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上：『奪命金』ジョニー・トー監督
下：『カウントダウン』ホ・ジョンホ監督
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今年で12回目を迎える東京フィルメックス。この映画祭から育っていった監督たちも増え、またこの映画祭をきっかけに様々な交流が生まれ、新たな映画が作られるという幸せな循環も起こっています。ポスターにもあるように、「世界×日本×未来＝つなげる国際映画祭」を掲げ、今年も刺激的なたくさんの作品が紹介されます。
オープニングを飾るのは、韓国の鬼才キム・ギドク監督の最新作『アリラン』。本作は来年の公開が控えていますが、一足先に監督も来日。自身によるセルフドキュメンタリーでありながら、エンターテインメントの要素も持つユニークな作品は、今年のカンヌ映画祭・ある視点部門で最優秀作品賞を受賞しています。
そしてクロージングを飾るのは、フィルメックスの常連、ジョニー・トー監督の最新作『奪命金』。金融危機を背景に、リッチー・レン（写真の女性は妻役のミョリー・フー）、ラウ・チンワン、デニス・ホーらが予期せぬ出来事に巻き込まれていく傑作群像劇となっています。いずれもチケットは大人気で、前売券は即完売しましたが、ぜひ当日券をゲットしてください。
今年の審査委員長をつとめるのは、イランのアミール・ナデリ監督。現在はニューヨークを拠点に活躍する監督ですが、そのナデリ監督が日本を舞台に撮影した最新作が12月に公開を控えている『ＣＵＴ』。そして、主人公を演じる西島秀俊とナデリ監督が初めて出会ったのが、この東京フィルメックスなのでした。本作は東京フィルメックスで生まれたと語るナデリ監督。「未来の多くの重要な映画作家が、ここから出てくると信じている。間違いない」
『ＣＵＴ』は特別招待作品として、東京フィルメックスで一早く上映されます。もちろん、西島秀俊さんも応援に駆けつける予定です。
コンペティション部門では、社会的に抑圧されている人々がいかに強く生きていくか、という内容の作品が集っているようです。特に注目したいのはワン・パオチャン主演の『ミスター・ツリー』と、ユン・ゲサン主演の『豊山犬』。また、2大演技派俳優のチョン・ジェヨンとチョン・ドヨンが主演したアクション・コメディ『カウントダウン』は韓国でもできたての作品。ホ・ジョンホ監督のデビュー作です。
今年は東日本大震災の年として、震災直後の福島を撮影したドキュメンタリー『無人地帯』も上映されます。監督はいつもアモス・ギタイ監督の通訳を担当している藤原敏史。その他、特別招待作品にも『オフサイド・ガールズ』の後、撮影禁止処分にあっているジャファール・パナヒ監督のセルフ・ドキュメンタリー『これは映画ではない』、ジャ・ジャンクーをはじめとする6人の監督によるオムニバス・ドキュメンタリー『我が道を語る』など、興味深いドキュメンタリー作品が揃っています。
■ラインナップの見方とご注意
＊上映会場は会場別に色分けされています。時間は上映開始時間です。
T印はゲストによるティーチ・イン、A印は舞台挨拶の予定がある回。（ゲスト情報は変更の可能性があります。）
＊最新情報については公式サイトをこまめにチェックしてください。
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アリラン ＊オープニング作品
Arirang（11年/韓国/91分）
監督・出演：キム・ギドク
山の中の一軒家で一人暮らすギドクの日常生活を描写するセルフ・ドキュメンタリー。自己の窮状をエンターテインメントとして昇華させた傑作。（＊2012年公開予定）
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20日：TCY 19:40T
Ｇ：キム・ギドク
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奪命金 ＊クロージング作品
Life Without Principle（11年/香・中/107分）
監督：ジョニー・トー
出演：リッチー・レン、ラウ・チンワン
ごく普通の生活を送っていた3人の運命が、ある事件をきっかけに絡み合い、突如巻き起こった金融危機の中で事態は思わぬ方向に展開する…。
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27日：YAH 17:10
27日：TCN 21:30
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これは映画ではない
This is not a film（11年/イラン/75分）
監督：ジャファール・パナヒ、モジタバ・ ミルタマスブ
映画製作、国外出国、マスコミとの接触を禁止されたパナヒ監督が今年3月に自宅で撮影。どんな状況でも映画を撮り続ける宣言ともとれる傑作。
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25日：YAH 13:20
26日：YAH 10:30
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ＣＵＴ
Cut（11年/日本/120分）
監督：アミール・ナデリ
出演：西島秀俊、常盤貴子
ニューヨークを拠点に活動するイランのアミール・ナデリ監督が初めて日本で撮った作品。＊12/17より全国公開予定。
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23日：YAH 18:00T
