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ASICRO FOCUS file no.49

「愛と死の間で」来日記者会見&イベント

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数々のイベントでファンとの絆もばっちり。(写真拡大)
2006.7.24 銀座東武ホテル

 アンディ・ラウ主演の新作『愛と死の間で』(12日より公開中)のPRで、7月末に主演のアンディがダニエル・ユー監督と来日。空港記者会見からTV出演、ファン・イベント、シークレット・ライブ…と3日間で精力的な活動をこなし、大勢のファンをハッピーにしました。

 記者会見では、俳優としての出演時の感想から、ユー監督と共にフォーカス・フィルムズを率いる製作者としての意見まで、幅広い話題を披露。同時に、アンディのお茶目ぶりも垣間見えた記者会見でした。その雰囲気をお伝えしたいので、余談も多かったのですが、なるべく割愛せずにご紹介します。

 当日のお昼は『笑っていいとも』にPR出演したアンディ。その足で銀座の記者会見場へ直行し、以下のようなご挨拶からスタート。

 アンディ「皆さん、こんにちは。アンディ・ラウです。昨日、東京に着いたのですが、九州では大きな水害に遭われた方たちがいると聞きました。早くその状況が改善されることをお祈りします。この映画の撮影中にも同じようなことがありました。水害は小さかったですが、それでも大変でした。九州の皆さんが、早く回復されることを祈っています」
 なんとも心優しい気遣いに、場内拍手。

 監督「皆さん、こんにちは。お会いできてうれしいです。また、アンディと日本に来ることができてうれしく思っています」

 司会「監督はアンディさんと一緒に、フォーカス・フィルムズという製作会社をお作りになったんですよね?」

 監督「そうです。アンディが僕の社長です」

 本日の司会担当は襟川クロさん。まずはクロさんからの質問が続きます。

 司会「たくさんの作品オファーがある中で、この作品を選んだ理由は?」

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 アンディ「『インファナル・アフェア』や『LOVERS』の後、いろんなお話をもらいましたが、どれも同じような役でした。俳優としてはもっと違った役柄をやってみたいと思っていたので、これらの後で違うタイプの映画を2本撮りました。それらは人と人の関係を描いたものです。1つは友情(『ベルベット・レイン』)、もう1つは愛情(本作)の物語。隣りにいる監督がラブストーリーの脚本を見せてくれました。彼がラブストーリーを書けるなんて、思ってもいなかったのですが(笑)。彼とはもう30年の付き合いで、いろんな恋愛を見て来ましたが、今になって初めて愛情というものがわかってきたようです。だから、この映画には彼自身の愛情感が盛り込まれています。この映画を撮り終わって、彼の愛情に対する考え方に感動しました。この映画は、今交際中のカップルにはいろんな反省点を提起していると思います。それが、この映画を選んだ理由です」

 司会「コウとデレクの二役を演じていますが、苦労なさったところは?」

 アンディ「監督からは完璧な脚本をもらっていたし、撮影前にいろんな面での話をしたので、実際の演技は難しくありませんでした。一番難しかったのは、二人の外見です。一人は髭を生やしていて、もう一人は髭がない。なので、髭を剃ったり伸ばしたりという、時間的なアレンジが大変でした。午前中は髭がない方の役、午後には髭のある方の役を撮影をしたいと言われたこともあり、さすがにその時は『ごめん、間に合わないよ』と言いました(笑)」

 司会「つけたり、はがしたりはしなかったんですか?」

 アンディ「この映画ではありませんでした」

 司会「演出家・製作者としてのアンディの魅力は? お付き合いが長いそうですが、特にこの映画では、監督としてどのような魅力を引き出しましたか?」

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 監督「彼はとにかくとてもハンサム。彼と知り合って長いですが、彼と仕事をした監督もカメラマンも皆、すごくやりやすいと言います。どんなアングルから撮っても、ちゃんとしたものができあがりますから」

 それを聞いたアンディが謙遜して
 アンディ「僕に映画に出て欲しい人は、皆そう言うんです」
 司会「ほんとにどこから見てもかっこいいですよね」
 アンディ「一番かっこいいのは後ろからですよ(笑)」

 今回のアンディの髪は茶髪というよりは、ややグレイ。
 司会「その髪の毛の色は?」
 アンディ「今、撮影している映画(おそらく『門徒』*のこと)の役柄が、かなり年輩で、先天的な糖尿病と心臓病を長い間患っている役なんです」
 司会「あら! 大丈夫ですよね、アンディさんは?」
 アンディ「OK!」

 ここから質疑応答に入ります。

●チャーリー・ヤンさん、シャーリーン・チョイさんという二人の女優さんに囲まれての撮影はいかがでしたか?

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40を過ぎても若々しいアンディ(全身)
 アンディ「チャーリーとは知り合ってもう20年近くなりますが、まだデビュー仕立ての頃で、最初の仕事はMTVの撮影でした。当時、彼女はまだ10代だったんですが、これだけ長い年月が経って、彼女自身も愛情への見方ができて来たので、監督もこの役柄に合っていると思ったのです。僕自身は、彼女と正式に映画を撮ったことがなかったので、この共演は新鮮で特別な感じでした。シャーリーンは、僕がデビューした頃はまだ生まれてなかった(笑)。彼女との共演は一つの挑戦でした。僕自身は、いろんな年齢の女性との恋愛を演じてみたいと思っています。そういうのも、面白いのではないでしょうか」

 ここでクロさんが「ぐ〜っと歳上の女性は? 60とか…」と突っ込みを入れると、それを聞いたアンディ、クロさんと自分を指さして「一緒にどう?」という仕種。クロさんを困惑させた後、大笑いしていました。(続きを読む)


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更新日:2006.8.17
●back numbers

インタビューの表記
質問者
アンディ(アンディ・ラウ)
監督(ダニエル・ユー)
Andy Lau profile
アンディ・ラウ
劉徳華/Andy Lau

1961年9月27日、香港生まれ。TVB俳優養成所で演技を学び、TVドラマで活躍。82年に映画デビューし、アン・ホイ監督の『望郷/ボート・ピープル』にも出演。これまでに100本以上の映画に出演し、歌手としても活躍。中国語圏はもとよりアジア全域で絶大な人気を誇っている。

最新作は、韓国のアン・ソンギや台湾のニッキー・ウーらと共演した合作映画『墨攻』(監督:ジェイコブ・チャン/来春日本公開予定)。また、香港ではイー・トンシン監督の『門徒』を撮影中。

91年に自分の映画を製作する製作会社チームワーク(天幕)を設立。経営者としては失敗したが、その後は出資者として90年代後半から注目されてきたインディペンデント映画の育成に協力し、『メイド・イン・ホンコン』(97)などの名作を生み出している。

05年に盟友ダニエル・ユーらと新会社フォーカス・フィルムズ(映藝娯楽)を設立。中国語圏映画界での新人監督発掘に力を注ぎ、「FFC/アジア新星流」プロジェクトを立ち上げるなど精力的に活動している。
関連サイト&関連ページ
・andylau.com
 *リニューアル中
・華仔天地(国際FC)
・『LOVERS』記者会見
・『インファナルアフェアIII/
 終極無間』記者会見

『門徒』*
製作:ピーター・チャン
監督:イー・トンシン
主演:アンディ・ラウ、ルイス・クー、ダニエル・ウー、アニタ・ユン、チャン・ジンチュー
*07年のお正月映画として撮影中の刑事もの。