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asicro interview 31

更新日:2009.9.12

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『カムイ外伝』に出演したイーキン・チェン
日本映画に初出演
−イーキン・チェン
 (鄭伊健)

 香港ウィークと『カムイ外伝』のPRを兼ねたトークショーの後、イーキンにインタビューをすることができました。『カムイ外伝』に出演した感想だけでなく、俳優としてのイーキンや今後のコンサート活動についてまで、いろいろな話を聞くことができました。

 席に着くなり、イーキンから「映画はご覧になりましたか?」と逆質問。そのイーキンは、前日の夜に観たとのこと。「面白かった」という感想だったので、その辺の話からインタビューへ。

Q:完成した映画をご覧になって、一番感じたことは?

 イーキン「初めて出演した日本映画で、忍者になれたこと。それから、監督は2種類のアクションをしっかり映画の中に収めていましたね。1つは今流行りのCGやワイヤーアクション。もう1つは、特に後半ですが、僕が小さい頃日本映画で見慣れていた武士の決闘や忍者の闘い。ほんとうにじっくり闘うアクションも取り入れています。この2つが結合しているところがよかったです」

Q:これまで香港ではたくさんアクション映画に出演されていますが、日本の撮影で違うところを具体的に教えてください。

 イーキン「基本的には似ています。でも、完成した映画を観て気づいたんですが、細かいところが違いますね。刀の持ち方や弓矢の放ち方、手裏剣の投げ方など。香港映画のアクションだとあまり決まりはなく、とにかくカッコよく見えればいいんです。自己流でもいいんですよ。ところが、日本の場合はこういうところにきちんとこだわりがあって、教わった通りにやらなくてはなりません。この辺はやっぱり違いますね」

Q:そういう部分は、アクション監督の谷垣さんが指導なさったんですか?

 イーキン「そうです。谷垣さんはアクションの部分を担当していますが、実はその他にも刀の先生や手裏剣の先生、ムチの使い方を教える先生と、3人の先生がいました」

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大人の魅力が増してきたイーキン
Q:相当、練習したのでは?

 イーキン「実は家に帰ってからやってみたんです(笑)。でも、指導はとても明確でした」

Q:冒頭からいきなりイーキンさんの見せ場ですが、あれは去年の8月頃に撮影したんですか?

 イーキン「多分、その時期です。2週間くらいかかったと思いますね。もともとは京都で撮影するはずだったんですが、スケジュール変更があり、その間、僕は『風雲2』にも出演しなければならなかったので、結局行ったのは沖縄の現場だったのです」

Q:沖縄の8月は猛暑では?

 イーキン「はい。ソウデスネ(笑)」

Q:崖のシーンですが、あれは本当に落ちたんですか?

 イーキン「そうです(笑)」と涼しい顔で言うので、一同びっくり。

Q:ワイヤーを使ったんですか?

 イーキン「はい。ワイヤーの限界まで落ちてから止まるんです。でもスタントは使っていません。なぜかというと、映画をご覧になるとわかりますが、走っていって最後に振り返るので、自分の顔を見せないといけません。だから全部、自分自身でやりました。監督は、ふいに滑って落ちたという風に見せたいと要求していました」

Q:小雪さんとのアクションシーンはいかがでしたか?

 イーキン「難しいところは、監督が何度もリハーサルを要求すること。しかも、リハーサルは本番と同じようにやらないといけません。この場面では、小雪さんを足で蹴るところがあるんですが、リハーサルのたびにそうするのは残酷ですよね。そこで『リハーサルの時は蹴らないで、手でやってもいいですか?』と監督に提案しました。本番では蹴るけれども。監督はしばらく考えてから『よし、それでいこう』と。でないと、彼女は何度も蹴られて死んでしまいますから(笑)」

steel

(c)2009「カムイ外伝」製作委員会
 さすがに、やさしいですね。

 イーキン「いや、ほんとに、下手にやると怪我をするんです。香港のやり方だと、こういうアクションの時は役者同士でリハーサルをやるんです。だけど、今回はあまり時間もなくて。香港では、リハーサルの時はあまり本気でやらず、本番できちんとやるんですが、日本ではリハーサルも本番と同じことを要求されるので、そこは違いますね」

Q:表情が本物の日本の武士みたいでした。日本の映画などを観て研究したのですか?

