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別れる決心

監督:パク・チャヌク
脚本:チョン・ソギョン、パク・チャヌク
撮影:キム・ジヨン
編集:キム・サンボム
美術:リュ・ソンヒ
武術:ノ・ナムソク
音楽:チョ・ヨンウク
出演:パク・ヘイル、タン・ウェイ、イ・ジョンヒョン、パク・ヨンウ、ソ・ヒョヌ、コ・ギョンピョ、ユ・スンモク、パク・ジョンミン、チョン・イソ、キム・シニョン

2022年/韓国
日本公開日:2023年2月17日
カラー/シネマスコープ/138分
字幕:根本理恵
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2022 CJ ENM Co., Ltd., Moho Film.
2022年 カンヌ映画祭 監督賞(パク・チャヌク)
2022年 韓国映画評論家協会賞 作品賞
 監督賞(パク・チャヌク)/主演女優賞(タン・ウェイ)
 脚本賞(チョン・ソギョン、パク・チャヌク)
 撮影賞(キム・ジヨン)/音楽賞(チョ・ヨンウク)
 会員選定ベスト10
2022年 黄金撮影賞 監督賞(パク・チャヌク)
 主演男優賞(パク・ヘイル)/主演女優賞(タン・ウェイ)
2022年 青龍映画賞 作品賞/監督賞(パク・チャヌク)
 主演女優賞(タン・ウェイ)/主演男優賞(パク・ヘイル)
 脚本賞(チョン・ソギョン、パク・チャヌク)
 音楽賞(チョ・ヨンウク)
 人気スター賞(コ・ギョンピョ)
2022年 春史映画祭 監督賞(パク・チャヌク)
 男優賞(パク・ヘイル)/女優賞(タン・ウェイ)
2022年 釜日映画賞 作品賞
 男優賞(パク・ヘイル)/女優賞(タン・ウェイ)
 音楽賞(チョ・ヨンウク)
2022年 大鐘賞 作品賞
2023年 アジア映画大賞(ノミネート中)*3/12発表
*他海外でも多数受賞あり


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別れる決心
(別れる決心/Decision To Leave)

story

 釜山警察署の刑事チャン・ヘジュン(パク・ヘイル)は史上最年少で警部になった優秀な男だ。部下のスワン(コ・ギョンピョ)と射撃訓練をしながら「殺人事件が減ったな」と不満を漏らし、未解決事件を二人で解決しようとやる気満々。だが、週末は張り込みをスワンに任せ、妻のアン・ジョンアン(イ・ジョンヒョン)が働くイポで夫婦サービスに励む真面目な男でもあった。

 そんなある日、山からの転落事故が起こる。被害者は66歳の登山家キ・ドス(ユ・スンモク)。持ち物にはすべてイニシャルを入れている。山頂で見つかったスマホには、若い女性との写真。警察署にやってきた彼女ソン・ソレ(タン・ウェイ)は娘ではなく、中国人の妻だった。彼女は夫の遺体を見ても泣かず、笑ったように見えた。手に擦り傷もある。

 彼女の身体には、傷やアザがたくさんあった。夫のイニシャルまで彫られている。尋問中も、彼女は夫の現場写真を見てうっすらと笑っている。果たして自殺か?他殺か? 動機はあるが、ソレは介護士として働いており当日のアリバイがあった。

 それから、ヘジュンの張り込みが始まる。双眼鏡で働いているソレを監視しながら、ヘジュンは次第にソレに惹かれていった。遺体に付着していたDNAはソレのものだったが、彼女は理由を説明した。やがてキ・ドスが不法移民から賄賂をもらっていたと告発する書面と遺書が発見され、事件は自殺として決着する。

 刑事と容疑者でなくなったヘジュンとソレは、ゆっくりと距離を縮めていった。ソレの女の勘で、追っていた未解決事件の犯人も見つかった。だが、その犯人(パク・ジョンミン)は自殺してしまう。ソレは眠れないヘジュンを寝かしつけにやってきた。翻訳機を通して会話する二人。二人は同じタイプの人間だった。

 だが、ソレが介護を担当する老人が危篤になったことから、ヘジュンが代わりに事件当日の担当だったヘドンおばあさん(チョン・ヨンスク)の様子を見に行くことになる。そこで、おばあさんのスマホに不審感を抱いたヘジュンは、予想外の真相にたどり着く。

 ヘジュンは「僕は完全に崩壊しました」とソレに伝え、真実を封印。ソレと別れ、妻のいるイポへ転勤したのだが…。



poster


アジコのおすすめポイント:

殺人事件を通して出会った刑事と容疑者の道ならぬ恋を、二人の視線を通してじっくりと描いた大人のサスペンス・ラブロマンスです。写真、尋問、監視…と調査を重ねる内に、彼女のすっとした姿勢に惹かれ、かいがいしくテキパキとした仕事ぶりに惹かれ、完璧でない韓国語、翻訳機に中国語で話しかける声と知的な会話に惹かれていく優秀で真面目な刑事。一方、女の方も、これまでの人生で出会うことがなかったまっとうな男、自分を尊重し、いたわってくれ、好みも性癖も似ている、まさに出会いたかった男に惹かれていきます。とはいえ、相手は既婚者。理性的に距離は保ちつつ、心の中ではかなり接近していくのです。監督は『JSA』に続く復讐三部作を経て、『イノセント・ガーデン』でハリウッドデビューも果たし、『お嬢さん』でエロティックな文芸作品にも挑戦したパク・チャヌク。刑事役にパク・ヘイル、彼を翻弄する女性を『ラスト、コーション』のタン・ウェイと見事なキャスティングで、二人ともまさにハマリ役。出会いから、動揺、葛藤、探り合い、癒し、反転する心、別れ、そして再会と結末へ至る決心を、いくつかの事件を挟みながら、丁寧かつトリッキーな編集で見せてくれます。おそらく、一度では咀嚼できないので、二度、三度と見返すのがオススメ。共演は刑事の部下役にコ・ギョンピョ、妻役をイ・ジョンヒョン、彼が追っていた事件の犯人をパク・ジョンミンと豪華な布陣。女の二人の夫役でユ・スンモク、パク・ヨンウも登場します。随所に流れる女の好きな歌「霧」と共に、濃密な大人のドラマをご堪能ください。

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▼公式サイト ▼予告編