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ASICRO FOCUS file no.259

『プアン/友だちと呼ばせて』公開直前トークイベント

2022年8月2日 新宿武蔵野館

 『プアン/友だちと呼ばせて』の公開を記念して、タイNo.1の呼び声高い監督のバズ・プーンピリヤが4年ぶりの緊急来日。ウォン・カーウァイとの映画作りなど、制作秘話をたっぷりと語りました。さらに、監督の前作『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』の大ファンでもある映画大好き芸人こがけんさんがタイの民族衣装で登壇し、ほとばしる『プアン』愛を炸裂。本作の内容にちなんだ元カノエピソードも飛び出し、会場を沸かせました。
(以下、アジクロも取材に参加したので、オフィシャルレポートに加筆しております)

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左よりこがけん、バズ・プーンピリヤ監督

 会場には、前作『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』の舞台挨拶にも参加していたという熱烈なファンも参加。盛大な拍手に包まれ、バズ・プーンピリヤ監督が登壇します。

 監督「温かい歓迎をありがとうございます。日本が大好きで、人や文化や街が好きなので、また日本に戻って来られてうれしいです」とにっこり。

 今回は巨匠ウォン・カーウァイのプロデュースということで、その経緯を聞かれると

 監督『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』を気に入っていただけて電話をくださり、お話をいただいてすぐに承諾し、香港に行きました」

バズ・プーンピリヤ監督

監督もなかなかのイケメンです
 と巨匠からのラブコールだったことを告白。映像や演出など、話されて印象に残っていることは?

 監督「たくさんのことを学びました。特に考え方で、監督というのはアーティストなんだなと実感しました。今まではいただいたテーマを元に映画を作ってきたのですが、個人的なことを映画にしても観客に届くんだなということがわかりました」

 主演2人のキャスティングについて

 監督「ほとんどタイ全土の男性俳優から選んだといっても過言ではないですね。オーディションテープを見てこの2人に決めました。ほんとうにこの役のために生まれてきたようでした。実際に演技を見せてもらったら、想像以上に素晴らしい演技で、トーさんとアイスさんに感謝しています」と、大絶賛。

 物語の重要なアイテムとなるカクテルに関しては

 監督「元々お酒が大好きで、ちょうどこの映画製作をしている時に、バンコクに自分のバーをオープンする計画が進んでいたので、自分の人生で好きなものを映画にも取り入れました。実際撮影でも使用しています」

 ここで、監督の前作の大ファンで本作にも心底惚れこんだという映画大好き芸人こがけんが、タイの正装スア・プララチャターンを着て登場!「サワディー・カップ!」とタイ語でご挨拶。まずは、衣装について

こがけん

お笑い芸人のこがけんさん
 こがけん「そうです、皆さんご存じのスア・プララチャターンです。タイシルクというくらいなのでシルクが織り込まれててめちゃくちゃ軽くて着心地がいいです」

 と意気揚々。ところが、監督自身は着たことがないと言われ「着てないんかい!」と思わず突っ込み。あまりに似合うこがけんは自ら「監督の付き人にしか見えない」と笑いを誘いました。映画の感想を聞かれると

 こがけん「エモすぎて、オーマイガー! 死ぬまでにやりたいことムービーなんですけど、前半ウードの話だと思ってたら中盤から急にボスの話が立ち上がって、舞台もタイからNYに移って、見え方がガラッと変わる。さすが『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』の監督! 主人公の死は避けられないと思うんですが、そこにゴールが設けられてなく、違うところにゴールがあって、そのゴールが悲しいものではなく希望に満ち溢れてるというのが、この作品のほんとうに素晴らしいところだなと思います。

 前作は実話がベースでしたが、製作総指揮のウォン・カーウァイさんは、パーソナルな作品を撮った方がもっと素晴らしいものになるのではないかと思ったんだと思います。それに、ウォン・カーウァイの特徴であるネオンの色やカラフルな色彩。テープに元カノの名前が書いてあって、それで章立てしているのも、ウォン・カーウァイの助言によって出てきた演出なのかなと。

こがけん2

身振りも交えて熱弁中
 それから、ヌーナーという元カノのところで、女優のヌーナーが演じているセリフがそのままそっくり、自分の経験だったり、過去に身につまされるようなことを言っているわけですよ。演技で銃を撃つのですが、その弾がウードに命中して胸から血を流すというファンタジーの演出があって、バランスが素晴らしいんです。素晴らしい化学反応が起こっていると思いましたね。安っぽくないギリギリ感にセンスを感じます」

 と興奮して熱烈プレゼンを繰り広げました。

 もし、こがけんがウードの立場だったら、元カノに会いに行くか?との問いには

 こがけん「行かないですよ。元カノに会いに行くってめちゃくちゃ身勝手な行為。家庭もあるだろうし、結婚してる人がほとんど。わからないですけど、居場所を突き止めて会いに行くとか、僕の場合は通報されて終わりですよ。最初はそれがずっと違和感だったんですけど、それが見事に回収されていくというのはほんとうに凄いなと思いました」

 さらに自身の経験を振り返り

 こがけん「去年、郷里の久留米のふるさと大臣(観光大使)に選ばれまして、そのイベントに来ていたのが全員、自分の小・中・高の知り合いで、最後に記念品を渡してきたのがまさかの元カノでした! 久しぶりに言葉を交わしましたが『このような依頼は、断るときはマジで断らないといけないよ』って言いました。市役所がそんなサプライズを仕掛けてくるなんて…」

