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ASICRO FOCUS file no.42

韓国×香港=「デイジー」来日記者会見

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ラウ監督ならではの映像美も楽しめます。
 ジヒョン「監督がおっしゃったように、現場には韓国スタッフや香港スタッフ、オランダのスタッフがいて、オランダのスタッフ以外は、すべての私生活を外国で行うので、ちょっと浮かれていました。私が興味深かったのはお天気です。日が夜の10時に沈むので、夕食を夜の9時頃にとるという経験をしました。それがとても印象深かったです」

 ウソン「私にとっては監督と出会ったところから、エピソードが始まった気がします。本来ならば出会えなかったかもしれない人たちと出会い、映画という名のもとで、国を超えて、監督がおっしゃったように言葉を超えて、『デイジー』という3人が住む世界を作って、そこで映画を撮影することができました。香港、オランダ、韓国のスタッフ、皆でほんとうに楽しく仕事できたことが、今でもいい記憶として残っています。個人的な思い出としては、撮影中にオランダのある中華料理店で実際に狙撃事件がありまして、そのニュースを聞いた時、皆から『その時間、どこにいた?』と真っ先に聞かれました(笑)」

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 ソンジェ「私にとっても皆さんがおっしゃったように、3カ国の監督やスタッフ、俳優の方々と一緒に第3国で映画を撮るということが、とても大きなエピソードになりました。撮影中はほんとうにいい気持ちで、心地よく撮影できました。エピソードというと、休みの日はジムに通って運動をしていたのですが、普段は車で送ってもらっていました。ある日、運動がてら歩いて行こうと思い、2、3キロ歩きました。帰り道に車道を歩いていると、警察に呼び止められ『ここは歩くところじゃないから車に乗れ』と、警察の車でホテルまで送っていただきました(笑)。普段は乗ることのないパトカーに乗った訳で、その時は恥ずかしかったですが、今となっては楽しい思い出です」と、車に乗っていた時の小さくなった格好をするソンジェ。(会場笑)
 ソンジェ「多分、私がインターポールだというのを知ってて、乗せてくれたんじゃないかと思います(笑)」(会場笑)

キャスティングについて教えてください。

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 監督「脚本が完成した後、夢の中にこの3人が出て来ました。(会場笑)夢に見るほどこの3人に出て欲しかったんです。特にチョン・ジヒョンさんは、最も好きな韓国の女優さんの一人なので、脚本を手にした時、ぜひ彼女に出演して欲しいと思っていて、ラッキーなことに夢が実現しました。チョン・ウソンさんとは香港でも何度かお会いしていますが、脚本の段階で彼のキャラクターが想定されていたので、出演していただけて大変うれしく思います。イ・ソンジェさんの役に関しては、いろんな俳優さんを見ましたが、このキャラクターの個性や魅力を演じられるのは彼しかいないと思い、刑事役は彼に決めました」

キャラクターのどこに魅力を感じましたか?

 ジヒョン「これまでに演じて来た役は線の太い役が多かったのですが、ヘヨンという役はこれまでに比べると、3人の中で置かれている関係、その中に置かれている線を見えなくするように演技をしなければいけない、そういう課題がありました。そこに魅力を感じました。また、ヘヨンが『宇宙の万物にはすべて運命のようなものがある』というようなことを言うのですが、この言葉に象徴されているように、運命とも必然ともわからない人を待ちつづけるヘヨンに、新鮮さと魅力を感じました」

 ウソン「パクウィの魅力は彼の持っている愛だと思います。人は誰かに愛を与えて、また愛をもらいたいと思うのが常ですが、パクウィは与えるだけの愛で、自分は愛をもらえなくても幸せを感じるところに大きな魅力を感じました。役作りについては、チョン・ウソンという人間がパクウィに入り込んでいったような気がします。例えば映画の中で、パクウィが住んでいるアパートがあるのですが、そこに自分が身を置いてヘヨンとジョンウを見守るシーンがあります。その時、パクウィにチョン・ウソンを完全に注入できたと思います。それ以降は、彼の純粋さが引き出せるよう、とても不器用だけれども彼なりの愛の表現を模索しました」

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ヘヨンはジョンウを幻の恋人と思い込みに彼に惹かれていくが、そんな二人をパクウィは見守ることしかできない。(場面やストーリー展開に応じて映像トーンが変わっていきます)
(c) 2006 i Love Cinema.All rights reserved.

