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ASICRO FOCUS file no.42

韓国×香港=「デイジー」来日記者会見

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左からアンドリュー・ラウ監督、イ・ソンジェ、チョン・ジヒョン、
チョン・ウソン

2006.3.22
セルリアンタワー
東急ホテル(渋谷)

 本日から公開されている『デイジー』の記者会見が行われたのは、3月中旬のこと。今月22日のジャパンプレミア舞台挨拶のために、主演のチョン・ジヒョンとチョン・ウソンが再び来日しましたが、今回は監督ともう一人の主演俳優イ・ソンジェも交えた記者会見の模様をご紹介します。

 『デイジー』の監督は、すでに『インファナル・アフェア』シリーズや『頭文字D』などの話題作で、何度も来日経験のあるアンドリュー・ラウ。この香港映画の名匠が韓国映画を撮るということで、一体どんな風に仕上がるのかが注目されていました。

 しかも、脚本は『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』が日本でも大ヒットしたクァク・ジェヨン。もちろん、主演はチョン・ジヒョン。それに韓国の演技派で人気俳優でもあるチョン・ウソンとイ・ソンジェの組み合わせとなれば、期待せずにはいられません。


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 さらに日本からも、『LOVERS』や『SPIRIT』などの音楽を手がけている梅林茂が、香港のチャン・クォンウィン(陳光榮)と共に音楽担当で参加、とまさにアジアのいいとこ取りを実現したコラボレーション作品になっています。

 まずはご挨拶から。

 監督「また日本に来られてうれしいです。皆さんに『デイジー』を気に入っていただけますように」

 ジヒョン「ハーイ、コンニチハ。ワタシハ、チョン・ジヒョンデス。ホントニ、ウレシイデス。ワタシハ…(詰まって…笑)『デイジー』で、また日本の皆様にお会いできてうれしいです。たくさんの方に集まっていただき、ありがとうございます」

 ウソン「こんにちは。皆さんにまたご挨拶できてうれしいです。いい映画に出演していいキャラクターを演じ、それが愛されることは、俳優にとってほんとうにうれしく幸せなことです。『デイジー』が皆さんに感動を与え、またそのような喜びを味わえたらと思います」

 ソンジェ「コンニチハ。ワタシハ、イ・ソンジェデス。またお会いできてうれしいです。去年の4月に韓流シネマフェスティバルで来日してから約1年ぶりになるのですが、来るたびに新鮮な気持ちでとても気分がいいです。『デイジー』が日本の皆さんに愛される映画になればと思います。今回、素晴らしい監督、スタッフ、俳優の皆さんと一緒に仕事できたのは、大きな喜びでした。どうぞ、ご期待ください」

 ここからは記者による質疑応答です。

監督はこの映画に運命的な出会いを感じたそうですが?

 監督「この映画は『運命』や『縁』に関する物語です。映画の中には、感傷的なものが含まれています。一言で言うと、縁はあるけれども、結ばれる縁がないというような」

大変よくできた脚本だと思いますが、一番惹かれたところはどこですか?

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 ジヒョン「私が出る映画はすべていいのですが(笑)、特に惹かれたのはヘヨンとジョンウとパクウィの3人が出会う場面です。最初と最後に出て来るのですが、このシーンの中に、この映画が伝えようとしたことや感情がすべて込められていると思います。このシーンを観ると、観客の皆さんもたくさんのことを感じて感銘を受けるでしょう。このシーンが大好きです」

 ウソン「最初に脚本を読んだ時に、とても感動したセリフがありました。パクウィがヘヨンに『もう一度、最初から出会ってやり直そう』と言うものです。それを読んだ時、パクウィという人物は心の中でこういう風に愛を表現したかったんだ、きっとずっとこの気持ちを表わしたかったんだ、そして、彼の愛はとても淋しく辛いものだったんだというのがわかり、パクウィに哀れみを感じました。そこが気に入って出演を決めました。もう1つは、この3人はそれぞれ違うカラーを持っていますが、誰か1人に片寄ることなく、3人とも大変美しい姿で描かれているところです」

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 ソンジェ「ドラマにしろ映画にしろ、メロドラマで一番興味深いのは三角関係だと思いました。三角関係には通俗的な面もありますが、とても面白いものです。今回の映画はメロドラマの中でも、最もドラマチックではないでしょうか。それぞれの素性を隠してお互いに近づけず、告白もできないという設定は大変独特です。この映画に描かれているメロドラマは不思議な雰囲気を醸し出しており、その点に魅力を感じて出演を決めました」

 ここで、司会の襟川クロさんから「会見中はマナーモードでお願いします」と注意が。鳴っていたのは監督の携帯でした(会場笑)。

全編がオランダで撮影されていますが、ロケで大変だったことや楽しかったことなど、撮影中のエピソードをお聞かせください。

 監督「一番印象的だったのはクルーですね。香港クルーが韓国語をしゃべらなければいけなかったり、オランダ語を勉強しなければならなかったり…1回で済むことを何度も違う言語で話さなくてはならないんです。最後には面倒くさくなって、香港クルーは韓国語で、韓国クルーは広東語で話して、オランダのクルーはなんと広東語の悪口まで覚えたり(会場笑)韓国語も話していました。そこが一番楽しかったし大事な部分でもあり、よかったと思います」

(次頁へ続く)
続きを読む 記者会見2記者会見3
更新日:2006.5.27
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記者会見の表記
司会・質問者
監督(アンドリュー・ラウ)
ジヒョン(チョン・ジヒョン)
ウソン(チョン・ウソン)
ソンジェ(イ・ソンジェ)
アンドリュー・ラウ(監督)
Andrew Lau/劉偉強

1960年、香港生まれ。80年にショウ・ブラザーズに入社。撮影監督として活躍し、ウォン・カーウァイ作品も手がける。91年から監督業にも進出。95年には製作会社を設立。『古惑仔』シリーズをヒットさせた。

『インファナル・アフェア』で香港電影金像奨の最優秀監督賞を受賞。ブラッド・ピットが当時のハリウッド最高額でリメイク権を買い話題になった。(結局、マーチン・スコセッシ監督がレオナルド・ディカプリオとマット・デイモン主演『ザ・ディパーテッド』としてリメイク。ジャック・ニコルソンも出演。)現在、リチャード・ギア主演の『The Flock』でハリウッド進出も決まっている。

*詳細プロフィールはこちらをご覧ください。

関連ページ
『インファナル・アフェアIII/
 終極無間』
記者会見(05)
『頭文字D The Movie』
 記者会見(05)
チョン・ジヒョン
Jeon Ji Hyeon/全知賢

1981年10月30日、韓国ソウル生まれ。97年に女性誌の表紙モデルとして芸能界入り。TVドラマに出演した後、99年の『ホワイト・バレンタイン』で映画デビュー。01年の『猟奇的な彼女』でワイルドなヒロインをキュートに演じ、韓国で大ブレイク。同作のクァク・ジェヨン監督と再び組んだ『僕の彼女を紹介します』は日本で大ヒットし、日本での人気も不動にした。
filmography
movie
・ホワイト・バレンタイン
 (99)
・イルマーレ(01)
・猟奇的な彼女(01)
・4人の食卓(03)
・僕の彼女を紹介します(04)
・デイジー(06)

drama
・思春期(97)
・私の心を奪ってみて(98)
・Happy Together(99)