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東京フィルメックス2007
10月の香港映画祭に続いて、ジェイシー・チェン(房祖名)の出演作が2本、東京フィルメックスでは最新作『ドラマー』が、中国映画祭ではデビュー2作目の『早熟』が相次いで上映されました。まさに「ジェイシー祭り」とも囁かれたほど、ジェイシーにとってはラッキーな日本初お披露目となりました。
前回はニコラス、ショーンと3人で和気あいあいといった感じでしたが、今回はいずれも単独または監督と一緒。やや緊張していたり、勝手がわからなかったり…といろんな表情を見せてくれました。でも、そこはやはりジャッキーの息子。育ちの良さが匂うおっとりぶりはどこでも変わらず、大物になりそうな気配も感じさせてくれました。
まずは、『ドラマー』の上映前に行われたトークイベントと、舞台挨拶、その後の囲み取材の様子をご紹介します。
『ドラマー』の撮影については?
ジェイシー「最初の2日間は楽しかったけど、後の28日間は苦しかった。ハエもたくさんいたし、世界一ハエの多いところじゃないかな」
監督はあえて、ジェイシーに遊ぶヒマを与えなかったのだそうです。太鼓の練習はどうやって?
ジェイシー「撮影前に2週間の特訓を受けました。その後は、撮影しながら練習していったという感じです」
監督「音楽の才能があるので、リズム感がいいんですね。アクション!と声をかけると、すぐにリズムにのって叩いてくれました。彼はとても聡明で、センスのある若者。演技の才能もあります」
と、ケネス・ビー監督はベタほめでした。
その後の舞台挨拶では、特に気に入っているシーンについて
ジェイシー「中盤に、単語にすると3つずつのコンパクトなセリフを、ヒロインと僕が話すシーンがあります。セリフは短いですが、意味がとても深いシーンなので、その辺を気をつけて観てください」
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アンジェラ・マオがやって来た!
東京フィルメックスのスペシャル・ゲストだったアンジェラ・マオ。超満員のため会場を広げたトークイベントでは、暖かい拍手で迎えられ、感激の涙が止まりませんでした。33年ぶりの来日で「覚えてくれていて、本当にありがとう!」と感無量。トークイベントでは、ブルース・リーを1度蹴ったことがあるというエピソードも披露。ショウブラザーズに対抗して創られたゴールデンハーベストの最初のスターとして、サモハンたちと活躍した時代のことなどを語ってくれました。
左は舞台挨拶の時のファッション。スポットライトを浴びて登場し、またまたたくさんの拍手で迎えられました。今回上映された代表作『女活殺拳』の撮影で苦労した所は?に「いろんなところで苦労はしましたが、一番思い出に残っているのはラストシーンです。私が1人で8人から10人の敵を蹴飛ばしていくのですが、NGが52回も出ました。こんなにたくさんのNGは忘れられません」
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中国映画祭2007
東京フィルメックスの後半に開催されたのが中国映画祭2007。こちらには『スーツケース』のワン・フェン監督、『鳳凰、わが愛』に続いて『恋するふたり』が上映されたジヌ・チェヌ監督、そしてフィオナ・シッと共演した『早熟』のジェイシー・チェンがこちらにもゲストとして登場しました。また、シンポジウムへの参加でシュウ・ケイ監督(写真上:左から2人目)も来日しました。
写真右:左からワン・フェン監督、ジェイシー・チェン、ジヌ・チェヌ監督
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まずは、『早熟』の舞台挨拶から。フィオナとデュエットしている主題歌について質問が出ました。
Q:この主題歌はどのように作曲したのですか?
ジェイシー「正直に言うと、書かされました(笑)。だから、監督に感謝しなければなりません」
Q:歌に込めた思いは?
ジェイシー「シンプルにしました。若い観客がターゲットだったので、愛してるとかそういう表現は避けて、単純にひとりぼっちは嫌だ、誰かと一緒にいたいという思いを込めて書きました」
Q:イー・トンシン監督との仕事は?
ジェイシー「監督はすごくしっかりしたビジョンを持っている人。今回は社会問題となっている若い父親や母親について描いています。この映画を観て、若い世代の人たちは行動する前によく考えなければいけない、ということを言いたかったのでしょう」
Q:現場での面白いエピソードは?
