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ASICRO FOCUS file no.114

『エグザイル/絆』舞台挨拶

p1

今日のフランシス(右)は秋色スーツでキメてます。
2008.11.3
一ツ橋ホール(一ツ橋)

 翌日、3日は文化の日。日本教育会館にある一ツ橋ホールにて特別試写会が開催され、ゲストの二人が舞台挨拶を行いました。昨日とはまた違ったダンディなファッションでの登場に、満席の会場はうっとり。司会は昨日のイベントと同じく、香港カルチャーライターの水田菜穂さんがつとめ、楽しい舞台挨拶となりました。

 水田「まずは、簡単なご挨拶からお願いします」

 アンソニー「ア〜…、コンバンハ!」
 え、それだけ?と、あまりの簡単ぶりに爆笑と拍手が。続けて、やや緊張気味のフランシスも
 フランシス「ア〜…、コンバンハ!」(さらに爆笑&拍手)

 水田「フランシスさんは、9月に男のお子さんが誕生しました」
 祝福の拍手を受け、新米パパになったばかりのフランシスは、ガッツポーズ。

 水田「では、初めての方にもわかるようにこの映画の見所を説明してください」

 アンソニー「映画の途中が変わっていて、とても面白いです」
 フランシス「俳優たちが、モデルのキャットウォーク風に演じています」

 水田「この作品は脚本がない、ストーリーも決まっていなかったという珍しい作品です。 脚本がないと聞いた時、どう思いましたか?」

 アンソニー「脚本がないのは、特にどうってことない。俳優までいないなら特別だけど」
 フランシス「脚本がなくても、俳優がいなくても、ギャラさえ払ってくれれば僕は平気」(笑と拍手)

 水田「マカオで9ヶ月間の撮影でしたが、とても長〜い休暇みたいでしたか?」

 アンソニー「とても長〜い、シャブシャブ期間でした」
 フランシス「男同士のクルーズ旅行という感じで楽しくやっていました。こんなに迫力のある作品にできあがったのは、全て監督のおかげ。僕たちはただ、シャブシャブをしていただけなので」

 水田「監督の作品にたくさん出ていますが、ジョニー・トー監督のすごい所はどんな所でしょう?」

 アンソニー「声がでかいところ。どんなに遠い所にいても、監督が入って来ると、ああ監督が入って来たな、どなり散らしているなとわかるし、仕事が終わるのも声でわかります」
 フランシス「監督は生活を楽しむのが得意で、葉巻とワインに詳しいんです。撮影現場では、いろいろ教えてもらいました。撮影日数は葉巻の本数ですね」

 水田「噂によれば、監督は皆さんの名前をときどき間違えるそうですが、本当ですか?」

 フランシス「たしかにそうですね。僕のことを秋生と呼んだり、アンソニーのことを鎮宇と呼んだり。実は、僕たち俳優もときどき監督の名前を間違えるので、お互いさまです。(会場笑)もう1つ凄いのは、夜の撮影現場でもサングラスをかけてること。よく転ばないなあと。ちゃんと撮影できるので感心します。そういえば、アンソニーもサングラスだね」
 アンソニー「そうさ。真似してるんだ」

 水田「先ほどの質問ですが、監督としての素晴らしいところを伺いたかったのですが?」

 アンソニー「だから、声が大きいことが凄い。監督は声が大きくないとだめなんです。(大声で監督の声真似をして)キャ〜メラ!」(大拍手)

 水田「フランシスさんも、そう思いますか?」

 フランシス「もちろんそうです。僕たちみたいに役にのめり込む役者だと、役に集中してしまって、カットという声が聞こえないので、ず〜っと演じてしまうんです」

 水田「つまり(これらの珍回答は)映画は頭で考えずに体で感じろという、お二人からのメッセージですね」

 アンソニー「日本の方はわかりませんが、僕自身はそういう風に映画を楽しんでます」
 フランシス「どうして、映画が始まる前にこんなジョークばかり言ってるかというと、映画が終った頃には、皆さんが僕たちのことを考えて、泣きながら出て行くのではないかと思ったので(笑)。この場を借りて、ちょっと和んでいただこうと冗談を言いました」

