デビュー作で世界から注目されたガウリ・シンデー監督
|
エキサイトできるテーマを 撮っていきたい −ガウリ・シンデー
昨年のあいち国際女性映画祭で日本初上映されたインド映画『マダム・イン・ニューヨーク』が、6月28日よりいよいよ公開となります。平凡な家庭の主婦が、コンプレックスであった英語を克服することで、輝きと自信を取り戻す本作は、多くの女性たちの共感と支持を得て大ヒット。国民的大スター女優のシュリデヴィが、15年ぶりに復帰して主演を演じたことでも話題となりました。
この『マダム・イン・ニューヨーク』で一躍注目され、多数の新人監督賞を受賞したのが、本作で長編デビューを果たしたガウリ・シンデー監督。ウディ・アレンが大好きで、ニューヨークでも仕事をした経験のある彼女の脚本は洗練されており、同性ならではの細やかな視点で主人公の心情を描いています。そのガウリ・シンデー監督に、昨年9月の来日時、単独インタビューをすることができました。
●日本初上映の反応とテーマについて
Q:あいち国際女性映画祭で初上映されましたが、観客の反応や感想をお聞かせください。
監督「素晴らしかったです。上映が終ったら予想外の反響で、たくさんの日本の女性や男性の観客からも『この映画を作ってくれてありがとう』と感謝され、心の交流ができました。Q&Aも行われたのですが、すごくたくさんの方に囲まれて質問され、どんなにこの作品が好きかを話してくれて、とてもうれしかったです」
Q:この映画はお母さまに捧げられていますね?
監督「母のために作りました。母からインスピレーションをもらったので。また世界中のすべての母親や、母親にひどいことを言って傷つけてしまった娘たちのための映画でもあります。この映画を通じて、母への感謝や謝罪の気持ちを伝えられればと願っています」
Q:インドの英語教育はどうなっているのですか? インドの方は皆、英語がお上手ですが、話せない方もいるのですか?
監督「今のインドの学校は英語教育なので、どこでも英語を学べます。でも、母の世代は英語での教育ではなく、ヒンディー語などのように自分が生まれた地域の母語での教育でした。母はマラティ語で教育を受けています。だから、学校で英語を学ぶのは難しかったけれど、今ではどこでも英語を学べます」
Q:今のインドの学校はすべて英語教育なのですか?
監督「ヒンディー語で教育する学校では英語が1課目、英語教育の学校ではヒンディー語が1課目になっています」
●インドのお菓子ラドゥと美しいサリー
Q:伝統的なお菓子のラドゥは、どういう時に作られるお菓子なのですか?
監督「いろんなタイプのものがあるけど、映画で出て来る黄色いのはブンディ・ラドゥで、結婚式のような特別な場合に作られます。その他にもいろいろあるけれど…レシピを送りましょうか(笑)。材料はチャナ豆の粉がメインで、シロップとドライフルーツ。粉を団子状に丸めて揚げ、シロップにつけてから、レーズンやナッツなどのドライフルーツで飾りつけます」
Q:シュリデヴィさんの美しいサリー姿も素敵でした。サリーは何着用意したのですか?
監督「50枚くらいですね(笑)。たくさんの女性が、映画と同じくらいサリーが気に入ったみたい。ことあるごとにサリーを買いましょうって(笑)」
このラドゥとサリーに関する質問はインタビューでも多かったようで、「美しいシュリデヴィさんと共に、サリー姿も目の保養になりました」と伝えると「サリーも送らなくちゃね(笑)」と監督。
●キャスティングについて
Q:シュリデヴィさんは15年ぶりの映画出演となりましたが、撮影にはスムーズに入っていかれましたか?
監督「特に問題はなかったですね。『引退してたなんて思えない。昨日撮影を終えて、また現場に戻ってきたような気分』と言っていました」
Q:マイケル・ジャクソンのダンスは監督のアイデアですか?
監督「脚本にはダンスの動きと入れていたので、いくつかやってみました。どんな動きにしようかと話していたら、シュリデヴィさんがマイケル・ジャクソンのステップはどう?と提案してくれたんです。彼女はマイケルの大ファンなので(笑)」(次頁へ続く)
続きを読む 1 > 2 ▼シュリデヴィ来日特集 ▼映画紹介
|