公開直前に来日したレオン・レ監督(右)と主演俳優のリエン・ビン・ファット(左)
カイルオンの夢をどうしても実現したくなった ー レオン・レ(監督)
自分の中で自分なりに理解して表現した ー リエン・ビン・ファット(俳優)
2月22日より新宿K's cinema ほか、全国順次公開中のベトナム映画『ソン・ランの響き』。ベトナムの大衆歌舞劇「カイルオン」を背景に、対照的な生き方をしてきた粗暴な男と繊細な役者が出会い、心を通わせるつかの間の輝きを描いており、深い余韻を残す美しい作品です。監督は本作が長編デビュー作となるレオン・レ。製作は『サイゴン・クチュール』のゴ・タイン・バン。二人の主人公を、本作で俳優デビューした新人のリエン・ビン・ファットと、2010年にアイドルグループ 365daband のリーダーとしてデビューしたアイザックが演じています。
本作は2018年の東京国際映画祭「アジアの未来」部門でも上映されており、レオン・レ監督とリエン・ビン・ファットさんがゲスト来日。ファットさんは、原石のような輝きを放つ世界に紹介したい新人に贈られる東京ジェムストーン賞を受賞しています。そして今回の日本での公開を前に、レオン・レ監督とリエン・ビン・ファットさんが再び来日。たくさんの取材をこなし、舞台挨拶にも登場しました。アジクロでも単独インタビューの機会をいただきましたので、素敵なお二人をたっぷりとご紹介します。
ベトナムの大衆歌舞劇「カイルオン」
Q:監督は本作が長編デビュー作ですが、初めての長編作品の題材に「カイルオン」を選ばれた理由を教えてください。
レオン・レ監督(以下、レオン)「小さい頃からカイルオンは自分の夢でした。カイルオン奏者になりたかったんです。でも、小さい頃に家族と一緒にベトナムを離れてしまい、その夢は実現できなかった。30年後、大きくなってベトナムに戻ると、やはり、ずっと心に抱いていたカイルオンの夢をどうしても実現したくなったんです。それで、カイルオンをテーマにした映画を作ることにしました」
Q:監督は俳優もやっておられますが(ご覧の通りのイケメン!)自分で出演もしたいとは思われなかったのですか?
レオン「それはまったく考えませんでしたね。映画を作るにはいろいろと苦労がありますし、すべてを自分でやってしまうと、最終的にクオリティの高い作品にならないかもしれない。自分としては、リーダーとして皆を導いて、いい作品を作りたかった。リーダーとしてやっていきたいと思いました」
Q:ファットさんは、映画に出るまでに「カイルオン」はご覧になったことは?
リエン・ビン・ファット(以下、ファット)「見たことはあります。見ようとしたわけではないけど、小さい頃は大人が見ている横でよく見ていました。それで、それが頭の中にあったのですが、映画の撮影が終わった後は、また観たいと思っていて、劇場に行くことも考えています」
Q:この映画のおかげで、また注目が集まるといいですね。
レオン「I hope so(笑)」
レオン・レ監督は歌も踊りもできる役者さんなので「リン・フン役を演じてみたかったのではないですか?」とふってみると「そう見えるのかな?」とお二人に爆笑されてしまいました。
キャスティングと演技について
Q:主演の二人にファットさんとアイザックさんを選んだポイントは?
レオン「アイザックの役柄ですが、映画の中でカイルオンを演じなくてはなりません。最初はカイルオン奏者をキャスティングしたくて、その中から主人公を演じられる俳優を探しました。でも、やはりカイルオン奏者はカイルオンを歌う部分ではすごく上手いのですが、映画撮影となると絵的に向いていませんでした。アイザックはその辺のバランスがよく、カイルオンの歌を歌うこともできるし、撮影にしても、彼の演技は映画にふさわしかったので、アイザックを選びました。ファットさんついては、最初から写真を見てすぐ「この人だ!」と、トキメキました」
花形役者のリン・フンを演じるアイザック
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ファットさんは逞しい肉体美も披露
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(c)2018 STUDIO68
Q:じゃあ、ファットさんはすぐ決まったんですね(笑)
レオン「会ってすぐに決めたのではありません(笑)。4、5ヶ月をかけてオーディションを行い、練習もしてもらって最終的に決めました」(続きを読む)
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