン「私もやはり、今回の役をやる上で一番大きな悩みであり課題なのが、中国語での演技でした。真田さんもおっしゃったように、ほんとうに受験を前にした学生のような気持ちで過ごしていました。
私の特訓方法は、中国の声優の方に私のセリフ部分を録音してもらい、慣れるようにたえずそれを聴くようにしました。食事の時も何をしている時も、とにかくずっとそれを聴いて発音を真似るようにしてきました。中国語は発音も難しいですが、四声があるのでイントネーションを合わせるのもとても難しかったです。だから途中は、観客の皆さんに僕の声を聴いてもらえるかどうかとても心配だったのですが、幸いやり遂げることができ、今はとても満足しています」
●日本で中国語を勉強している人たちに励ましの言葉をお願いします。
監督「今ここにいる二人の素晴らしい俳優さんの経験がすべてだと思います。ドンゴンさんはスケジュールが大変忙しくて、アフレコのために3回ほど北京に来てくれたのですが、毎日10時間もハードな仕事をやるので、最後には咳きで血が出てしまいました。真田さんも北京に28日間滞在し、毎日10時間アフレコの仕事をしました。二人共、喉を潤す為の薬を手に持っていて、練習しながらいつもそれを飲んでいました」
真田「特製の甘〜いシロップです」
監督「語学を勉強するためには、完璧を求める姿勢を持っていなければいけません。これが秘訣です。私自身、決して早い方ではありませんが、36歳で英語を勉強しました。正直まだまだですが、今ではかなり話せる方ですよ」
司会「ホンさんも英語がお上手ですね?」
ホン「言葉の勉強については努力ももちろん大切ですが、もう1つ重要なのは、関心を持つことや好きなことを1つ見つけることです。今回、お二人にとってはこの『PROMISE』という映画が大変お好きだった訳で、そういう好きなテーマを1つ見つけることができれば、その後は上手く進みます。実はこの映画の作曲を担当している方たちは、ハリウッドからチームを作って中国へやって来ました。その彼らが一番最初にやったのは、中国料理のグルメツアーでした。いろんなおいしい中華料理を食べて一眠りすると、なんと翌日は素晴らしい中国語でいろんな中華料理が言えるようになった、こういう例もあります」
●これほどエンターテイメント性の高いファンタジーを作られて、監督のファンは驚いていると思うのですが?
監督「映画は文化として、いろんな変化をしていかなければなりません。もちろん、過去の作品の方が好きだという人もいますが、映画としては常に新しい創造性を持って、新しい作品を生み出す必要があると思います。もちろん、私自身は23歳の頃のような若さではありませんが、常に新しい作品を生み出すことに大きな意欲を感じます。
アジア映画には、新しい定義作りが必要なのではないでしょうか。過去のアジア映画は悲しいようなテーマが多いのですが、そういう意味で、この映画にはファンタジー以外にも、いろんな生き生きとした要素を盛り込んでいます。大切なのは原点に立ち戻ること。私たちが生きていく上で、自分の将来や運命をどのように選択し決めていくかを、考え直す時期に来ているのではないかと思います。そういう意味で、この映画は娯楽作品というだけでなく、また新しい何かを生み出そうとする意欲を込めた作品なのです」
中国語や外国語を学ぶ人にとってもためになった今回の記者会見。すでに映画をご覧になった方々には、監督の意欲や作品に込めたテーマが伝わったでしょうか? なるほど…と思った方は、再度劇場に足を運んでみるのもいいかもしれません。
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