Q:ファットさんはMCから俳優に転身されたそうですが、俳優を目指していたのですか?
ファット「そうですね。性格も関係しているかもしれません。もともとよく移動したがるタイプで、同じ所でずっと長期間、同じことをやるのは向いていません。MCの仕事もやっている間にだいぶ安定してきたので、そろそろ別の仕事をやってみたくなっていました。そんな時にオーディションがあったので、受けてみたんです。合格したおかげで、俳優の道に進むきっかけになりました」
Q:最初はツアーガイドになりたかったんですよね?
ファット「そうです(笑)」
Q:どんどん変わっていきましたね。
ファット「今とはまったく関係ない分野でしたね(笑)」
Q:初めての映画で主演デビューですが、たくさんの新人賞なども獲られました。この映画の前と後では、何か変わりましたか?
ファット「がらっと変わりましたね。性格も変わったし(笑)仕事に対する考え方も全部がらっと変わりました。お財布(の中味?)も変わりましたよ(笑)」
Q:演技は話し合って進めていったのですか? それとも、監督からの指示で?
ファット「初めての主演ですから、監督と同等に相談相手になるなんて到底できません。監督からいろいろアドバイスをもらい、指示を聞いて、それを自分の中で自分なりに理解して表現しただけです。完全に監督から指導してもらっています。ただ、自分に提案があって、それを話した時は、それについて監督がアドバイスしてくれました」
Q:ユンの少年時代はとても表情が豊かでよく笑っているのですが、大人になるとまったく笑いませんね。それが、最後にまたカイルオンをやろうと思い立ち、劇場へでかける時にふっと笑顔になります。それは意図的にそう演出されたのですか?
ファット「そうですね。意図的にそういう表情を作りました。昔の幼い頃のユンと、カイルオンをもう一度やろうと思った時のユンとの関連があるので、そこは同じ心に戻っている瞬間を表現したかったのです」
Q:じゃあ、それまでは笑うなと?
ファット「(大笑い)そういう要求はまったくなかったです。撮影前にいつも監督との話し合いがあり、この人はこういうシーンではこういう感情になっていると分析を聞いています。そういう風に、このシーンだと主人公はこういう感情だから、自然に心の中では笑いたくなかった。自然とこういう顔になって、まったく笑えない状態でしたね」
Q:楽器の演奏も初めてだそうですが、練習されたのですか?
ファット「そうですね。役作りの1つで、習い事が活かされました」
Q:どのくらい練習されたんですか?
ファット「4回くらいレッスンに行きました」
Q:4回?!(全員爆笑)すごく、慣れている風に見えましたよ。
ファット「撮影するときは、いろいろと怒られました(笑)どうしても、うまくできなかったんです」
(c)2018 STUDIO68
かなり時間をかけて特訓されたのではと予想していたので、4回だけとはちょっとびっくりでしたが、映画では違和感なく、ユンの弾くダン・グエット(月琴)とソン・ラン(リズムを取るための小さな打楽器)による伴奏で、ユンの父親が書いた詩をリン・フンが歌う美しいシーンになっています。
撮影中の苦労話と印象に残っているシーン
Q:レオンさんは初監督で、ファットさんも初主演です。苦労されたこと、逆によかったことはありますか?
レオン「一番苦労したのはプロデューサー探しですね。初めての作品ということで、なかなか私の実力を信じてお金を投資してくれる人がいなかったのです。最終的には決まってよかったけれど、探している途中はとても苦労しました。でも、初めてやることのメリットもあります。自分の情熱と愛情、心を込めて作品に向き合うので、他の外側の要素に影響されることがなく、自分のやりたい道を進むことができました。皆さんからよく言われたんです。こういう情熱は恋愛と同じで時間と共にだんだんと冷めていくから、今しかないんだよと。でも、まだ今は冷めていませんし、いい状態でいます」
ファット「初めての主演だったので、メリットといえば、まだ自分が皆によく知られていないことでしょうか。どういう人だろう、どういう俳優だろうと、皆さんの好奇心が湧いて、それで映画を観たくなるかもしれない。でも、まだ経験が浅いので、そこはいろいろと撮影の間も研究しなくてはなりませんでした」
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