●女の子は男の子よりも早く大人になる
Q:でも、大好きな武術がきっかけとなって、初恋の方と別れることになりましたね。
監督「そうなんです(笑)」
7人の高校生たちの10年を描く『あの頃、君を追いかけた』
(c)Sony Music Entertainment Taiwan Ltd.
Q:これについては、なにか感慨がありますか?
監督「女の子は男の子よりも、成長がずっと早いですね。早く大人になっていきます。男の子は遊びやゲームのような世界の中に、女の子よりもかなり長い期間いたがる。例えば、男の子は好きな女の子の髪の毛を引っぱっりたがりますよね。好きでない、どうでもいい女の子の髪の毛は引っぱらない。好きな女の子にちょっかいを出して、一緒に遊んだりしたいから、髪の毛を引っぱるのです。
女の子はというと、最初は振り向いて一緒に遊んでくれる時もあります。その時は、その女の子もまだ子どもで一緒にいられますが、ある日突然、髪の毛を引っぱった時に、彼女が『ああ(ため息)…まったく、あんたちは』と言った時、彼女はすでに成長し始めていて、僕らとは違う世界に行ってしまうのです」
Q:(映画を思い出しながら)せつないですね〜。冒頭のシーンで、コートンの部屋にチアイーのボールペンの青い染みがついた制服が飾ってありますが、あれはほんとうに持っておられたのですか?
コートンの部屋に飾ってある制服
(c)Sony Music Entertainment Taiwan Ltd.
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監督「僕が持っているのはあれではありません。高校を卒業する時、皆、制服にサインをしますよね? その服は持っていますが、あのポツポツとした染みはありません」
Q:では、あれは映画的な演出だったのですね?
監督「そうです。思い出の制服として持っているのは、たくさんの友人たちがサインしているから字でいっぱいなんです。それだと、映画の小道具としてはちょっと。観客にとっても、興味が引かれないと思い、ああいう形にしました」
●理想の女性ミシェル・チェン
Q:チアイー役のミシェル・チェン(陳妍希)さんは、監督が気に入った理想の女性ということですが、どういう部分が特に気に入られたのですか?
監督「(ちょっと考えて)ミシェル・チェンさんは同じ会社(台湾コミックリズ・プロダクション)の女優さんです。彼女が会社に入った最初の週だと思いますが、会社にやって来ると、ちょうど僕のそばに座って雑誌をパラパラとめくっていました。次に着る衣装のために、ファッションページを見ていたと思います。その時から、素敵な娘だなと思っていたのですが、当時の僕はなかなか言葉がかけられませんでした。その後も話をする機会がなく、そのまま数年が経ってしまいました。
男の子たちを悩殺するチアイーのポニー・テール
(c)Sony Music Entertainment Taiwan Ltd.
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それから、自分の家を新築した時にパーティを開いたのですが、パーティがお開きになってミシェルを5階から1階まで送っていく時に、エレベーターの中で二人きりになったのです。僕はとても緊張して、いい加減で適当な話をしていました。すると突然、彼女が驚いて『だめ!そんなことをしたら怪我するわよ』と言ったのです。何をしていたかというと、自分の鍵で左の耳をくるくるかき回してたんですね。とても危ないことをしていた。そのくらいのぼせてたというか、テンパってました(笑)。何を話していたか、何をしていたかもわからないくらい好きになってました(笑)。
その好きという感覚でキャスティングをして、自分が青春時代に好きだった女の子を、今好きなミシェル・チェンさんに演じてもらいたいなと思ったのです」
Q:では、撮影中はお幸せでしたね?
監督「とても特別で、幸せでしたね。皆、僕がミシェルのことを好きだと知ってるし、もちろん他の皆も彼女のことが好きだし。だから、ミシェル・チェンさんのために、いい作品にしたいと思いました(笑)」
(次頁へ続く)
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