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profile:張學友/jacky cheung
1961年7月10日、香港生まれ。84年に歌謡コンテストで優勝し芸能界入り。抜群の歌唱力ですぐに人気を得る。86年には俳優としてもデビュー。90年代は「四大天王」の1人として君臨し、「歌神」とも呼ばれ始める。97年、オリジナルミュージカル『雪狼湖』を香港で初演。2000年以降は、家庭と仕事を両立させながら、歌に映画にと新たな挑戦を続けている。
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中華圏では「歌神」と呼ばれているジャッキー・チュン(張學友)。一度でも彼の生の歌声を聴いたことのある人であれば、この呼び名がけっして大げさなものではないと納得することでしょう。ただ歌が上手いというだけでなく、彼の歌声には聴く人の心に深く響く何かが宿っているのです。それは歌に対する「愛」かもしれません。その歌声を聴いているだけで、幸せな気分にさせてくれる、そんなジャッキーの魅力に迫ります。
●ジャッキーが「歌神」となるまで
幼い頃から、歌うことが大好きだったジャッキー。1984年、友人に誘われて出場した歌謡コンテストで優勝した時から、華やかな経歴がスタートします。デビュー当時から歌の上手さで注目されていましたが、大ブレイクのきっかけとなったのは「毎天愛[イ尓]多一些」(91)の驚異的大ヒット。実はこれ、サザンオールスターズの「真夏の果実」のカバー。当時はこの他にも、サザンオールスターズや安全地帯、徳永英明などのカバー曲で次々とヒットを飛ばし、カバー大王とも呼ばれていました。
「四大天王」と呼ばれていたのもこの頃。それぞれに個性が違うアンディ・ラウ、アーロン・クォック、レオン・ライと共に、毎年の賞レースを競っていましたが、歌唱力でずば抜けていたジャッキーは「歌神」とも呼ばれるようになります。そして95年、初めてのワールドツアーを行い、日本へも来日。香港のミュージシャンとしては、日本で初めて本格的ソロ・コンサートを行ったスターとなりました。
●シンガーからアーティストへ
96年、97年には、毎年モンテカルロで開催されるワールド・ミュージック・アワードで、中国人歌手として初の最高セールス賞を連続受賞。さらに香港が中国へ返還される直前に、これまた中国人初のオリジナルミュージカル『雪狼湖』を香港で42回連続公演し、大成功を収めました。2000年には娘が誕生し、自身のプロダクションも設立。初めての英語アルバムを制作したり、映画界にも復帰したりと、精力的な活動を続けています。
そして2003年の春、SARS禍の香港で友人のレスリー・チョンが亡くなった後から転機が訪れます。1年の内に親しかった友人たち(アラン・コーの父で俳優兼監督のブラッキー・コー、アニタ・ムイなど)を次々と病で亡くし、活動がしばらく停滞。1年後の2004年春に、当時の人生に対する思いを綴った広東語アルバム『Life is lika a dream』を発表。全曲を自身で作曲し、作詞も一部手がけるなど、個人としての側面が強く出たアルバムとなりました。
●若い才能たちとの新たな挑戦
2004年、香港ディズニーランドの名誉大使に任命されたジャッキーは、TV番組でのPR活動を定期的に続けながら、『雪狼湖』北京語版の長期ワールドツアーを開催します。規模があまりに大きかったため、日本公演は実現しませんでしたが、昨年1月に北京で行われた千秋楽を最後に、主演を降りることを宣言。今後、ジャッキー自身が演じる『雪狼湖』を観られないことは、大変残念です。さてその後、昨年末にはカタールで開催されたアジア大会開幕式に出演。アジアを代表する歌手として、大会のテーマソングを歌っています。
今年の1月には、4年ぶりの北京語アルバム『在[イ尓]身邊』を発表。後輩の育成にも力を入れているジャッキーが、才能ある若い人たちと組んだこのアルバムでは、初めてプロデュースも手がけ、歌い方を変えてみるなど新たな路線にチャレンジ。自分の声や歌、音楽への尽きない好奇心と家族やファンへの愛を原動力に、さらなる冒険を続けています。歌詞の内容も、普段の生活で感じることや、社会問題に対するメッセージを含んだものになってきているようです。
●人間ジャッキーの魅力
歌手や俳優としての活躍だけでなく、チャリティ活動にも熱心なジャッキーは、99年に世界十大傑出青年に選ばれました。これは香港芸能人としては、ジャッキー・チェン(成龍)に次ぐ快挙。このような輝かしい経歴にもかかわらず、謙虚で飾らない性格も魅力のひとつとなっています。私生活では2人の娘を愛する良きパパでもあり、多忙な大スターでありながら、家庭と仕事をバランスよく両立させているところもお見事。
そんなジャッキーを尊敬している若いアーティストたちは多く、台湾のジェイ・チョウは楽曲(「算命」)を提供したことも。「僕のアイドルだった」と語るジェイは、最新アルバムでジャッキーのことを歌っています。同じく自分のアイドルだったというワン・リーホンも、昨年の自分の香港公演にゲストとしてジャッキーを招き共演。長年の夢を実現させました。
そんなジャッキーが、5年ぶりにワールドツアーを開催。2月18日のラスベガス公演からスタートし、6月にはいよいよ日本へもやって来ます。本物の魅力に触れるまたとないチャンス。ぜひ、自分の眼と耳で確かめてください。(俳優編を読む)
*写真提供:Fun Entertainment Limited
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