アーロンと再び共演した『風雲II』の公開も待たれる
|
Q:日本の漫画やアニメが好きで、たくさんご覧になっているそうですが、映画になった感想は?
イーキン「今回、監督は単に漫画を映画化したのではなくて、人間性の描写により力を入れていると思いました。よく漫画を映画化する時は、ただ実写に置き換えるだけなんですが、崔監督はちょっと違います。映画を観た後、監督は漁民の生活をもっと撮りたかったんじゃないかと思いました」
Q:リアルな作品をたくさん撮っている監督なので、そのリアル感がよかったですね。
イーキン「すごく感銘を受けたのは、カムイが荒れた海に落とされ、流れ着いて助けられるところです。寒いので、子どもたちが裸で寝て体温で暖める。そういうやり方はとても原始的ですよね。とても面白いと思いました」
Q:そもそも、この映画に出ることになったきっかけは?
イーキン「実は日本にも私のマネージャーがいて、映画関係の人たちとよく話をしているのですが、今回はたまたまこの映画の製作サイドがキャスティングをしていて、この役の俳優を探しているという話を聞いたんです。それでマネージャーが推薦してくれて、監督のところへ行ったら、僕の写真を見て『この人知ってる、映画も観たことがある』と。それで決まったんです」
Q:監督の世界観と合ったんですね?
イーキン「僕も監督の作品を観ていて、『クイール』とかいい作品だなあと思っていたので、すごくやりたいと思いました」
Q:監督の印象はどうでしたか?
イーキン「大人に見えるけれども、けっこうやんちゃで子どもっぽいところもあります。でも、いつも力に満ちていて、活き活きしている。そして撮影となると、途端に戦争時の将軍役あるいは大統領役になって皆を統率していく、そういう監督ですね」
Q:谷垣健治さんがツイ・ハークとジョニー・トーを足して2で割ったような監督だと言ってましたが?
イーキン「どちらでもないですね。似ているところもあるけれど、崔監督は崔監督で第3のタイプ。似たタイプの人はいませんね」
Q:香港でもこの映画はヒットするのでは?
イーキン「宣伝のやり方にもよるでしょうね」
ここからは『カムイ外伝』を離れて、イーキンの今後の話題へ。
Q:秋に公開される映画とは『風雲II』のことですか?
イーキン「そうです。今は9割くらい編集が終わりました。撮影が終わって、僕が『カムイ外伝』に出演している間、彼らはCGを作っていました。CGは時間がかかるんです。素晴らしい映画ですよ」
Q:このところパン兄弟との仕事が多いですよね?
イーキン「前回(『ツイン・ショット』)は弟(ダニー・パン)の方でしたが、今回は兄(オキサイド・パン)とで、初めての仕事です」
Q:とても特徴のある監督ですよね。
イーキン「奇才ですね。物事の考え方が、普通の人とは違います」
Q:以前はヒーローや正義の味方的な役が多かったですが、最近は悪役やちょっと複雑な役柄にも挑戦してますね?
イーキン「普段から、役者は様々な段階を経て成長していくと思っているので、今の段階の自分は違う役をやるべきだと思うんです」
Q:『親密』も新鮮でしたね。
イーキン「あれは初めて出演した文芸作品です。監督(アイヴィ・ホー)も映画を撮るのが初めてだったし、とても楽しい仕事でした。やはりああいう映画は時間をかけてみたいので」
Q:今、役者としてノッてますね。
イーキン「いろんな役ができるようになりたいんです」
Q:コンサートの話が出ましたが、もう準備は始めているのですか?
イーキン「はい。12月16日から香港コロシアムでやります」
Q:日本でも公演して欲しいです。
イーキン「まず香港コロシアムでやって、その後で考えてみます」
Q:アルバムも準備しているんですか?
イーキン「実はこのプロモーションツアーが終わって香港に帰ったら、早速、制作会議を開きます。テーマもすでにありますが、今はまだ言えません」
Q:それはコンサートと連動したものですか?
イーキン「今、香港でアルバムを出すということはプロモーションの意味合いが大きいんです。次のコンサートのプロモーションの一環になると思います」
ということで、イーキンが的確ににポンポンと応えていくので、当初用意していたよりたくさんの質問をすることができました。この後、イーキンは『カムイ外伝』公開直前に再び来日し、9月12日には文化放送アジアンパラダイス主催の「関谷元子のワンダーランドアジア」にゲスト出演。その後、19日からの映画公開に向けて、舞台挨拶やPR活動にも登場予定です。ファンの皆さんには、年末のコンサートや『風雲2』の公開も楽しみなところ。ノッてる男、イーキン・チェンの今後の活躍と成長を見守っていきたいと思います。
hair stylist:栢木進/susumu kayaki
(2009.7.4 グランドハイアット東京にて、2媒体合同インタビュー)
前頁を読む P1 < P2 ▼香港ウィーク・トークショー ▼作品紹介
|