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ASICRO FOCUS file no.107

『言えない秘密』舞台挨拶

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10ヶ月ぶりに来日したグイ・ルンメイ(全身を見る
2008.8.24
新宿武蔵野館(新宿)

 23日より絶賛公開中の『言えない秘密』。もう、ご覧になったでしょうか? 内容が内容なので、少しでもネタバレしないようにと、舞台挨拶のご紹介時期をずらさせていただきました。そろそろ1回目は観たという方も多いと思うので、公開2日目に登場したグイ・ルンメイの舞台挨拶をご紹介いたします。

*ネタバレ注意:映画をご覧になってから読まれることをお薦めします。まだご覧になっていない方は、最後の見どころを先にお読みください。

 ルンメイ「こんにちは。グイ・ルンメイです。皆さんにお会いできてとてもうれしいです。『言えない秘密』をご覧になってどんな感想を持たれたか、ぜひお聞きしたいです」

 司会「どういう思いで、この役を演じましたか?」

 ルンメイ「「今回は恋愛のことだけではなくて、他の人は誰も私の言うことが聞こえない、話しかけても誰にも理解してもらえないという役だったので、それはとても辛かったです。それに、時空を超えた時にしか好きな人に会えない、ということを気にかけて演じました」

 司会「撮影現場でのジェイ・チョウさんはどんなでしたか?」

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すっかり大人になりました
 ルンメイ「ジェイはなんといっても素晴らしい歌手なのですが、スクリーンではそれ以外の面が見られてうれしかったです。彼はほんとうに努力して今の成功を勝ち取った人で、自分の仕事をとても愛しています。監督としては、とても聡明だと思いました。頭の中にしっかりとしたストーリーが映像としてあって、監督をしていました。共演していておかしかったのは、一緒に絡みのシーンを演じていた時、演じた後すぐに彼が『はい、カット!』と言うところ(笑)。急に言うので『あれ?私、演技が終わったかしら?』って…(笑)」

 司会「ジェイさんの他に、撮影のリー・ピンピンさんや、共演のアンソニー・ウォンさんなど、素晴らしいプロの方が集まった現場でしたが、どんな雰囲気でしたか?」

 ルンメイ「今回はほんとうに、そのようなプロフェッショナルな方たちと一緒に仕事ができて、とてもいい機会でしたし、快適でした。プロの皆さんがそれぞれの持ち場で、この作品をいいものにしようと頑張った結果が、こうした素晴らしい映画につながりました。リー・ピンピンさんは面白かったです。とても有名なカメラマンですが、まるで子どもみたいに、私の後ろから指でチョンと、映画でやってたようにされたりしました(笑)」

 ここでゲストが登場。グイ・ルンメイと同じ24歳で、現役女子大生モデルとして活躍中の椿姫彩菜が花束を贈呈し、映画の感想を述べます。

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椿姫彩菜さんから花束の贈呈
 彩菜「昨日この映画を観たんですが、興奮してぜんぜん眠れませんでした。泣けるし、純情で一途な気持ちを思い出させてくれるし、プラスただの恋愛映画だけでは終わらないところがすごく感動しまして、いまだに余韻が残ってます」

 と、かわいらしい声で興奮気味に感想を言ってくれた椿姫彩菜さん。どう見てもかわいい女性ですが、実はニューハーフ。性同一障害で悩んだ時代のことを綴った『わたし、男子校出身です。』で話題というのは舞台挨拶の後に知り、当日はルンメイちゃんと同じく「???」状態でした(笑)。

 司会「『男子校出身です』という本も出されている彩菜さんですが、お会いになった感想は?」

 ルンメイ「すごくきれいな女性ですね。かわいらしいし」

 司会「ジェイ・チョウさんについてはどう思いましたか?」

 彩菜「天は二物も三物も与えたなって、正直思いましたね。音楽もできて、演技もすごいし、脚本・監督も…って、どんだけ凄いんだと、私も一気に大ファンになってしまいました」

 ここで、二人ともピアノを習っていたこと、現役大学生でフランス語を勉強していて、フランス留学経験があるという共通点が紹介されます。

 司会「過去の恋愛経験の中で、言えない秘密を持ったことは?」

 ルンメイ「秘密なので言えません」(ごもっとも)
 彩菜「私の場合、恋愛して秘密という以前に、その人にそういう気持ちを持っていることすら秘密って感じだったので。やはり男子校出身だけあって、あんまりそういう明るい恋愛はしてないイメージがあるので。ずっと心に秘めたまま5年間とか、そういう感じでしたね」

