logo

ランガスタラム

ランガスタラム(Rangasthalam)

監督:スクマール
脚本:スクマール
撮影:R・ラトナヴェール
編集:ナヴィーン・ヌーリ
美術:ラーマクリシュナ・サッバーニ、モーニカー・ニゴートレー
音楽:デーヴィ・シュリー・プラサード
作詞:チャンドラボース
ダンス振付:プレーム・ラクシト、ショービ・パウルラージ
      V・J・シェーカル、ジャーニー
スタント振付:ラーム・ラクシュマン
出演:ラーム・チャラン、サマンタ、プラカーシュ・ラージ、ジャガパティ・バーブ、アーディ・ピニシェッティ、アナスーヤ・バラドワージ、ナレーシュ、ローヒニ、ブラフマージー、アジャイ・ゴーシュ、マヘーシュ・アチャンタ、ラージーヴ・カナカラ、チャトラパテイ・シェーカル、プージャー・ヘグデ

2018年/インド
日本公開日:2023年7月14日
カラー/シネスコ/5.1ch/174分/テルグ語
字幕:加藤豊
字幕協力:プリヤ
配給:SPACEBOX
©Mithri Movie Makers
2019年 フィルムフェア賞(南インド映画部門)
 主演男優賞(ラーム・チャラン)
 助演女優賞(アナスーヤ・バラドワージ)
 撮影監督賞(R・ラトナヴェール)
 音楽監督賞(デーヴィ・シュリー・プラサード)
 作詩家賞(チャンドラボース)
2019年 ナショナル・フィルム・アワード
 音響技術賞(M・R・ラージャクリシュナン)
2019年 南インド国際映画賞
 監督賞(スクマール)
 撮影監督賞(R・ラトナヴェール)
 主演男優賞(ラーム・チャラン)
 主演女優批評家賞(サマンタ)
 助演女優賞(アナスーヤ・バラドワージ)
 音楽監督賞(デーヴィ・シュリー・プラサード)
 作詞家賞(チャンドラボース)
 女性歌手賞(M・M・マーナシ)
2019年 ジーシネ・アワード(テルグ語部門)
 主演男優賞(ラーム・チャラン)
 助演女優賞(アナスーヤ・バラドワージ)
 音楽監督賞(デーヴィ・シュリー・プラサード)
 作詞家賞(チャンドラボース)
 女性歌手賞(M・M・マーナシ)
 撮影監督賞(R・ラトナヴェール)
 美術監督賞(ラーマクリシュナ・サッバーニ/
       モーニカー・ニゴートレー)
 編集賞(ナヴィーン・ヌーリ)
 振付賞(プレーム・ラクシト)
 人気作品賞

(他多数)


story

 1980年代半ばのインド、アーンドラ・プラデーシュ州中部。広大なゴーダーヴァリ川に沿った田舎道を、自転車で疾走する男がいる。目的地に着くと、相手は車に乗り込もうとしていた。「先生!」と声をかけるが、彼が乗った車は後ろから来た大型トラックに追突されてしまう。男は瀕死の先生をを病院へ運び込んだ。一体、何が起こったのか…。

 数ヶ月前。川沿いの田園地帯にあるランガスタラム村で、その男チッティ・バーブ(ラーム・チャラン)は黒コブラを探していた。茂みの中で見つけたのは、なぜか立派な腕時計だった。チッティはモーターを使って田畑に水を送り込むエンジニアだ。明るく気のいい男だが難聴で、聞こえるふりをしながら助手のマヘーシュ(マヘーシュ・アチャンタ)に通訳をさせている。

 村は代々、地主で高利貸しのブーパティ家に牛耳られていた。黎明党の村長でもあるパニーンドラ・ブーパティ(ジャガパティ・バーブ)は自分を「プレジデント」と呼ばせ、選挙があっても対立候補はなく一党独裁が続いている。最近では村長配下のソサエティからの違法な取立てが続き、土地や家を奪われて死者も出ていた。

 そんな中、チッティの兄クマール(アーディ・ピニシェッティ)が1年ぶりに出稼ぎ先のドバイから帰ってくる。家族に歓迎されるクマール。夜にはチッティのバイクで、恋人のパドマ(プジタ・ポナダ)に会いに行った。一方、チッティも沐浴中のラーマラクシュミ(サマンタ)と出会い、一目惚れ。聞こえるふりをしたため混乱が続くが、頼りになるランガンマ(アナスーヤ・バラドワージ)のアドバイスもあり、やっと互いの想いを確かめ合う。

 ある日、チッティが自殺者を助けたことから、ソサエティの違法な取立てに気づいたクマールは、証拠を見つけて村人とプレジデントの家に押しかける。しかし、報復を恐れた村人は口をつぐみ、祖母を侮辱されて暴力をふるったチッティは逮捕されてしまう。

 2日後、チッティが保釈されると、クマールは村長への立候補を表明。新インド党の州会議員ムールティ(プラカーシュ・ラージ)のサポートを得て、選挙戦を開始。チッティも手伝い、兄を危険から守るために奔走する…。

アジコのおすすめポイント:

封建的な過去と近代化した現代社会の間にある1980年代の農村を舞台に、村長の独裁に立ち向かい立候補した兄と弟の顛末を描いた社会派ドラマです。難聴の主人公の暮らしぶりや恋を中心に描かれる前半は明るく賑やかで楽しいのですが、兄の村長立候補から描かれる後半は危険と隣り合わせのスリリングな展開。主人公も恋より兄を優先し、予想外の事態に巻き込まれていきます。「なぜ?」から始まった物語の結末は、果たして…。監督は大学講師から映画界に転向した社会派のスクマール。自身の故郷であるアーンドラ・プラデーシュ州の田舎を舞台にした物語はかなり昔から温めており、撮影監督のラトナヴェールと共にロケ地やストーリーを組み立てていったそうです。ランガスタラム村は巨大なセットが建設され、ゴーダーヴァリ川流域の大自然を背景にしたダンスシーンと共に描かれます。実話ではありませんが、物語には当時の世相やいくつかの事件が盛り込まれているようです。主人公を演じるのは、本作が「役者人生の転換点」と語るラーム・チャラン。11本目の主演作で初の農民役に挑み、難しい「ゴーダーヴァリ弁」も習得。ちょいダサの衣装は実のお姉さんがスタイリングを手がけたそうです。ダンスシーンもふんだんに盛り込まれた174分で、『マッキー』のサマンタを恋の相手に、コミカルな演技もアクションもたっぷり。「チッティ」というと『ロボット』のラジニカーントが思い浮かぶのですが、インドでは愛されキャラの名称なのかもしれません。ちなみに、お兄さん役のアーディ・ピニシェッティもなかなかのイケメン。『RRR』よりもローカル色が濃いのですが、インド映画ファン、ラーム・チャランファンには見逃せない作品です。

p2p3

p4p5

p6p7

p8p9

p10

▼公式サイト ▼予告編