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asicro interview 20

更新日:2007.12.23

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15年ぶりの公式来日となったポール・ウォン
香港ロック界のカリスマ
15年ぶりの来日ステージ
 −ポール・ウォン(黄貫中)

 東京国際映画祭の協賛企画としてスタートし、今年で4回目を迎えた東京アジア・ミュージックマーケット(TAM)。その海外アーティストゲストとして、香港からポール・ウォン(黄貫中)が来日しました。ポール・ウォンといえば、香港で最も成功したロックバンド、Beyond のボーカル兼ギタリスト。ソロのロック・ミュージシャンとしても活躍し、今や香港ロック界の重鎮にして、若いミュージシャンから尊敬されるカリスマ・アーティストとなっています。日本では実に15年ぶりとなるライブの当日、短い間でしたが、会場で貴重なインタビューをすることができました。香港ロック界を牽引するポールの、熱い思いをご紹介します。

アジクロポール

リハーサルが終わられたばかりですが、いかがでしたか?

 ポール「すごく順調でした。メンバーもかなりの経験を持っているのがわかるので、この後の本番がうまくいって、楽しい夜になればと思います」

今回はひさしぶりの公式来日ですね。

 ポール「この前の日本でのステージは、なんと15年前でした。その時は、ゲスト出演で、あっという間に過ぎてしまいました。今回、日本へ来て街をぶらぶらしてみると、いろんな思い出が込み上げてきます。この機会に、日本の皆さんに僕の音楽を聴いてもらい、楽しんでもらいたいです」

今夜のステージはどんな風にしたいですか?

 ポール「とてもシンプルなロックスタイル。僕自身、そういうのが好きなんです。あまり小細工をしたりするのは好きではないので、ストレートに音楽を楽しんで欲しいです」

もともとはデザイナー出身だそうですが、音楽は昔からやっていたのですか?

 ポール「どうして音楽をやっているのかは、よくわからないのですが、音楽は言葉で表現できないものを表現できます。たとえば、自分でデザインを考える時、普段はグラフィックデザインなんですが、構図とか画面だとか、そういうのをやっていても、なんとなく人間の人生や命についての何かを表現しようとすると、言葉や絵ではうまく表現できない。だけど、音楽なら表現できる、という可能性を発見したのです。さらに、音楽を通じていろんな記録を作ることができるし、それは他の媒体ではなかなかできない。だから音楽を選びました。というよりも、ロックミュージックが僕を選んだ、と言った方が正しいかも」

音楽は自分を表現する方法の1つなんですね?

 ポール「道具ですね。もともと音楽は好きで、最初に触れたのはクラシックでした。今も大好きですが、自分を表現する時に選ぶ音楽言語は、やはりロックでしょう」

Beyond でやる時と、ソロでやる時の、創作上での違いはありますか?

 ポール「違いはたしかにあります。違う人と仕事をする時は、違う化学反応が起こりますから。でも、自分自身では、あえてソロの時とグループの時との違いは意識せず、むしろ、共通点を考えていますね。つまり、グループでもソロでも、そこでできた音楽はどれも大好きだということです」

これまでにいろんなアーティストに曲を提供したり、新人ミュージシャンをサポートしておられますが、オススメのアーティストは?

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ロックなポーズをとお願いすると…
 ポール「香港では、Audio Trafficと秋紅というバンドがいいです。残念ながら、彼らは香港ではあまり知られていませんが、中国大陸ではわりと知られています。僕の希望としては、こういった若い人たちには、ずっとアンダーグラウンドで活躍するのではなく、もっとどんどん前面に出てもらって、ロックというのは実はとてもポピュラーで、誰でも楽しめる音楽なんだとアピールして欲しい。そういう形で活躍して欲しいと思ってます」

今後の Beyond としての活動予定と、ソロとしての活動予定を教えてください。

 ポール「明日のことがわからないように、Beyondがまた集まるかどうかは、自分でもわかりません。僕としては、Beyondは大好きだし、Beyondの歌も大好きなので、仮にまた一緒にやれなくても、ソロで機会があれば、Beyond時代の歌を歌いたいです。いい思い出をたくさん残してくれた音楽なので。個人的な予定としては、ロックミュージックが大好きなので、ロックバンドがもっと活躍できる場を作って応援したい。いつも思うんですが、皆さんはカラオケが好きですよね。でも、音楽はカラオケだけではない。ジャンルは1つだけではなくて、ロックも立派な音楽です。だから、ロック関係のバンドがどんどん活躍できるような環境作りに、力を尽くしたいと考えています」

ぜひ、香港にライブハウスを作ってください。

 ポール「僕もそうしたいです(笑)」

 その後、いくつかの取材を受けた後で、いよいよ本番へ。インタビューで語ってくれた通り、ストレートでホットなステージを披露してくれました。さらに、この日のステージだけでは満足できず、21日の夜にも新宿のライブハウスに緊急生出演。もっと熱いステージを披露してくれたそうです。しなやかな感性と骨太なロック魂を持つ男、ポール・ウォンのかっこいい音楽をぜひ聴いてみてください。

(2007年10月19日 代官山UNITにて)


▼公演紹介ページ ▼2004年のウィング・イップ・インタビュー
●back numbers
Paul's Profile
ポール・ウォン
黄貫中/Paul Wong

1964年3月31日、香港生まれ。デザインの勉強をしていた時に Beyond のメンバーと知り合い、85年にギタリスト兼ヴォーカルとして加入。香港をはじめ中華圏で大活躍し、日本へも進出する。93年にリードボーカルの黄家駒が日本で他界したが、Beyond はその後も残された3名で活躍を続け、2005年に解散した。

2000年にはドラマーのジュン・コン(恭碩良)、LMFのJimmy、SolarのDinoと「汗」というユニットを組んでいる。2001年からソロアーティストとしても活動をはじめ、多数のソロアルバムをリリース。また、自らの制作会社「Polar Bear Studio」を設立。様々なアーティストに楽曲を提供したり、新人育成にも力を注いでいる。
ポールと映画
2006年にダニエル・ウーの初監督作『四大天王』に出演。香港の音楽業界について語っています。また同年の映画『My Mother is a Belly Dancer』の映画音楽も担当しています。
ポール関連サイト
黄貫中公式サイト(香港)
TAM公式サイト(日本)
ウィング・イップ(葉世榮)
 インタビュー(2004年)

solo discography
・Yellow Paul Wong(01)
・黒白(01)
・同根(02)
・Play It Loud(02)
・我在存在(04)
・狂人習作(06)
・我在存在(07) *北京語版
TAM at 代官山 Unit
2007.10.19

・季節
・[足采]界
・逃
・深紫色高[足争]鞋
・無得比

・阿博二世
飛入りライブ at 新宿 Marble
2007.10.21

・[足采]界

・深紫色高[足争]鞋
・無得比
・阿博二世

我在存在

我在存在(北京語版)
ソロとして初の北京語アルバム
全10曲ともポールの作詞作曲
2007.7.24リリース

狂人習作

狂人習作
TAMライブで歌った5曲を収録
2006.11.20リリース