Ｇ：アミール・ナデリ
西島秀俊
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我が道を語る
Yulu（11年/中国/88分）
監督：ジャ・ジャンクー、タン・チュイムイ、チェン・タオ、チェン・ジーホン、ソン・ファン、ワン・ツーチャオ、ウェイ・ティエ
ジャ・ジャンクーが6人の若手監督を起用して製作したオムニバス・ドキュメンタリー。
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21日：TCN 21:15
26日：YAH 12:50T
Ｇ：ジャ・ジャンクー
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人山人海（11年/中・香/91分）
People Mountain People Sea
監督：ツァイ・シャンジュン
弟を殺した男の行方を探る男の行動を追いつつ、経済的発達の裏側にある中国のもう1つの現状を生々しく描く。主演は『孔子の教え』のチェン・ジェンビン。ヴェネチア映画祭で銀獅子賞受賞。
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19日：TCN 21:30T
27日：YAH 10:30
Ｇ：ツァイ・シャンジュン
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グッドバイ
Good Bye（11年/イラン/104分）
監督：モハマド・ラスロフ
潜伏中の夫のせいで当局から監視されている女性弁護士ヌーラは、妊娠のために弁護士資格を停止され、海外への出国を決意。だが、その行く手には様々な困難がたちはだかる。
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20日：TCN 21:15
22日：YAH 12:10
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フライング・フィッシュ
Flying Fish（11年/スリランカ/124分）
監督：サンジーワ・プシュパクマーラ
内戦時代のスリランカを舞台にした3人の主人公の物語。美しい映像と鮮烈なバイオレンス描写で内戦が人々の心を蝕むことに対する怒りを爆発させた驚くべき監督デビュー作。
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21日：YAH 15:20T
23日：TCN 21:15
Ｇ：サンジーワ・プシュパクマーラ
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オールド・ドッグ
Khyi Rgan/Old Dog（11年/中国/88分）
監督：ペマツェテン
年老いたチベッタン・マスチフを飼う老人の物語。頑固な老人と犬との関係を物語の中心に置きつつ、都市開発が進むチベットの現状とチベット民族の誇りを描き出すパワフルな作品。
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21日：YAH 18:50T
25日：YAH 10:50
Ｇ：ペマツェテン
サンジエ・ジアンクオ
（プロデューサー）
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ミスター・ツリー
Hello! 樹先生/Mr.Tree（11年/中国/88分）
監督：ハン・ジェ
出演：ワン・バオチャン
鉱山の村に住む若者を主人公に、都市化が急速に進行する中国の地方の現状を描写した作品。上海映画祭で審査員特別大賞と監督賞をダブル受賞。
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23日：YAH 12:20T
25日：TCN 21:15
Ｇ：ハン・ジェ
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独り者の山
Bachelor Mountain（11年/中国/96分）
監督：ユー・グァンイー
中国黒竜江省の山岳地帯に暮らす人々の生活を追ったドキュメンタリー。12年前に妻を失い、木こりとしての職も失ったリャンツーは、宿屋で働いているメイツーに思いを寄せるが…。
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22日：TCN 21:15
24日：YAH 15:00T
Ｇ：ユー・グァンイー
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ムサン日記〜白い犬
The Journals of Musan（10年/韓国/127分）
監督・出演：パク・ジョンボム
北朝鮮から韓国に移住してきた若者の日常を驚くべきリアリズムで描くパク・ジョンボム監督デビュー作品。脱北者たちが韓国で直面する厳しい現実を様々な側面から描き出す。
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22日：YAH 18:10AT
Ｇ：パク・ジョンボム
カン・ウンジン
ジン・ヨンウク
ソ・ジンウォン
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豊山犬
Poongsan（11年/韓国/121分）
監督：チョン・ジェホン
出演：ユン・ゲサン、キム・ギュリ