 水田「では最後に、どうしてもここは観て欲しいという自分のおすすめシーンは?」

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スタッフから花束をもらってフォトセッション
 アンソニー「たくさんの見所シーンを観てもらうというよりも、何ヶ月もかけて作り上げた作品なので、全編を通して1つの作品として感動してもらいたいです。素晴らしい作品ですので、ぜひ楽しんでください」(拍手)

 フランシス「アクションシーンですね。銃撃戦ですが、多分、僕たちそれぞれが1000発以上の弾を打ったと思います。とても危ないシーンが多いのですが、それだけでなく、一瞬も見逃さないように、ストーリーの展開にも集中して観て欲しいです」(拍手)

 やっと真面目な意見が聴けたので、最後に水田さんが、それぞれに映画とは関係のない質問をしたのですが、またもや、とんでもない展開に(笑)。

 水田「アンソニーさんは、役作りが必要になったら10キロも20キロも肥りますか?」

 ここで、フランシスが「我得(僕が答える)!」と手をあげて
 フランシス「そんなに肥る必要はないよ。もうそうなってるから」(会場笑)
 アンソニー「ダイエットしたい人は、フランシスから離れていた方がいいよ。現場のシャブシャブは、全部フランシスが持ち込んだんだから」

 水田「フランシスさんは髪が長くなっていますが、次の作品のためですか?」

 今度はアンソニーが「我得(僕が答える)!」(爆笑と拍手)
 アンソニー「実は奥さんがあまり子育てが上手くないので、赤ちゃんに自分をお母さんだと思ってもらうために、髪を伸ばしてるんだ」

 と、最後の最後までジョークに。名コンビぶりを水田さんが讃えると

 アンソニー「俺たち結婚した方がいいかもね(笑)」(爆笑と拍手)

 最後に配給会社の女性スタッフから花束が贈呈されたのですが、二人ともそれぞれからハグをしてもらい、客席から羨望のどよめきが起こりました。そして、フォトセッションへ。記者会見に続いて、舞台挨拶も爆笑の渦に包まれておりました。やっぱり、香港の俳優さんは最高に楽しいですね。こんな愉快な彼らですが、演技をしている時は真剣そのもの。そのギャップも楽しみつつ、『エグザイル/絆』をご鑑賞ください。


▼インタビュー 爆笑記者会見 P1 > P2 ▲爆笑舞台挨拶 ▼作品紹介
更新日:2008.12.7
●back numbers

記者会見の表記
司会:水田菜穂
アンソニー
(アンソニー・ウォン)
フランシス(フランシス・ン)
『エグザイル/絆』(2006)
(原題『放・逐』)

アンソニー

フランシス

(c)2006 Media Asia Films (BVI) Ltd.

監督:ジョニー・トー
主演:アンソニー・ウォン
   フランシス・ン
   サイモン・ヤム
   ニック・チョン
   ロイ・チョン
   ラム・シュー
   リッチー・レン
   ジョシー・ホー
公式サイト

*12月6日より公開中。
シネマスクエアとうきゅう
シアターイメージフォーラム
他、全国順次公開
特集上映:
アンソニー・ウォン、遊侠一匹

『エグザイル/絆』公開を記念してアンソニー・ウォンの出演作を一挙上映!
●上映作品
・インファナル・アフェア
・インファナル・アフェア2
・インファナル・アフェア3
・イザベラ
・ツインズ・エフェクト
・メダリオン
・マジック・キッチン
・愛と死の間で
・姉御
・ドラゴン・プロジェクト
・頭文字<イニシャル>D
・雪山飛狐 第1話、第2話
・ハムナプトラ3
 /呪われた皇帝の秘宝
●期間:12/6-19
●会場:渋谷シネマヴェーラ
*詳細は公式サイトへ。