レクイエム−最後の銃弾−
(掃毒/The White Storm)
story
ティン(ラウ・チンワン)、チャウ(ルイス・クー)、ワイ(ニック・チョン)の3人は幼なじみ。親友の彼らは共に警察官となり、麻薬組織を追うティンの指揮下で働いていた。潜入捜査官として売人ハク(ベン・ラム)の組にいるチャウには臨月の妻(ヨランダ・ユアン)がいた。チャウは妻のそばにいてやれないことで不満をつのらせていたが、ティンはハクを逮捕するまでと説得。捜査を続ける。
ついにハクを逮捕する時がやって来る。しかし、万全の体勢で取引現場を包囲していたティンに、上から作戦中止命令が下る。ハクを泳がせて、アジアを牛耳るタイの麻薬王ブッダ(ロー・ホイパン)を捕らえるためだった。ティンはやむなく、ハクを連れて逃げるようチャウに指示する。
バンコク。ハクはボビー(ケン・ロー)を仲介人として、ブッダと取引しようとしていた。取引現場に現れたのはブッダの息子サリットと娘ミナ(タリーチャダー・マラニャポン)だった。その頃、タイ警察内にブッダの手先がいてチャウの正体がばれてしまう。しかし、ティンの機転でハクが身替わりにされて死に、ボビーは逮捕される。
ティンはボビーを使って取引を進め、ブッダを逮捕する作戦に出る。しかし、早く香港に帰って妻子に会いたいチャウは、ブッダに取引中止の電話をしてしまう。取引現場にはブッダの息子と娘が再び現れ、潜んでいた警察やタイの軍隊に包囲された。ところがそこへ、軍用ヘリに乗った傭兵部隊が現れ一斉掃射。警察も軍隊も全滅してしまう。
ティン、チャウ、ワイはミナを人質に車で逃げるが追いつめられ、チャウとワイが捕らえられる。ついに現れたブッダは、ミナに銃を向けるティンに究極の選択が突き付ける。それは、娘と引換に一人だけを助けるというものだった。ティンは悩んだ末、妻子のいるチャウを選び、ワイを見殺しにしてしまう。そして、5年が過ぎる…。
●アジコのおすすめポイント:
『ジェネックス・コップ』(99)やジャッキー・チェンのシリーズから『インビジブル・ターゲット』(07)『コネクテッド』(08)などなど…多数のヒット作を生み出してきたベニー・チャン。その作風はノワールというよりも、正義や情熱、青春といった言葉が似合う熱血アクションです。11年には『新少林寺/SHAOLIN』で初のカンフーアクションにも挑戦し、そして本作でついに、ジョン・ウーやジョニー・トー、アンドリュー・ラウの流れを継ぐ王道の「男気」アクションドラマを作りあげました。それは、3人の男たちの友情と裏切りの物語。『男たちの挽歌』『ワイルドブリット』といった名作の構図を踏襲しつつ、タイを舞台にベニー・チャンらしいスケールの大きなアクションシーンがふんだんに盛り込まれています。特に5年後からの展開は、本作ならではの見どころ。アクションだけでなく、ラウ・チンワン、ルイス・クー、ニック・チョンによる演技のアンサンブルと、濃厚な人間ドラマもご堪能ください。
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