南北朝鮮の国境を密かに行き来しながら物資を運ぶ男が、亡命した北朝鮮高官の愛人イノクを脱北させるが、2人の間に恋愛感情が芽生える。
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22日：YAH 14:50T
24日：TCN 21:15
Ｇ：チョン・ジェホン
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カウントダウン
Countdown（11年/韓国/119分）
監督：ホ・ジョンホ
出演：チョン・ジェヨン、チョン・ドヨン
末期がんと宣告された男の命を救う唯一の方法は、10日以内に移植手術をすることだった。男はドナーの女詐欺師に近づくが…。
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20日：YAH 18:20T
21日：YAH 12:20
Ｇ：ホ・ジョンホ
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東京プレイボーイクラブ
Tokyo Playboy Club（11年/日本/96分）
監督：奥田庸介
出演：大森南朋、光石研、臼田あさ美
職場で喧嘩し町を離れた勝利は、東京にいる昔の仲間が経営する「東京プレイボーイクラブ」に身を寄せる。奥田庸介の商業映画デビュー作。
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25日：YAH 18:40AT
26日：TCN 21:15
Ｇ：奥田庸介
大森南朋
淵上泰史
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無人地帯
No Man's Zone（11年/日・仏/102分）
監督：藤原敏史
原発事故後の福島で撮影された作品。被災地にとどまり続ける人々、避難で故郷を追われる人々の言葉から、福島の現状を浮き彫りにしようとする真摯なドキュメンタリー。
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25日：YAH 15:30T
Ｇ：藤原敏史
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東京フィルメックス 2010｜2009｜2008｜2007｜2006｜2005｜2004
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更新日：2011.11.28
●back numbers
■会場リスト
TCY：TOHOシネマズ有楽座
YAH：有楽町朝日ホール
TCN：TOHO シネマズ日劇
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■チケット情報
全席指定・各回入替制
前売券
・1回券/1300円
・平日3回券/3300円
当日券（指定席）
・一般/1700円
・学生・サポーター会員
/1300円
＊学生証・会員証提示
●前売発売期間：11/3-17
場所：チケットぴあ各店舗
サークルKサンクス
●電話予約：
0570-22-9999
チケットぴあ（24時間）
●オンライン購入
チケットぴあ(24時間）
＊3回券は15日で終了
■トークイベント
字幕翻訳講座3
字幕翻訳家になれる人、
なれない人
11/25（17:30-18:30）
Ｇ：齋藤敦子
/字幕翻訳家、映画評論家
イラン映画作家たちの現状
11/26（11:50-12:20）
Ｇ：市山尚三
会場：有楽町朝日ホール
スクエアB（入場無料）
■その他の特集上映
限定！川島パラダイス♪
・とんかつ大将（52）
Ｇ：崔洋一
・昨日と明日の間（54）
・愛のお荷物（55）
・洲崎パラダイス 赤信号（56）
Ｇ：寺島進
特別上映：木下惠介
・お嬢さん乾杯（49）
相米慎二のすべて
1980-2001 全作品上映
＊上映後トークイベントあり
・翔んだカップル（80）
Ｇ：鶴見辰吾
・セーラー服と機関銃（81）
Ｇ：黒沢清
・ションベン・ライダー（83）
Ｇ： 永瀬正敏
・魚影の群れ（83）
Ｇ：伊武雅刀
・台風クラブ（85）
Ｇ：三浦友和
・ラブホテル（85・R18）
Ｇ：寺田農
・雪の断章/情熱（85）
Ｇ：（未定）
・光る女（87）
Ｇ：武藤敬司、三枝成彰
・東京上空いらっしゃいませ（90）
Ｇ：笑福亭鶴瓶
・お引越し（93）
Ｇ：田畑智子
・夏の庭 The Friends（94）
Ｇ：河合美智子
・あ、春（98）
Ｇ：佐藤浩市
・風花（01）
Ｇ：浅野忠信
会場：東劇
チケット：当日券
・一般/1300円
（相米特集は1500円）
・学生・子ども・シニア・
サポーター会員/1000円
＊学生証・会員証提示
●お問合せ
東京フィルメックス事務局
TEL/03-3560-6394
公式サイト
受賞結果
●最優秀作品賞
オールド・ドッグ
監督：ペマツェテン
●審査員特別賞
（コダックVISIONアワード）
ムサン日記〜白い犬
監督：パク・ジョンボム
●スペシャル・メンション
ミスター・ツリー
監督：ハン・ジェ
無人地帯
監督：藤原敏史
●観客賞
アリラン
監督：キム・ギドク
●学生審査員賞
東京プレイボーイクラブ
監督：奥田庸介
●タレント・キャンパス・トー
キョー2011最優秀企画賞
Songs of The Mulberries
監督：シャン・ヅオロン
●スペシャル・メンション
The Boy in White
監督：アフィク・ディーン
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