 ソンジェ「出演作を決める時は、もちろんキャラクターに魅力を感じるからというのもありますが、私の場合ほとんどは、脚本を読んだ後の印象がとてもよくて、決めることが多いです。『デイジー』もドラマが持っている雰囲気に大変惹かれました。最初はどちらかというと、人物よりドラマに惹かれて選んだのですが、脚本ではジョンウは今の本編よりもう少し暗い人物に描かれていました。が、監督から少し明るいキャラクターにしてくれと要望があり、そのように作っていきました。

 実際、撮影している内に、自分がジョンウに成りきっているなあという実感があり、とても楽しみながら撮影しましたし、途中からはジョンウとして考えていました。本当に彼に心酔して撮影していました。チョン・ジヒョンさんとも冗談で、ちょうどキャラクターになりきって共感できた所で終わっちゃうねと話していたのですが、ジョンウのキャラクターの魅力は皆さんに評価していただきたいと思います。私自身、ジョンウに成り切ったなあと思った矢先に銃に打たれて死んでしまい、それが残念です」(会場笑)

前半と後半では雰囲気が変わりますが、演技プランはどのようにされましたか? また、運命の恋は信じられますか?

 ジヒョン「私は運命の愛を信じているので、ぜひ運命の人に出会いたいと思います(笑)。ヘヨンについては脚本を読んだ後、果たしてヘヨンは誰を愛しているのだろう?と思いました。これは三角関係を描いているので、下手をするととても幼稚に見えて、観客が観る前から厭きてしまう恐れがありました。そこで、いかにして観客の共感を得るか、それがとても大切だと思いました。そのことで撮影が始まるまでとても悩み、最後まで悩み続けました。でも、一つの答えが出て、ヘヨンが進むべき道を明るく照らしてくれたのです。それは、ヘヨンは一人しか愛していなかったのかもしれないということでした。それによって、撮影にのぞみやすくなりました。映画の中では、いつもラインを考えていました。ジョンウと接する時のライン、パクウィと接する時のライン、それをはっきりと持っていなくてはならないと思ったのです。これが自分の課題と思い、撮影に臨みました」

(次頁へ続く)
前・後を読む 記者会見1記者会見3
更新日:2006.5.27
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記者会見の表記
司会・質問者
監督(アンドリュー・ラウ)
ジヒョン(チョン・ジヒョン)
ウソン(チョン・ウソン)
ソンジェ(イ・ソンジェ)
チョン・ウソン
Jeong Wu Seong/鄭雨盛
1973年3月20日、韓国ソウル生まれ。高1の頃からモデルとして活躍。94年に『KUMIHO/千年愛』の主演に抜擢され映画デビュー。ドラマにも2本出演しているが、以降は映画俳優に専念している。香港映画『上海グランド』(94)には暗殺者役で出演。故レスリー・チャンと共演した。監督業にも意欲を見せ、g.o.dのMVを手がけている。『トンケの蒼い空』(03)で演技の幅を広げ、以降ヒット作が続いている。
filmography
movie
・KUMIHO/千年愛(94)
・上海グランド(94)
・ボーン・トゥ・キル(96)
・モーテルカクタス(97)
・ビート(97)
・太陽はない(98)
・ラブ(99)
・ユリョン(99)
・MUSA/武士(01)
・トンケの蒼い空(03)
・私の頭の中の消しゴム(04)
・サッド・ムービー(05)
・デイジー(06)
・中天(06)

drama
・アスファルトの男(95)
・恋愛時代(96)