フラッシュオーバー 炎の消防隊(驚天救援/Flashover)
story
深夜、江東省灌城市でマグニチュード3.1の地震が発生し、エタノールを積んだ大型タンク積載車がトンネルの中で母娘が乗った乗用車と衝突。トンネルの出口で谷に転落する。ジャオ・インチー(ワン・チエンユエン)率いる灌城井山消防署と交通警察隊が駆けつけ、余震と爆発の危険の中、懸命の救助で運転手や母娘を救出した。
仕事の帰り、消防隊のワン・ウェンビン(ワン・ゴー)に父親(リー・グアンフー)から電話が入り、来週の誕生日を祝ってくれと言われる。通信員のハン・カイ(ドゥー・ジアン)や陸上選手でもあるシャオウー(エルヴィス・ハン)らも一緒に皆でお祝いに駆けつける、と車中で盛り上がった。その頃、灌城市の天宣化学工場では、設備に異常がないか点検が行われていた。
翌日、井山消防署ではジャオ署長による空気呼吸器装着訓練が行われていた。昼食時、ジャオの婚約者で小学校の先生をしているチャン・ホン(ハン・シュエ)が弁当を差し入れる。だが、ジャオの仕事に不安を覚えるチャンは結婚を延期したいと言い出し、ジャオを当惑させる。
かつてジャオが助けた子猫に餌をやっているハン・カイは、子猫の様子をアップした動画にある女性からの「いいネ」が付いて喜ぶ。それは、危険物講習会で出会った美しい講師のイエ・シン(トン・リーヤー)だ。彼女は化学工業安全専門家。話をしたかったが、当時は親しくなる機会がなかった。
広大な灌城化学工業団地で、重大事件が発生する。天宣化学工場の廃処理工場で火災が起こり、次々と連鎖爆発を起こしたのだ。団地消防隊も爆風にやられ、稼働できる消防車は4台のみ。一帯は大惨事に見舞われていた。消防救援隊の会議を行っていた上層部にも連絡が入り、議長(フー・ジュン)は緊急対応計画を発動。イエ・シンにも連絡が入る。
現地には各地から消防救援部隊が集合し、ジャオたちも出動。小学校も被害に遭い、チャン・ホンは子どもたちを救うために奔走していた。工場内では3つのタンクが爆発。100人以上が取り残されているという。ジャオたちは救出を担当し、ハン・カイにドローンでの捜索を頼むと、危険な化学薬品の水たまりや有毒ガスが発生する中を、生存者救出のために進んでいく…。
アジコのおすすめポイント:
架空の都市を背景に、未曾有の大火災、そして大爆発の危険にさらされた消防隊員たちの勇敢な活躍を描くファイヤー・アクションです。ドローンを駆使する通信員や、後から応援にやってくる消火ロボットなど、捜索や消火活動にハイテクも駆使されているのは現代ならでは。燃え盛る燃料タンクの火が、工業団地内にある巨大な塩素タンクや水素ボンベ1000本(!)に引火しないよう、人力で防火壁を作ったりと、想像を絶する任務が課せられます。なぜなら、引火すると市全体が吹き飛ぶから。さすが、中国。災害の規模もでかい。
監督は香港映画界で活躍するパン・ブラザーズの兄オキサイド・パン(彭順)。『the EYE』シリーズに代表されるホラー映画や『風雲 ストームウォリアーズ』のようなアクション、アーロン・クォック主演の探偵シリーズなどでお馴染みですが、本作は中国消防隊の勇姿を描く中国映画として製作されています。13年に兄弟で監督したラウ・チンワンとルイス・クー主演の香中合作3D消防隊映画『インフェルノ 大火災脱出』での経験が、さらにパワーアップしております。主演は署長を演じる『鋼のピアノ』のワン・チエンユエンと思っていたのですが、最初にクレジットされているのは通信員を演じるドゥー・ジアンでした。ちょっぴりエディソン・チャン似のクリクリお目目が印象的なイケメンくん。『オペレーション:レッド・シー』でも活躍してましたね。そのほか、副署長や隊員役の若手3人が主な中心人物。署長の婚約者をハン・シュエ、通信員が憧れる講師をトン・リーヤーが演じ、危険任務の中にも一人一人の背景にある人間ドラマがしっかりと描き込まれています。中国では今年の4月に公開されてスマッシュヒットを記録しました。暑い夏もやっと峠を越えた今、最新のファイヤーレスキュー・アクション超大作を大スクリーンでじっくりとご堪能ください。
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