兎たちの暴走(兎子暴力/The Old Town Girls)
story
煙突が立ち並ぶ工業都市の夜、娘のユエユエ(チャオ・ズーユエ)が誘拐され身代金を要求された父親のマー(パン・ビンロン)が混乱して走り、黄色いスポーツカーに乗った男女に呼び止められる。同じく娘シュイチン(リー・ゲンシー)を誘拐された父親シュイハウ(シー・アン)と母親のチューティン(レジーナ・ワン)だ。身代金は200万元。取り乱したチューティンは必死に止めるが、父親たちの主張に負け一緒に警察へ。その後、娘たちが戻ったという知らせに安堵するが、予想外の事態が発覚する…。
高校生のシュイチンは父が再婚した女性と幼い弟の4人家族。だが、継母とはうまくいっていない。実の母は1歳の時に自分と父を捨てて都会へ出たが、シュイチンは彼女に淡い憧れを抱いていた。その母チューティンが、16年ぶりに街へ帰ってきた。母親が好きな米麺の店で待ち伏せするシュイチン。輝くように美しい母親はすぐにわかった。想像通りだ。再会を喜ぶ二人はチューティンの黄色いスポーツカーに乗り、母親が生れ育った隣街へ行く。チューティンは初めて舞台に立った古い劇場へ娘を連れて行った。彼女はダンサーになったのだ。
高校では学園祭で披露するダンスの練習が行き詰まっていた。シュイチンの親友ジン・シー(チャイ・イェ)が仕切っていたが、皆、彼女のやり方に着いていけなかった。裕福な家のジン・シーは両親が不在で情緒不安定なところがあり、孤独に敏感だった。母親に気をとられているシュイチンとも仲違い中。そんな時、仲良くなったのがユエユエだ。彼女は広告モデルになるほど美人だが、貧しい父親と二人暮し。心臓病を患う父親は過干渉で暴力もふるっていた。
シュイチンはチューティンに高校でのダンスレッスンをお願いする。颯爽と学校に現れた彼女は、クラス一のイケメン、バイ・ハオウェン(ユウ・ガンイン)を相手にダンスの基本を教え、チェコで習ったという練習方法で生徒たちを魅了していく。放課後、シュイチンはジン・シーとユエユエを誘い、4人でスポーツカーに乗ってトンネルへ遊びに行った。二人もチューティンの奔放さに惹かれ、4人で「青春の兎グループ」を結成。チューティンはシュイチンに「一緒にダンス教室をやろう」と将来の夢も語った。
だがその夜、母の部屋にトゥ(ホアン・ジェ)がやって来る。実はチューティンには借金があり、悪い世界から逃げていたのだ。期限が迫り、母の命が危うくなっていた。シュイチンは母を守るために、ある計画を思いつく…。
|