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asicro interview 77

更新日:2018.5.22

絶妙なキャスティングと俳優たち

Q:主演の2人、クリッシー・チャウ(周秀娜)とジョイス・チェン(鄭欣宜)が素晴らしいのですが、キャスティングはどうされたのですか? クリッシーさんは監督に似てますね?

監督「クリッシーとは以前から親しい仲で、彼女のこともよく知っているので、主人公は彼女に演じてほしいと思っていました。実際の性格もちょっと似ています。真面目に努力するきちんとしたタイプなんです。ジョイスは楽天的でおおらか。見た目もふっくらしているし、いつも笑顔でハッピーです」

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仕事も恋も順調と思っていたクリスティに大きな転機が訪れる

(c)2017 China 3D Digital Entertainment Limited

Q:ジョイスさんはやはり、母親であるリディア・サム(沈殿霞)の血を受け継いでいますよね。台詞の中で、親友のチョン・ホンミンから「ハッピー(開心)を受け継いでる」と言われるシーンがありますが、あれは「開心果」と呼ばれていたリディア・サムを母に持つ、実際のジョイスさんのことですよね? 最初から脚本にあったのですか?

監督「ありました。ティンロはジョイスをイメージして書いていたので」

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いつも笑顔で乗り切るティンロを演じるジョイス。笑顔がリディア・サムにそっくり!

(c)2017 China 3D Digital Entertainment Limited

Q:アテ書きだったんですね。オーディションはしなかったのですか?

監督「オーディションはしていません。主人公の2人はわりとすぐに決まりました。一番苦労したのは、チョン・ホンミン役です。見るからにやさしくて、絶対に裏切らないようなルックスの男性でないといけないので。ジョイスが決まってから、ベビージョン・チョイ(蔡瀚億)に会ったのですが、会った途端に『彼だ!』と思いました」

Q:チョン・ホンミンは、ほんとうに素晴らしい男性ですよね! 7歳の頃からティンロとずっと一緒だったわけで、もしかしたら、これはホンミンにとっても大人への第一歩になったのでしょうか?

監督「ホンミンの方がティンロより奥手かもしれませんよ(笑)。でも、ジョイスとベビージョンってお似合いだと思いませんか? お母さんのリディア・サムさんはご存知のようにふっくらした方ですが、お父さんのアダム・チェン(鄭少秋)さんは背が高くスラリとした2枚目。対照的だけど、とってもお似合いのカップルだった。だから、ジョイスとベビージョンもとても似合っていると思うの」

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微笑ましい幼なじみカップルを演じるベビージョンとジョイス

(c)2017 China 3D Digital Entertainment Limited

Q:そうですね。実生活ではどうなるかわかりませんが、映画での二人はとても素敵なカップルでした。その点、クリスティの恋人チーホウの方は複雑ですね。

監督「チーホウを演じたベン・ヨンは、舞台でもチーホウを演じたことがあり、この役柄をよく理解しています。とてもいい役者なので、この映画に出てもらったんです」

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レオン・ライの物真似が上手なチーホウ役のベン・ヨンは、今後の活躍に期待大!

(c)2017 China 3D Digital Entertainment Limited

Q:主人公のおふたりは、この役を演じてみてどんな感想でしたか?

監督「2人と話したことがありますが、クリッシーはかなり辛かったようです。でも、最後にああいう形で終わるので、撮影後はすっきりと役柄から抜けることができたと言っていました。ジョイスはとても楽しかったと言っていましたね。彼女は音楽をやっていますが、女優としても優れていると思います。ちょっと太っているけど(笑)」

Q:今、日本では太っている女性が人気です。

監督「えー?! 香港では絶対ダメ。太ってはいけません」

Q:そういえば、ティンロの初恋のエピソードも面白かったです。本物のチョン・コッキョン(張国強)さんも出てくるし。あのエピソードは遊び心でしょうか?

監督「あのシーンは、出来上がった映画を観て、私も驚きました。まさか本物が出ているとは思っていなかったので(笑)」

Q:ご自分で特に気に入っているシーンはありますか?

監督「ティンロとホンミンのキスシーンですね。あそこはとても工夫しました。光の具合とか。2人がゆっくりとキスをする場面は、とてもきれいに撮れていると思います」(次頁へ続く)


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profile
キーレン・パン
Kearen Pang
彭秀慧/Pang Sau-Wai


1975年2月11日、香港生まれ。舞台女優、舞台演出家、クロスメディア・クリエーター、作家、脚本家として活躍。香港演芸学院・表演学科を卒業。1988年に香港で最も古い歴史を持つ「忠英劇団」の専属俳優となり、舞台演出、作曲、振付、プロデューサーなどを務める。

2003年に退団。2004年に香港戯劇協会の奨学金で、パリの演劇学校スタジオ・マニュジアで学ぶ。2005年、香港にキーレン・パンズプロダクションを設立して、数々の舞台を手がける。2005年に発表した初の一人芝居「29+1」は高い評価を得て、2013年までに計6回の再演を行っている。2010年に一人芝居「再見不再見」で香港戯劇協会舞台劇奨最優秀主演女優賞を受賞。

2006年にパン・ホーチョン監督の『イザベラ』の脚本を共同執筆。映画界と繋がる。同作のノベライズ本も執筆した。2017年に『29歳問題』(29+1)で監督デビュー。ニース国際映画祭2017で外国語映画最優秀監督賞を受賞。その後も多数の新人監督賞を受賞する。

2011年に香港電台と香港戯劇協会似寄り「この20年間最もインプレッシブな女優」に選出。2014年には優れた若者を表彰する「香港十大傑出青年」に選ばれている。
filmography & works
movie(出演)
・追凶20年(98)
・創業玩家(00)
・ユー・シュート、
 アイ・シュート(01)
・些細なこと(07)*声の出演
・低俗喜劇(12)

movie(監督)
24歳問題(17)

stage
・29+1(05)
・再見不再見(07)
・不眠優仁(08)
・月球下的人(09)
・點解手牽狗(10)
・Tiffany(12)
関連リンク
Instagram
Facebook
クリッシー・チャウ Facebook
ジョイス・チェン Facebook
  *リディア・サムの写真もアッ
  プされています。