こがけん&バズ監督

 とびっくりエピソードを披露。そして、監督に「映画での元カノ描写は、自分の実際の元カノをモデルにしてるんですか?」質問。

 監督「ほんとうです。テーマでもあるので、ウォン・カーウァイさんと話した時に、ちゃんとリサーチして元カノとしゃべってこなきゃ、と言われました。元カノに会った時の実際の経験が、映画の通りなんです」と衝撃発言。

 こがけん「そりゃそうですよ。アリスだけですよ、いい感じだったのは。ほかは全部微妙でしたから。これ、全部成功してたら嘘じゃないですか」

 監督「元カノに許可をとろうと思った時に、会う前は久しぶりだからOKしてくれるかなと気楽に考えていたんですが、まったく期待通りじゃなかったです。映画そのままでした。だから、さっきウードを非難していたのは、私を非難したのと同じなんです(笑)」

こがけん&バズ監督2

 と、逆つっこみに「ちょっと待ってください」と焦るこがけん。「ゴメンネ」と日本語で謝る監督もチャーミング。

 さて、この日のために「プアン」ネタを用意してきたこがけんさん。まずは、自己紹介を兼ねたおなじみの「ハリウッドモノマネ」を披露。「バーで自分の奥さんの文句を言っていたら、入口でこちらをにらみつけながら立っている奥さんを見つけた時の男」のネタを展開するも、監督からは微妙な反応。続けて、映画のワンシーンで「ウードを元カノに会わせるために、バイクに乗った若者を買収するボスのやたらスタイリッシュなお金の渡し方」を披露すると、会場は拍手喝采。監督は「こっちのほうがおもしろい!」とコメント。こがけんさんも報われたようで、会場から一層の笑いがおきました。

こがけんネタ ネタ元シーン

 最後にメッセージをいただきました。

 こがけん「青春のロードムービーだと思っていたら、まさかの展開。さすが『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』の監督だなと思いました。ちゃんと仕掛けが待っている。こんなにワクワクしたことはないし、『うわっ!映画だ!』って思ったんです。映画でやれるすべてが詰まっていて感動しました。ぜひ、みなさんにこの映画を体験して欲しいです」

 監督『プアン/友だちと呼ばせて』をどうぞよろしくお願いします。この映画の旅を、皆さん一緒に楽しんでください」

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 なお、バズ・プーンピリヤ監督は8月6日(土)に都内の劇場を回り、舞台挨拶を行いました。渋谷シネクイントでのトークイベントオフィシャルレポートも、ぜひご覧ください。


▼撮影裏話 | ▲8.2 イベント | ▼8.6 イベント   ▼作品紹介 ▼公式サイト ▼予告編
更新日:2022.8.8
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イベント情報
日時:8月2日(火) 18:43-19:20
   (*上映終了後)
場所:新宿武蔵野館
登壇:バズ・プーンピリヤ監督
   こがけん(お笑い芸人)
通訳:高杉美和
ミュージック情報
映画を盛り上げる
サウンドトラック・アルバム


大人気タイドラマ「I Told Sunset About You〜僕の愛を君の心で訳して〜」「I Promised you the Moon 〜僕の愛を君の心で訳して〜」の劇伴を担当したアーティスト/プロデューサー、Vichaya Vatanasapが手掛けた本サントラは、STAMPによる主題歌「Nobody Knows」はもちろんのこと、予告編にも使用されている「Whiplash」や、劇中を彩るエルトン・ジョンやキャット・スティーヴンスの楽曲も収録した、どっぷりと浸れること間違いなしの作品となっている。

OST

*7/22より配信中
(Universal Music)

収録曲:

01:9PM
  /Pisut Pratheepasena
02:Whiplash
  /OFTR Jazz Section
03:The Calling
  /Vichaya Vatanasapt
04:Low Crab Pisut Pratheepasena
05:ONE
  (IN THE LONELIEST NUMBER)
  /Three Dog Night
06: Alice’s Dance
  /Vichaya Vatanasapt
07:BESAME LECHUGA
  /Julian Cary
08:Tiny Dancer
  /Elton John
09:Symphny No.4
  /Hualampong Riddim
10:Noona‘s Tears
  /Vichaya Vatanasapt
11:DREAMER
  /Roger Hodgson
12:After The Rain
  /Vichaya Vatanasapt

13:The DJ
  /Vichaya Vatanasapt
14:Father And Son
  /Yusuf/Cat Stevens
15:Pataya
  /Vichaya Vatanasapt
16:JULIAN‘S LOVE SONG
  /Julian Caly
17:TIME IS ON MY SIDE
  (instrumental)
  /Hualampong Riddim
18:Prim
  /Vichaya Vatanasapt
19:NYC
  /Vichaya Vatanasapt
20:We Do Nothing
  /Pisut Pratheepasena
21:Fading Beam
  /Julian Cary
22:The Message
  /Vichaya Vatanasapt
23:Nobody Knows
  /Apiwat Ueathavormsuk
   (STAMP)
  &Christopher Chu
日本版主題歌もリリース

主題歌「Nobody Knows」を歌うSTAMPが自らセルフカバーし、フューチャリングアーティストに向井太一を迎えた日本語版「Nobody Knows(Japanese ver)feat.向井太一」をリリース。

日本版主題歌

*8/5より配信中