 ルンメイ「(とっても不思議そうに)どうしてですか?」(気づいてない様子)
 彩菜「やっぱり引っ込み思案というか、告白しちゃいけないかなあ…みたいな気持ちがあって」
 ルンメイ「エエ?(ますます不思議そうに)勇気を持って相手に気持ちを伝えないと、わかってもらえないですよ」
 彩菜
「ですよね。ありがとうございます(笑)」

 司会「勇気を持って相手に伝えたりしましたか?」

 彩菜「5年間くらいはほんとにできなくて、今まで24年間で、その人に1回だけ告白したことがあって、それだけですね。ぜんぜん…基本的には自分から言えないので」
 ルンメイ「こんなに可愛らしいんだから、告白したらきっと、たくさんの男性が好きになりますよ」(と真剣にアドバイス)
 彩菜「ありがとうございます(笑)」

 司会「この映画を観て、女優さんをやってみたいなと思いませんでしたか?」

 彩菜「共通点が多いので、観ながら勝手に一人シャオユーになってました。すごくかわいらしい演技で、しかもミステリアスで魅力的なので、こうやって(指で)ちょこっと顔をやったり『しっ』てやったりして、憧れてました」

 司会「では最後に、この映画の見どころを一言ずつお願いします」

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最後はかわいい秘密ポーズできめてくれました
 彩菜「はじめは『言えない秘密』っていうから、秘密っていっても、流行りのあの秘密だろうなって思ってたんですけど…ね? 多分そう思った方も多いと思うんですけど(笑)もう、それすらも想像できないような秘密で、ほんとにびっくりしました。中盤からずっと目を引き付けて放さない脚本や作りにほんとうに感動して、ずっと興奮してました。プラス、私もピアノが好きで、ショパンとか大好きだったので、音楽にも感動したし、感動しっ放しで、2回、3回とこの映画を観たいです。秘密をわかった上で、もう1回観たいので、ほんとにこの映画に出会えて幸せだと思います」

 ルンメイ「ラブストーリーですが、他にもいろいろな要素がいっぱいあります。サスペンスもありホラー的要素もあり、解けない謎も多分あったと思います。それから、なんといってもジェイ・チョウの音楽。彼が全部自分でピアノを弾いています。それから、タイの音楽家(テルサック・ヤンパン)と作った映画音楽がほんとうに素晴らしくて、私も目を閉じて音楽を聞いているだけで、ストーリーが浮かんできます。また、この映画を観終わった皆さんは、ただよかっただけではなくて、きっと皆さんの初恋を思い出されるのではないでしょうか。幼なじみとか、かつて好きだった人のことを思い出して、その思い出に浸って欲しいです」

 まさしく、そんな気分にしてくれる『言えない秘密』。東京ではロングランになりそうな気配ですが、これから公開予定地区の皆さんは楽しみにお待ちください。


▼作品紹介 ▼グイ・ルンメイ・インタビュー
更新日:2008.9.9
●back numbers

舞台挨拶の表記
司会
ルンメイ(グイ・ルンメイ)
彩菜(椿姫彩菜)
profile
グイ・ルンメイ
/桂綸[金美]


1984年12月25日、台湾生まれ。高校生の時にスカウトされ、02年に『藍色夏恋』で主演デビュー。その後、CMなどに出演しながら、淡江大学仏文科に入学。フランス留学経験もあり。台湾を代表する若手女優として注目されている。
fiilmograpy
movie
・藍色夏恋(02)
・サウンド・オブ・カラー
 /地下鉄の恋(03)
時の流れの中で(04)
遠い道のり(07)
言えない秘密(07)
・女人不壞(08)
・闔家觀賞(08)
・停車(08)
・天黒(08)
・夏午(08)

drama
・危險心靈(06)
・波麗士大人(08)
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第17回東京国際映画祭
第20回東京国際映画祭
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・インタビュー(近日アップ)

「藍色夏恋」

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DVD
『サウンド・オブ・カラー
/地下鉄の恋』

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