2008.2.21
セルリアンタワー東急ホテル(渋谷)
8日より公開中の『花影』。ジュエリーデザイナーとしてキャリアを積んで来た在日3世の女性が、その頂点で恋と仕事に挫折し、韓国の釜山で出会った青年と再会するために韓国へ向かう…そんな展開の、日韓を繋ぐラブストーリーとなっています。主演はアジアの俳優との共演経験が多い山本未來と、韓国の人気俳優キム・レウォン。公開前の2月下旬に、キム・レウォンも来日して記者会見が開かれました。
登壇したのは、プロデューサーの若杉正明、監督の河合勇人、そして主演の山本未來とキム・レウォン。山本未來は韓服名家パランセのデザインによる美しいチマ・チョゴリを着て登場しました。河合監督はこれが監督デビュー作。日本公開に続いて、韓国での全国公開も決まっているそうです。
山本「桜の時期に撮影してちょうど1年が経ち、もうすぐまた桜が開花する頃に、やっとこの作品をお届けできます。この日を待ち望んでいました」
キム「ハジメマシテ。私ハ、キム・レウォンデス。海外で製作される作品に出演するのは、この『花影』が初めてです。どうか皆さん、いい記事を書いて、たくさんの人に教えてあげてください」
と、宣伝活動にも気を配るキム・レウォン。ご挨拶に続いて、まずは司会者からの質問。
司会「この映画の製作のきっかけは?」
若杉「河合監督をデビューさせる企画を探していて、市川森一先生とお話をしていた時、アジア市場をターゲットに、日韓の垣根を超えるような作品を作ろうと考えていました。お二人に出演を快諾をいただいて、脚本ができました。日韓をマーケットにしていこうというのがきっかけです」
司会「初めての監督作品で、日韓スターが共演する作品となりましたが、かなりプレッシャーがあったのでは?」
河合「初めてというのもありますし、日本と韓国の両方の言葉で演出しなくてはならなかったので、プレッシャーもあり大変でした」
司会「この映画の見所は?」
山本「監督からは私の韓国語と言われました(テレ笑)。日本と韓国の釜山を背景にした作品で、私自身も在日3世という設定になっています。完成した作品を観ましたが、人間同士の交流や愛がとても盛り込まれている脚本だったので、自分で言うのも何ですが、ほんとうの意味での韓国と日本の架け橋の作品になったと信じています」
司会「山本未來さんの韓国語はいかがでしたか?」
キム「スゴイ」(会場笑い)
司会「キム・レウォンさんから観た見所は?」
キム「実は、来日直前に映像を頂いて、完成した作品を拝見しました。この映画のテーマの1つは愛なのですが、それ以外にも、人間の生き方が描かれていると思いました。ほんとうの幸せとは何なのか。普段の我々は目の前の状況だけにしがみついて、それだけを所有しようとしているのではないかと、あらためて考えさせられました。時には、映画の中の尚美のように、すべてを捨てて純粋な愛を探そうとする、そういう勇気を持つことも必要だというメッセージも感じました。ご覧になる皆さんにも、その点を感じていただければと思います」
司会「日本映画は初めてですが、参加した感想は?」
キム「今回はほんとうに運がよかったのか、それとも、日本の撮影スタッフの皆さん全員がそうなのかはわかりませんが、ほんとうに素晴らしい人たちに恵まれて仕事ができました。大切な思い出もできました。僕にとって、この『花影』は永遠に忘れられない作品です」
ここから質疑応答へ入ります。
Q:言葉の通じない現場の中、キム・レウォンさんの笑顔はとても素晴らしいのですが、笑顔以外ではどのようにコミュニケーションをとろうとしましたか?
キム「現場では、山本未來さんの素晴らしい韓国語に助けられて、コミュニケーションをとることができました。それ以外で通じないところは、通訳に助けてもらいました」
山本「電子辞書の韓国語対話というのを持ち込んでまして(笑)それから会話をしたいなと思うものを大体覚えて、空き時間があると、『未來って呼んでいいよ』とか、レウォンさんにいろいろとけしかけていました(笑)」(続きを読む)
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