チャン・ドンゴン、真田広之、チェン・ホン、チェン・カイコー
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2006.1.25
グランドハイアット東京 (六本木)
2月11日からの公開に先駆けて、チェン・カイコー監督と主演の真田広之、チャン・ドンゴン、そして製作者兼監督のパートナーであり女優でもあるチェン・ホンの4人が来日。記者会見を開きました。ヒロイン役のセシリア・チョンや美しい悪役が光ったニコラス・ツェー、悲しい男が印象深いリウ・イェたちにも会いたかったのですが、残念ながら今回は来日ならず。彼らの声は劇場で購入できるパンフレットなどでお読みいただくとして、記者会見時の監督の新しい作品作りに挑戦する意欲や、難しい中国語を吹替えなしで見事に演じ切った真田広之&チャン・ドンゴンの苦労話や語学勉強法など、興味深い話題をご紹介します。
まずは、ご挨拶から。
監督「長い間、応援していただいてほんとうにありがとうございます」
ホン「皆さん、新年おめでとうございます」(旧正月の時期だったので)
真田「足掛け2年の撮影なんですが、こうして日本でも監督の素晴らしい作品が公開されるということで大変うれしいです。日本でもいい成績を残して恩返しができたらと思います」
ドンゴン「コンニチハ。マタ、オアイデキテ、ウレシイデス。この『PROMISE』という映画を皆さんにご紹介できてうれしく思います。気に入ってくださるといいのですが」
●映画の展開上、将軍と奴隷という重要な役柄でしたが、お二人が呼吸を合わせるポイントや気をつけた点はありますか?
真田「互いのコントラストやバランスが非常に重要だったんですが、幸い良きパートナーに恵まれまして、意識的に息を合わせようとする以前に、最初に会った瞬間から意気投合していました。一回り下のネズミ年ということもあり、相性が良かったんだなと(笑)。それから、お互いに中国語を学ばなくてはならず同じハンディを持った者同士ということで、そういうことも友情を育む手助けになったと思います。
僕は権力の頂点からつまずいて、愛の奴隷と化していく役。彼はだんだん血筋がはっきりしてきて、立派になっていく。この移り変わりを、計算するでなく、半年間のコミュニケーションの中で言葉の壁というのも意識しないで、スムーズにできたかなと思います。日本人・韓国人が北京語が話すという不思議な光景はありましたが、本番の時にはまったく異国語を話す印象もなく、心と心でコミュニケーションが取れたという感じです」
ドンゴン「私も真田さんがおっしゃった通りだと思います。この映画では、将軍と奴隷という関係がとても大切だったので、相手役が誰になるかが重要でした。でも私たちは、映画がスタートする前から通じ合っていたと思います。二人とも中国語を勉強をしなければならない状況でしたし、他の国に滞在して、同じような苦労をして生活をしている…そういう面がたくさんあったので、通じ合うことも非常に多かったんです。なので、あえて呼吸を合わせるという努力をしなくても、自然に心を通い合わせることができたと思います。
真田さんという本当にいい俳優と一緒にお仕事ができたおかげで、演技は言葉だけで表現するのではなく、心と心の通い合いが大切なんだということを、あらためて知りました」
司会「現場で撮影しておられた監督には、お二人の姿はどんな風に映りましたか?」
監督「二人はアジアを代表する偉大な俳優です。一緒に仕事ができてとても光栄に思っています。今回、我々はアーティストとして、アジアでどういう文化環境を作ることができるのか、という実験をしたような気がします。非常に結束して我々の力を世界にアピールすることができたと思います」
司会「女優として、またプロデューサーとしてのご感想は?」
ホン「このお二人は、北京語圏ではすごく『大物俳優』なんです。現場ではとてもプロフェッショナルで、素晴らしい演技を見せてくれましたが、オフで衣装を脱ぐと、途端に普段着ぽい面が出てきてました。彼らはとてもやんちゃでユーモラス。一緒にいると楽しくて、いい経験になりました」
●最初から日・韓・中の俳優の起用を考えておられましたか? 外国の俳優を起用するにあたり、苦労はありましたか?
監督「最初から中国、韓国、日本の俳優を起用し、まさにアジアの大作映画を作ろうと考えていました。私がいつも気にしていたのは、彼らの演技よりも、二人がまったく知らない環境、知らない文化・背景の中で、どんな気持ちで仕事をしているかということでした。現場でも、二人はいろんな問題に直面するかもしれません。そういう時に気をつけていました。しかしこの二人は、そういった違う文化・環境の中でも実力や技術を発揮して、ほんとうに素晴らしい演技を見せてくれました。彼らが演技をしている時は、壮絶感すら感じたほどです」
司会「日本・韓国とコラボレーションをする点で、特に気をつけていたことは?」
監督「現場では、意志の疎通がうまくいくように彼らを助けました。違った環境の中で、より高いレベルの役作りができるように気を遣いました。嫌な環境では、いい演技はできませんからね。無歓という役を演じたニコラスが『俳優というものは、国や文化を代表して映画に出演している訳ではなく、とにかく自分の役を演じるものだ』と言っていました。ただ、現場にはどうしても競合関係がありますが、完成したものを観ると全員が勝ち組でした」
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