2006.8.31 ホテル・ニューオータニ(赤坂)
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左より監督の パク・クァンヒョン 主演した シン・ハギュン カン・ヘジョン チョン・ジェヨン
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昨年の韓国映画で興行記録を大きく塗り替えたのが、この『トンマッコルへようこそ』。韓国では珍しいファンタジー映画ということで、最初はそれほど注目されていませんでしたが、作品の質の高さと感動が口コミでじわじわと広がり、ロングランに。なんと観客動員数800万人という、2005年のNo.1ヒット作になりました。
その魅力は、なんといっても不思議なトンマッコル村にあるでしょう。無垢の人たちが暮らす素朴なトンマッコル村に迷い込んだ兵士たちを描くことで、平和の大切さと戦争の愚かさをユーモラスに伝えています。原作は、映画監督としても有名なチャン・ジンの舞台劇。日本での公開に合わせて、8月末に行われた、パク・クァンヒョン監督と主要キャスト3人による記者会見の模様をご紹介します。まずは、ご挨拶から。
ジェヨン「北の人民軍将校を演じたチョン・ジェヨンです。この映画が日本で公開されると聞き胸が高鳴っています。日本の観客の皆さん、どうぞ暖かい気持ちでこの映画を楽しんでください」
ヘジョン「カン・ヘジョンです。たくさんの方に関心を持っていただいて、とてもうれしいです」
ハギュン「韓国軍の将校を演じたシン・ハギュンです。日本でも韓国と同じように、たくさんの方に楽しんでいただければと思います」
監督「監督のパク・クァンヒョンです。実はこの映画を撮った最初の頃はとても大変で、映画関係の各界の方々の関心もなかなか得られませんでした。当時は、この映画が日本にまで来て紹介されるなど、まったく想像もしていませんでした。今のこの状況は夢のようで、とても光栄に思います。この映画をご覧になった皆さんに、私たちが映画に込めたほんとうの心を感じていただければと思います」
ここから質疑応答へ。最初の質問は結末に関するものだったので割愛しますが、とにかく結末は最初から決まっていたとのこと。そこに監督からのメッセージが込められています。
Q:蝶がたくさん出て来ますが、何か特別な思いが込められているのでしょうか?
監督「ここでお話すると皆さんのイメージが固まってしまいますので、監督としては秘密にしておきたいです。韓国のサイトで少し研究したことがあるので、探したら見つかるかもしれませんが、あくまで皆さんのご想像にお任せします。個人的には、もちろんはっきりとした意味を込めています」
Q:チョン・ジェヨンさんとシン・ハギュンさんは、この作品を舞台でも演じておられますが、舞台と映画の演技の違いは? 舞台版のチャン・ジン監督からは、映画に対しての意見などありましたか?
貫禄のチョン・ジェヨン
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ジェヨン「舞台で演じたのは人民軍の将校ではなく、舞台にだけ登場する解説者兼ナレーションのような役でした。なので、演技上の違いはわかりませんが、舞台よりも映画の方が内面を見せる部分が大きいと思います。セリフがなく、ただ立っているだけでも、何の動きがなくても、カメラや監督が私を捉えた時は、やはりなんらかの感情がそこに表れますし、観客はそれを汲み取っていきます。一方舞台の場合は、すべてを俳優が言葉や表情で直接的に表現することが多いので、そこが違うのではないでしょうか。チャン・ジン監督からは、頭を下げるようにして『頼むから、いい演技を見せてくれ。君たちがしっかりやってくれれば文句は出ないだろう。原作の持ち味を損なわないよう、とにかくいい演技を見せてくれ』と言われました」
シン・ハギュンは久しぶりの来日 新作『礼儀なきものたち』の くるくるパーマがお気に入り?
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ハギュン「私も同じ意見です。チャン・ジン監督とパク・クァンヒョン監督の出会いは、ほんとうにいい相乗効果を生み出せたと思います。それに参加することができ、俳優として心から感謝しています。演劇と映画の違いですが、表現方法の違いだけで、本質的にはまったく同じものだと思います」
司会「監督はチャン・ジン監督から何か言われましたか?」
監督「まず最初に、これを映画化しないかと言われました。それを受けて、1年と6ヶ月をかけてシナリオを書きました。それを見せたら、最初は『面白くない』と言われ、なんて人だろうと思ったのですが(笑)お互いに話合いを続け、映画化に向けてシナリオを練っていきました。実際に撮影に入ってからは、全部私に任せてくれました。第一試写としてあがったものを観た時は、二人共とても幸せな気分になりました。チャン・ジンさんと私は似ている所もありますが、違う所も多々あります。私たちは、ほんとうにいい組合わせでした」(続きを読む)
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