 イーキン「サンキュー。いくつかの要素があると思います。まずは人物の造形ですね。こういう服を着て、こういう形でやるとか。それと、監督がこの役に何を求めているか、役者はこの役をどう演じればそれに応えられるかでも、変わってくると思います。もう1つ大事なのは、セリフが全部日本語だということ。やはり中国語でしゃべる時とは自然に違ってきます」

Q:映画では残念ながら吹替になっていますが、日本語のセリフは全部口の動きが合っていました。日本語でしゃべっていたのですよね?

 イーキン「そうです。監督はすごく要求が高くて、僕のセリフの部分は全部監督が録音していて、このテンポでしゃべってくれと指示がありました。でも、吹替の方の声は、ちょっと年寄りですね(笑)」

 でも、ちゃんと演技ができていましたよ。

 イーキン「ありがとうございます」(続きを読む)


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profile
イーキン・チェン
鄭伊健/Ekin Cheng

1967年10月4日、香港生まれ。87年にTVBの歌謡コンテストに出場して注目され、芸能界入り。91年に歌手デビューし、92年にはソロアルバムをリリース。同年に俳優活動も始め、95年の『欲望の街・古惑仔I/銅羅灣の疾風』でブレイク。同シリーズで一躍注目され、98年にはアーロン・クォックと共演した『風雲/ストームライダーズ』が大ヒット。歌手兼俳優として活躍を続けている。

日本とも馴染みが深く、02年には山田太一脚本で香港政府観光局が製作したドラマ「超級明星迷」に本人役でカメオ出演している。最新作は再びアーロンと組んだ『風雲II』。
filmography
movie
・應召女郎1988之二
 現代應召女郎(92)
・超級學校覇王(93)
・追男仔(93)
・キング・オブ・ギャンブラー
 (94)
・人魚伝説(94)
・男兒當入樽(94)
・ロリータ3人娘のぞき大作戦
 /ピーピング・キャッツ(94)
・男たちの挽歌4(94)
・百[イ分]百感覚(95)
・不道徳的禮物(95)
・男たちの挽歌・外伝(95)
・百分百[口岩]Feel(96)
・欲望の街 古惑仔I
 /銅鑼湾の疾風(96)
・欲望の街 古惑仔II
 /台湾立志伝(96)
・新・欲望の街I
 古惑仔疾風、再び(96)
・愛上百[イ分]百英雄(97)
・新・欲望の街II
 '97古惑仔最終章(97)
・風雲/ストームライダーズ
 (98)
・洪興十三妹/ポートランド・
 ストリート・ブルース(98)
・ヴァーチャル・シャドー
 幻影特攻(98)
・ドラゴンヒート(99)
・レジェンド・オブ・ヒーロー
 (99)

・超速伝説/ミッドナイト
 ・チェイサー(00)
・決戦・紫禁城(00)
・東京レイダース(00)
・特攻! BADBOYS(00)
・友情歳月之山鶏故事(00)
・辣手回春(00)
・狼たちの伝説
 /亜州黒社会戦争(00)
・冷戦(01)
・拳神 KENSHIN(01)
・天上の剣(01)
・無限復活(02)
・當男人變成女人(02)
・我老婆[口吾][多句]秤(02)
・デッドエンド
 /暗戦リターンズ(02)
・ヒロイック・デュオ
 /英雄捜査線(03)
・ヴィッキー・チャオの
 マイ・ドリーム・ガール(03)
・恋の風景(03)
・風雲!格闘王(03)
・ツインズ・エフェクト(03)
・ツイン・ローズ(04)
・アブノーマル・ビューティ
 (04)
・ツイン・ショット(04)
・六壮士(04)
・パティシエの恋(05)
・ディバージェンス
 /運命の交差点(05)
・我要成名(06)
・天行者(06)
・死の森(07)
・第一誠(08)
 *シンガポール映画
・親密(08)
・カムイ外伝(09)
 *日本映画
・風雲 II (09)
 *12月香港公開予定
・飛砂風中轉
 *撮影中