2009.7.4 六本木ヒルズ・アリーナ
いよいよ9月19日より全国公開の映画『カムイ外伝』。白土三平の傑作忍者コミックシリーズ『カムイ外伝』を原作とする本作。そのアクション監督を、香港映画界で活躍する谷垣健治さんが担当し、なんとイーキン・チェンが出演するということで、香港映画ファンの間でも話題となっています。そのイーキン&谷垣さんが、7月に六本木ヒルズで開催された香港ウィークに登場。崔洋一監督と3人でトークショーを開催しました。
イーキンといえば、昨年7月の四川大地震チャリティ・ライブ「ハートエイド四川」でアーロン・クォックと共に来日。続く10月にも、東京国際映画祭で上映された『親密』のゲストとしてカリーナ・ラムと共に再び来日と、このところ日本との縁も深く、普段より親日家のイーキンにとって、今回の日本映画出演はさらにうれしいチャンスとなったようです。
そんな盛り上がるイーキン・ファンたちも大勢待ち構える六本木アリーナで、『カムイ外伝』の勇壮な音楽が響く中、イーキンが颯爽と登場。場内がいっきに沸き上がります。
イーキン「ハロー!大家好!また日本に帰る機会ができて、とてもうれしいです」
とご挨拶した後、ステージの椅子に座るイーキン。香港ウィークということで、チャイナドレスを着た司会の女性が、進行役を務めます。まずは香港をPRする話題から。
司会「イーキンさんは香港と日本を胯にかけて活躍していらっしゃいますが、香港の素晴らしい所、誇れる所は?」
イーキン「ご紹介したいのは西貢(サイクン)です。風光明媚なだけではなく、たくさんの芸能人も住んでいるんですよ。大自然が豊富で、香港を代表する特別な場所です」
とイーキンが紹介している間、ファンの間からはくすくす笑いも。西貢ってたしか、イーキンも住んでるんですよね? なんだか、ヴィック・チョウの宣蘭自慢を思い出してしまいました。さらに話は続いて、
イーキン「もう1つ、最近いい場所を見つけました。香港を訪れたらぜひ行ってみてください。名前は流浮山(ラウファウサン)。聞いたことないでしょ?(ファンの皆さんからは広東語で「有!(ある!)」の声も)機会があれば、ぜひ行ってください。シーフードがとてもおいしいです。それに、古い香港がそのまま残っていて、街角もあまり変わっていないのでここはオススメ。写真撮影にもぴったりですよ」
司会「親日家と伺っていますが、日本の好きな所は?」
イーキン「東京はもちろん好きですが、仕事以外でもあちこち行ってます。たとえば福岡。北海道もとても好き。阿蘇山はご存じですか? すごくきれいです。この時期だと多分、北海道かな。ラベンダーがたくさん咲いてて、いい景色ですね」
司会「たくさんご紹介いただいてありがとうございます」
イーキン「もっと紹介したいんですが…」
と話したいイーキンを「いえいえ、日本の観光紹介になってしまうので…」と切り上げて(笑)いよいよ『カムイ外伝』の話題へ。まず映画について簡単な紹介があった後、崔洋一監督とアクション監督の谷垣健治さんが拍手に迎えられて登場します。
監督「こんにちは。いや〜イーキン、すごい人気! 実はこういうイベントに参加させていただくのは初めてなんですが、何を隠そう私、香港好きでございます。初めて行ったのはまだ返還前でしたけども、ほんとにいろんな価値観があって…皆さんは僕よりも10倍プロだと思うけど、やっぱり面白い! 面白い所には、面白い人が生まれるんです。素晴らしいアクターが生まれるんです。そういうことを、イーキン・チェンと仕事をして感じました。彼の心の優しさ、それと心の強さ。映画『カムイ外伝』の中にたっぷりと出てます。楽しみにしていてください」(うまい!)
左より谷垣健治アクション監督、イーキン・チェン、崔洋一監督
谷垣「大家好!『カムイ外伝』のアクション監督を担当しました谷垣と申します。ご存じの方も多いと思いますが、僕は香港映画が昔からすごく好きで、香港アクションの世界でやってみたいと思って香港に勝手に飛び込んで行った、そういう人間です。イーキンとは、1本目が『東京レイダース』だったよね? 次が『ツインズ・エフェクト』、それと『風雲!挌闘王』、『冷戦』。そして、5本目になるのが今回の『カムイ外伝』で、しかも崔監督の日本映画で、アクション映画で、またこういう幸せな出会いができて、香港がらみのイベントでもご一緒できて、すごくうれしいです」
司会「今回、イーキンさんをキャスティングされた理由は?」
監督「もう、この人しかいないでしょう。(拍手)今度の映画は大きな意味で、イーキン・チェンみたいに活躍している人っていうのか、ただ単にスターで有名というのではなくて、彼がやってきた仕事が僕が求めている世界観に重なったのが最大の理由ですね」
イーキン「監督、ほめ過ぎです(笑)。でもうれしいです。サンキュー」
谷垣「イーキンは努力を見せないんですよね。普段はアクションの練習というと結構適当なんですが、彼はそれに向けてちゃんと仕上げてくる。今回は日本語の長いセリフがあって、監督が彼の役柄の声を先に録音して、現場ではそれに合わせてやってもらったんです。最初は心配してたんですが、ものすごくぴったりあって。かなり練習したんだと思います」
監督「意外と難しいんですよね。イーキンが演じたのは大頭(おおがしら)という、カムイの最大のライバルになる役なんですが、僕は大頭のセリフをゆっくりしゃべったつもりだったんだけれども、なぜか慌ててガーッと一気に言ってしまったんですね。それを録音して、イーキンに合わせてやってもらったから、ものすごく大変だったと思います。ほんとに長いセリフを、ありがとう」(次の頁へ)
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