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ASICRO FOCUS file no.49

「愛と死の間で」来日記者会見&イベント

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盟友ダニエル・リー監督とアンディは同級生とか。
●特に好きなシーンとセリフを教えてください。

 アンディ「エンディングでオレンジを食べるシーンです。セリフは、映画の中では言っていませんが、奥さんに対して一番言いたかった『愛してる』という言葉です」

●これまでに、石田ひかりさん(『愛は波の彼方に』)や常盤貴子さん(『ファイターズ・ブルース』)と共演していますが、今共演したい女優さんは?

 アンディ「今のところ、日本の女優さんと共演できるような脚本はできあがっていないのですが、いつか監督にそういうものを書いてもらって、日本の女優さんと恋愛ができるような映画を撮りたいですね」(監督笑)

●お互いのことをよくご存じなので仕事がやりやすいのはわかるのですが、逆にやりにくいことはありますか?

 アンディ「今までに協力関係はできていますが、そんなに楽しかったわけではありません。(会場笑)同級生でもあり、友人でもあり、パートナーでもあるわけです。協力関係でも、立場が違うと言い出せないこともあります。ただ、いいものを作るためには、言わない訳にもいかないし、しょっちゅう喧嘩してます。いえ、喧嘩というよりは僕が一人で怒っているんですが。知り合って長いということには、いい面もあれば悪い面もあります」

 監督「これだけ長い間つき合っていると、家族のような感じになります。だから話す時も、礼儀は後回しになってしまう。それもわかるので、大声で怒鳴り合うのも一つの討論の方法だと思っています」

●昨日は、成田にたくさんのファンが集まり、今日も新宿アルタにファンの方たちがたくさん来ていましたが、印象はいかがですか? 皆さん、オレンジ色のTシャツですね。

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ときおり少年ぽい表情も。(全身を見る)
 アンディ「ファンの皆さんにはとても感謝しています。87年から日本のたくさんの方たちに、ファンクラブに参加していただいています。この20年間、あまり日本に来られなかったことを責めることもなく、着いて来てくれました。オレンジ色のTシャツはファンクラブのユニフォームなんです。いつも見るたびに感動します。空港に出迎えに来てくださる時は普段着の方がいいと思うんですが、皆さん、着てくださいます。皆でアンディのことを応援しているいうことを知って欲しいからだ、とおっしゃってくれます。なので、より多くの日本の方たちに、この作品を観ていただきたいと思います。今、香港映画はいろんな打撃を受けています。でも、私たちの努力によって、皆さんの心の中に重要な地位を築けると思います」

 ここで、日本料理についての質問もあり「日本に着いてから今までに、たくさん食べていますよ」という答えに対して
 司会「何が一番お好きですか?」
 アンディ「一番好きなのはスシ」
 司会「お寿司の中にもいろいろありますけど、タコとかイカとか…何が一番好き?」
という突っ込みに、しつこいぞという感じで、わざと怒った顔をしてテーブルをドンと叩くアンディ。(会場笑)
 司会「(笑)皆さんも知りたいですよね?」
 アンディ「ハー(蝦)…エビ」
 司会「監督は?」
監督が返答に迷っていると、アンディが「OK。サンキュー」(会場笑)
 監督「ウニ。刺身。どっちも好きです」

●共演した二人の女優さんが、それぞれ一番美しいと思ったシーンは?

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クロさんを相手に映画での手品を実際に披露。
 監督「シャーリーンは、彼女が夫のコウを病院に訪ねて行った時、彼が忙しくて会えなくて看護婦が『電話で連絡しましょうか』と言った時に『結構です』と言った、その時の表情が一番きれいだったと思います。チャーリーは、コウが初めてデレクとして彼女の家に行った時の夜、だんだん眠くなっていく時の表情が一番かわいかった」

 アンディ「チャーリーが一番きれいだと思ったのは、この世を去る寸前に、コウがデレクに成り変わっていたことを許したシーンです。人を許す時の表情には、美しさが増していると思います。シャーリーンが一番きれいだと思ったのは、彼女にキスした時。(会場笑)そう思わなければ、キスはできませんよ(笑)」

●新人監督の起用と新しい映画に投資する時のポイントを教えてください。

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フォトセッション終了後は記者と記念撮影!
 アンディ「新人監督を起用する計画はたくさんありますが、僕はお金を出すだけです。会社としては、彼(ユー監督)の方が新しい監督を最初から育てて出していきます。もちろん、彼一人の力ではやっていけませんが、彼の背後にはすごい女性がついています(笑)。それで、新しい監督をどんどん輩出していけるのです。彼とはもう30年になりますが、これまで彼の愛情が完全に満たされたことはありませんでした。これから彼の愛情は、強い女性(場内のある女性を指差して)に引っぱられていくのです(笑)。彼ら二人がうまく進めていってくれたらと思います。僕が関わっている映画に関しては自分で選びますが、投資する映画に関しては彼らに任せています。なので、新人監督が感謝するとしたら、僕ではなく彼らに感謝して欲しいと思います。これからも、もっと多くの新人監督が出て来ますよ」

 と、頼もしい言葉で締め括ったアンディ。さんざん言われているユー監督は、まさにアツアツの恋愛中(?)のようで、会場でも話題のパートナーとおぼしき女性が、しっかりとこの様子を照れながら見守っていました。また、会見終了前には、映画の中で出て来る手品をクロさん相手に披露。「女性にはこれが一番」と、手品で口説く必殺技を2度も披露してくれました。

 この後のスケジュールは、ラジオ放送の出演と夜のプレミア試写会後のファン・ミーティング。翌日の夜のシークレット・ライブまでには、様々なインタビューも受けたことでしょう。そんな多忙なアンディの、ファン・ミーティングとシークレット・ライブの様子もちょっとだけご紹介します。(続きを読む)


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更新日:2006.8.17
●back numbers

インタビューの表記
質問者
アンディ(アンディ・ラウ)
監督(ダニエル・ユー)
Daniel Yu profile
ダニエル・ユー
余國偉/Daniel Yu

香港を中心に映画製作20年以上の経験を持つプロデューサー。数多くのMTVやCM演出なども手がけている。91年にはアンディと映画製作会社チームワーク(天幕)を設立。『アンディ・ラウのスター伝説』(93)などを製作し注目された。

チームワーク時代の精神を引き継いで、05年に再びアンディと共にフォーカス・フィルムズ(映藝娯楽)設立。インディペンデント映画の精神を推進し、若い才能を育て、革新的な作品を送り出す製作会社をめざしている。『愛と死の間で』は監督デビュー作。
Focus First Cuts
亞洲新星導/アジア新星流

台湾、香港、中国、シンガポール、マレーシアの新進実力派監督による新感覚映画を製作するプロジェクト。第一弾として以下の6作品が製作された。

靴に恋する人魚(台湾/05)
監督:ロビン・リー
*9/9日本公開予定

得聞飲茶(香港/05)
監督:ラム・ジーチョン
*『カンフーハッスル』のおデブちゃんが監督です。

愛情故事(シンガポール/05)
監督:ケヴィン・トン

太陽雨(マレーシア/05)
監督:ホウ・ユファン

師[女乃]唔易做(香港/06)
監督:リー・コンラ

瘋狂的石頭(中国/05)
監督:ニン・ホウ
関連サイト
・フォーカス・フィルムズ
・アジア新星流公式サイト
*アンディが歌う『瘋狂的石頭/Crazy Stone』の主題歌「累鬥累」MVが見られます。