梅蘭芳さんの若い頃にそっくりだそうですね。
ユィ「監督もそうおっしゃってました」
中国でも似ていると評判になっていますね。
ユィ「今の中国のほとんどの人たちは、梅蘭芳の若い頃を知らないので、それほどではありません(笑)。でも逆に、今の若い人たちがこの映画を観て、京劇に興味を持っていただいているようです」
先ほどお会いになった早乙女太一さんもそうですが、若い方が演ることで、伝統文化を伝えていくのはいいことですね。
ユィ「ほんとうにそうです。どんなに時代が変わっても、ほんとうにいいものは残していきたいので、若い人たちが受け継いでいってくれればと思います」
撮影中、気をつけて演じたところは?
ユィ「成長期を描いている部分だったので、人格が形成されていく過程や、だんだんと彼の演技が蓄積されていくところを注意して表現しようと思いました。特に、梅蘭芳をご存じの方でも、知っているのは後の名舞台であって、実際はいろんな人生の波があったと思います。そういうことを知っている人はあまりいないので、それをいかにわかりやすく表現するかに気を付けました」
映画俳優はこれからも続けますか?
ユィ「はい。テレビ、映画、舞台とすべてやっていきたいです。実は最近、ちょっと歌もやっていて、僕のブログ(余少群博客)で聴くことができます。『花の生涯 梅蘭芳』のために作った歌です」
CDを出す予定はあるのですか?
ユィ「シングルEPは出します」
日本との合作の噂もありますが、今後の予定を教えてください。
ユィ「そのお話もありますが、別の映画(『蓋世匹夫』)の話もあり、今年は多分すごく忙しくなりそうです」
初めての日本で楽しみにしていることは?
ユィ「ショッピング! それから、新宿のゴールデン街に行きました。いかにも日本らしいところを楽しみたいんです」
では最後に、映画の中で特にここは見せ場だという自分の場面を教えてください。
ユィ「一番好きな演目なんですが『牡丹亭』のシーンですね。チウ・ルーパイが初めて観て、唾を呑み込んでいた舞台。あそこの芝居が一番好きです」
時間が短かったため、駆け足のインタビューとなってしまいました。シャオチュンはやや高めのハスキーボイスなのですが、さすが舞台の人だけに割舌がよい。笑顔を絶やさず、とても聞き取りやすい北京語で、ハキハキと答えてくれました。元は男役(段)とあって、素顔はとても凛々しい好青年という印象です。初めての日本も楽しんでいるようで、好奇心いっぱいの少年という風情もありました。これからどんな姿を見せてくれるのか、次回作も楽しみ。まずは『花の生涯 梅蘭芳』で、その艶やかな舞姿と素直な演技をご堪能ください。
(2009年1月21日 ザ・ペニンシュラ東京にて)
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