新レーベル「GOLDEN ASIA」の第一弾作品に選ばれたチャウ・シンチー監督(中央)
2014.7.22 グランドハイアット東京
昨年のインド映画『きっとうまくいく』の大ヒットが転機となり、アジアとの国際共同制作を進めている日活と、ジャッキー・チェンからサタジット・レイまで、エンタメとアートの両方でアジア映画を発信し続けてきた東宝東和ががっつりと手を組み、「アジア諸国と日本の文化の架け橋として、アジア&各国の第一級作品を日本の映画ファンに提供する」をコンセプトに掲げた、アジア映画最強のレーベル「GOLDEN ASIA」が誕生しました。
レーベル発足の記者会見では、日活の佐藤直樹社長(写真左)と東宝東和の松岡宏泰社長(写真右)が登壇。双方の強みを活かして、アジアそれぞれの国で興収成績第一位を獲得・映画賞を受賞などの実績がある選りすぐりの作品を紹介するだけでなく、アジアの優れたクリエーターたちとの合作も計画。勢いのあるアジアの国々の才能と連携して、面白い作品を提供していきたいと抱負を語りました。
その「GOLDEN ASIA」の記念すべき第一弾作品に選ばれたのが、11月に全国公開予定の『西遊記〜はじまりのはじまり〜』。昨年の中国で興行成績トップを記録した、チャウ・シンチー(周星馳)の監督による最新作です。当日はチャウ・シンチー監督も来日して登壇。両社長と握手を交わした後、第二部として、チャウ・シンチー監督の来日記者会見が行われました。今回は08年に『ミラクル7号』のプロモーションでシュー・チャオと来日して以来、6年ぶりです。
監督「日本の皆さん、こんにちは。しばらく日本へ来ていませんでしたが、また皆さんとお会いできてとてもうれしいです」
司会「ゴールデンアジアの第一弾として『西遊記〜はじまりのはじまり〜』が選ばれましたが、ご感想は?」
監督「皆さんなかなか、お目が高いですね。この映画を選ばないで、どの映画を選ぶっていうんですか(笑)」(拍手)
ここからは、司会の伊藤さとりさんによる代表質問が続きます。
司会「日本でも馴染みのある『西遊記』ですが、どうやって映画化を思いついたのか、映画化に着手するまでの経過を教えてください」
監督「実は『西遊記』は僕がずっと大好きな作品で、以前からぜひ撮ってみたいと思っていたんです」
司会「キャスティングはすぐに決まったのでしょうか?」
監督「キャスティングはすごく順調でした。映画をご覧になるとわかりますが、いろいろな役柄の方々が素晴らしい演技をしています」
司会「監督の作品は主人公だけでなく、周りのキャラクター全員が個性的でチャーミング。今回もそうですが、今、 日本でも人気のある妖怪のキャラクターが個性的です。これはどうやって生まれたのでしょう?」
監督「これらはもともと『西遊記』の原作にあったものです。三蔵法師が3人の弟子を連れてお経を貰いにいきますが、3人の弟子はもともと妖怪だったので、そこからヒントを得ました」
司会「そのストーリーがとてもオリジナリティに溢れていて、アクションも満載でキャラクターもチャーミングです。どのように作っていかれたのですか? また、脚本を作るのに、どのくらの期間がかかりましたか?」
監督「95年に最初の『西遊記』(チャウ・シンチーが製作総指揮&主演、ジェフ・ラウが監督した『チャイニーズ・オデッセイ Part1 月光の恋』と『Part2 永遠の恋』)を撮ったのですが、その後で、どういう風にすればもっといいものを撮れるか、いろいろ考えました。『西遊記』にはいろいろな要素が含まれているので。脚本に関しては、大体10年くらいかかっています」
ここからは記者による質疑応答を、項目ごとにまとめてご紹介します。
●作品について
Q:映画はクランクインした時のイメージ通りに完成しましたか?
監督「最初に撮り始めた頃は、うまく撮れるか心配でドキドキしていましたが、実際に撮り終えたら、すごく満足のいく出来でした。役者に関しても、アクションに関しても、物語も、自分で思っていた以上のものが撮れたので、とてもうれしいです」
Q:かなり大変な現場だったと思いますが、大怪我はなかったですか?
監督「安全措置はかなりしっかりしていたので、怪我をした人はまったくいませんでした」
続きを読む P1 > P2
|