イ・ジウンは今回、赤ちゃんを赤ちゃんポストに預ける母親という難しい役どころを演じました。
ジウン「これまでドラマに出演したことはありましたが、長編映画は初めてで、そこは挑戦でした。私が演じたソヨンは、様々な設定があってキャラクターを説明する修飾がいっぱいある人物でした。このいくつもの設定を立体的に表現できるようにと、監督とも話し合いながら演技しました」
イ・ジュヨンはペ・ドゥナと共に彼らを追う刑事役を演じています。
ジュヨン「私も是枝監督の大ファンでしたし、先輩の俳優のみなさん、普段から気になっていた俳優さんとお仕事することができたので、現場で多くのことを学んで、感じるという姿勢で臨んでいました。プロモーションも含めて素晴らしい経験を積めたと思いますし、私にとって長く忘れられない思い出になる作品だなと思います」
是枝監督は、ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ペ・ドゥナの3人に関しては以前から面識があり、プロットの時点であて書きをしたことを明かしましたが、イ・ジウンとイ・ジュヨンの2人に関しては?
監督「コロナ禍で家で韓国ドラマにハマって、そこで見て本当に『うわっ!』と印象に残った2人にお声がけしました」
イ・ジウンはアーティストのIUとして韓国はもちろん、日本でも絶大な人気を誇っています。
監督「昔からのファンのみなさんには申し訳ないです。僕はにわかファンなので…(苦笑)。夢が叶って、理想的な、思い描いたとおりのキャスティングが実現して、僕が一番幸せな現場でした」
ジウン「実は、監督が音楽や作品を通じて私のことを知る前に、一度、韓国で監督を見かけたことがあったんです。その時、私は監督のファンでしたが、監督は私のことを知らない状況だったので、挨拶したいと思いつつ、出来ずに通り過ぎました。それから1年以上が経って、監督の作品に参加できて、私の音楽も知っておられるということで、すごく不思議な気分です」
ジュヨン「私は大学にいて、まだ映画のことを学んでいた頃に、監督の作品を見に行くような普通の学生でした。数年たって、監督が私の出演した作品を見て、私という女優を知っているということ自体、不思議な経験であり、すごく幸せです」
今回の来日にあわせて多くのファンが空港で彼らを出迎えました。
ソン「成田空港に降りた時、イ・ジウンさんは日本でも有名なスターですし、日本の多くのファンが来るだろうと聞いていましたが、実際に100人を超えるファンが集まったそうです。でもカン・ドンウォンさんを見るために集まったのは3人だったそうです。ちなみに、私は5人来てくださっていました(笑)。なので、とても気分が良い1日になりました!」
茶目っ気たっぷりに語るソン・ガンホに、カン・ドンウォンも観客と一緒に爆笑。
監督「大体、現場はいつもこんな感じで、ソン・ガンホさんがカン・ドンウォンさんをイジって楽しむんです。僕は大好きです(笑)」
最後に、キャストを代表してソン・ガンホと監督がご挨拶。
ソン「この映画は、日本の監督と韓国のキャストが一緒に作ったということが大事というよりは、日本人であっても、韓国人であっても、私たちが生きている社会の中の私たちの姿、私たちの隣人の姿、また人生の価値が描かれた作品となっています。国を越えて、誰にとっても共感できる温かい物語だと思います。みなさんにもその思いを受け取って、共感していただける、そんな意味ある時間として記憶されてほしいと願っています。ありがとうございました」
監督「6年前に書いたプロットは実はすごくシンプルな話でしたが、映画を撮るために韓国に渡って、ベイビーボックス(赤ちゃんポスト)の周辺の人たちへの取材を重ねたのが、とても良かったなと思っています。取材をすればするほど、この物語が人間の命をどう考えるべきか?それを登場人物たちが悩む話だなと。ちょっとずつ、最初に思い描いた話から変わっていきました。撮影を始めてからも、変わっていくというプロセスを経て、今日、みなさんに観ていただく作品になってます。僕の映画はいつもそうかもしれませんが、明快な答えが最後に待っているというより、登場人物たちと同じように観た方たちも旅を続けながら、一人の赤ちゃんの運命を一緒に考えていただけたらうれしいです。楽しんでください」
どんな生であっても、生まれたことは祝福されるべきだし、産んでくれた母親に感謝したい、という許しと命への讃歌に溢れた『ベイビー・ブローカー』。ぜひ、劇場でご覧ください。
(本文素材&写真提供:ギャガ)
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