ジェイシー「シンプルなキスシーンがあったんですが、ちょっと変でした。初めてのキスシーン撮影で、ちょっと楽しいかもと思ってたら、セットには18人くらいいて、監督はヘッドフォンを付けているのでどんな小さな音も聞こえるんです。カメラも照明もこんなに近くてすごく緊張したので、思い出深いです」
Q:今後、挑戦したい映画は?
ジェイシー「コメディをぜひやりたい。アクション以外では、ドラマをやりたいです。ただ、ドラマはあまり儲からないので、儲かる映画も作って行かなくてはなりません。コメディなら稼げるでしょう。アクションもやってみたけど、そこで起こった事故で病院にかかったお金のことを考えると、やっぱりコメディです(笑)」
最後に登場したゲストは、『四大天王』の主演兼監督ダニエル・ウー(写真右)。映画については、2006年の東京国際映画祭でたくさん語ってくれていますので、こちらをどうぞ。批判ではなく、今の音楽業界の状況を描いて関心を持って欲しかったと語るダニエル。脚本は、ラストに出て来る南アフリカで書き始めたのだそうです。その後、歌手になろうという気持ちは?「まったくありません! 経験がなかったので、人生で一番こわい経験だった。アートのために身体をはったんです」とのこと。俳優業が優先だけど、次回作は2年以内に撮りたいそうです。そして最後に一言。
ダニエル「この映画は世界中で上映する機会がありました。以前に日本でも上映され、また戻って来て上映されて、長い旅を終えた気分です。小規模なインディペンデント映画ですが、暖かく見守ってくれてうれしいです。アリガトウゴザイマス」(拍手)
▼東京国際映画祭 ▼中国映画週間&香港映画祭 ▲東京フィルメックス&中国映画祭
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更新日:2008.1.25
●back numbers
東京フィルメックス2007
開催期間:11/17-25
会場:有楽町朝日ホール
シネカノン有楽町1丁目
東京国際フォーラム
ホールC
東京国立近代美術館
フィルムセンター大ホール
*公式サイト
受賞リスト
最優秀作品賞
・テヒリーム
監督:ラファエル・ナジャリ
コダック VISION アワード
(審査員特別賞)
・アイ・イン・ザ・スカイ
監督:ヤウ・ナイホイ
アニエス・ベー・アワード
(観客賞)
・Exiled/放・逐
監督:ジョニー・トー
ゲスト・プロフィール
ジェイシー・チェン
房祖名/Jaycee Chan
1982年12月3日、アメリカ生まれ。父は香港の大スター・ジャッキー・チェン(成龍)。母は、かつて台湾4大名優の1人だった(リン・フォンチャオ(林鳳嬌)。歌手志望で、爽やかな歌声の持主。04年にデビューアルバムをリリース。また『ツインズ・エフェクト2/花都大戦』で、俳優としてもデビューした。
discography
・房祖名/國語專輯(04)
filmography
・ツインズ・エフェクト2
/花都大戦(04)
・早熟(05)
・男兒本色(07)
・太陽照常升起(07)
・ドラマー(07)
アンジェラ・マオ
茅瑛/Angela Mao Ying
1950年9月20日、台湾生まれ。幼い頃より空手や合気道を習い、復興戯劇學校に8年間通う。その後、京劇俳優として活躍。空手道場でゴールデン・ハーベストのレイモンド・チョウにスカウトされ、『天龍八將』で女優デビュー。『燃えよドラゴン』でブルース・リーの妹役を演じて注目された。現在は引退して、アメリカ在住。
filmography
・8人のドラゴン/天龍八將(70)
・鬼怒川(71)
・必殺!サンダーボルト
(71)
・旋風レディ!鉄掌拳(72)
・アンジェラ・マオの女活殺拳
(72)
・燃えよドラゴン(73)
・迎春閣之風波(73)
・テコンドーが炸裂する時(73)
・馬路小英雄(73)
・綽頭状元(74)
・ザ・トーナメント(74)
・暗黒街のドラゴン
/電撃ストーナー(74)
・艶窟神探(75)
・密宗聖手(76)
・決闘太陽塔(77)
・破壊(77)
・飛燕雙驕(77)
・三千大洋(77)
・雌雄雙彗(77)
・浪子一招(77)
・拳舞(79)
・賭王門千王(80)
・賭王門千王續集(80)
・賭王千上千(81)
・イースタン・コンドル(87)
・鬼娘子(88)
・ストロンゲスト/史上最強の
映画スターは誰だ!?(90)
中国映画祭2007
開催期間:11/22-25
会場:東京・草月ホール
横浜ムービル
*公式サイト
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