Q:この作品を観るとどうしても『ザ・ミッション』を思い浮かべてしまいますが、前作とはどういった違いを心がけましたか?
フランシス「この作品は監督にとってどういう映画なのか尋ねたのですが『ザ・ミッション』の続編にしたい、ということでした。実際、似ているところも多いです。アクション・シーンはとてもゆっくりやっているし。『エグザイル』と『ザ・ミッション』の違いは歩き方ですね。『ザ・ミッション』の歩き方は、香港のモデルの歩き方。『エグザイル』はグッチやゴルティエといった国際ブランドのモデルの歩き方です。(会場笑)今、このポスターに写っている4人は、それぞれ別のブランドの代表的な歩き方をしているんです」
アンソニー「大体、今言ったとおりです。だから毎回『このシーンはどうするんだ?』と聞かれた時は、歌で答えてた。タンタ〜ン、タタタンタ〜ン♪(マルボロCMのBGM)…ワカリマシタ」(会場笑)
Q:若い頃の合成写真が出て来ますが、実際にご自分たちの写真ですか?
アンソニー「もちろん。あんなハンサムな奴は僕しかいないでしょう。こいつはあんな顔だし」(会場笑)
フランシス「だから、僕の息子は将来ハンサムにならないかもしれませんね。子どもの時はあんな顔だから」(会場笑)
Q:なぜ皆さんは演じ方をアンソニーさんに尋ねるのですか?
フランシス「まず、監督に聞く勇気がなかったんですね。それに、アンソニーは主演男優賞をもらった人で、人に教えたがるので(会場笑)聞くと喜んでくれるから聞いてたんです」(会場爆笑)
Q:共演した方たちの印象を教えてください。
二人とも考え込んでしまって、しばしの沈黙……(会場笑)
アンソニー「まずラム・シューですが、彼の役はトー監督そのものです。彼がやりたいのはあの役柄なんですが、監督は役者ではないので自分ではできないから、ラム・シューが監督の代わりをやっている。ラム・シュー=監督ですね。ロイは、毎日質問がいっぱいあります。どうすればいいんだ、どうすればいいんだ…といつも困惑気味に言っていました。ニックはとても努力家。今回もとても努力してましたね。彼が亡くなるシーンで、布に包まれて火をつけられるところがありますが、あの火は本物で、消せない部分がありました。とても危ないところだった。それから、高い所から投げ落とされるシーンでは、着地するところに植木鉢が20個くらいあったんですが、背中を傷めていました。とても頑張り屋です」
また沈黙になったので、アンソニーがフランシスに「仲間について少しはしゃべれよ」
フランシス「簡単に言うと、ロイはがっしりしてるし、ラム・シューは肥ってる。ニックは痩せてる」(会場笑)
Q:サイモン・ヤムさんは?
フランシス「サイモンはとてもかっこいい」(会場笑)
Q:脚本がなかったということですが、できあがったものを観て驚いたシーンや、予想外だったシーンはありますか?
映画の中の記念撮影シーンは印象的(拡大)
(c)2006 Media Asia Films (BVI) Ltd.
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またしばしの沈黙の後、
アンソニー「基本的には、できあがったものを観てびっくりというより、撮影している時が毎日びっくり仰天でした。『今日はこれをやるぞ』『へえ、これをやるんだ!』と、毎日がびっくりの連続だったので、もうびっくりはしません」 (会場爆笑)
フランシス「僕としてはラストシーンですね。インスタント写真のブースからできあがった写真が出て来て、それをぱっと映してから、すぐに僕たちが子どもの頃の写真に切り替わった。そのコントラストはとても強烈だったと思います。僕はそこが感動的でした」
Q:映画では男気溢れるお二人ですが、もし現実だったら、こんな行動ができますか?
何と答えるべきか想像できず悩む二人……(会場笑)
アンソニー「ジョーダン…ジョーダン! 冗談はやめてくれ!」(会場笑)
フランシス「実生活でこんな状況になることはまずないし、皆が拳銃を持っているわけではないので(会場笑)実際に自分がこういう状況に直面したらどうするかは、その時になってみないとわかりません」
と、こういう時には適当でなく、真面目に考えてしまう二人でした。ここで、会見終了となったのですが、アンソニーが真面目な顔で一言、付け加えます。
アンソニー「実は来日する前にトー監督と会って、この映画についてまた話をしました。せっかく皆さんに、男気溢れるかっこいい映画だと思っていただいているので、これは秘密にしておこうと思っていたのですが、実はトー監督にとって、この映画の中の4人は主婦みたいだと言っていました。ラム・シューはフィリピン・メイドみたいだと言ってましたね」
やっぱり、最後も真面目じゃなかったですね(笑)。どこまでが冗談で、どこまでが本気なのか?という回答ばかりでしたが、ここまで読んでいただいてわかるように、とっても笑いに溢れた爆笑記者会見でした。とにかく、長い撮影期間中は皆でエンジョイしていたようです。ジョニー・トー監督の撮影スタイルもなんとなく眼に浮かびます。毎日が即興でも、俳優たちがそれに対応できる演技力を持っているからこそ、という信頼関係に基づいているのでしょう。そんな監督と俳優たちの魅力溢れるアンサンブルを、ぜひ劇場でご堪能ください。
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