バンド演奏を挟み、衣装を替えて再登場。「走不掉」で再び激しく歌い踊り、スタンドマイクを振り回す場面も。続く「餓狼傅説」で一気にヒートアップし、最後のシャウトで大興奮。こういうロックな曲を一番喜ぶのは日本の観客なので、もともとロック好きのジャッキーは気持ち良く歌えたはず。この後のMCでは「いいですか？」と荒い息を整えながら「ロック・ミュージックは、僕の重要な一部分です」と話していました。
そして次は、今回のコンサートの最初のハイライトとなっているコーナー。「皆さんは、私のことを知っていますか？」と簡単な自己紹介をはじめ、自分の人生にとって一番重要なCDについて語ります。それは、04年に発表した『Life Is Like A Dream』のこと。「2004年に出したCDは、初めて全部、自分で作りました。人生に起こったことを、歌にしました」
そしてまずは、01年に生まれた長女との約束を守るために作った「搖瑤」。やさしい子守歌のようなこの曲を歌っている間、背後のスクリーンでは、歌詞の日本語テロップが流れ、誰もが歌詞を書いたジャッキーの気持ちをたどりながら、本人の生歌を聴くことができるという、心にくい演出となっています。
続いて、家族が船乗りだったので少年時代は女性に囲まれていたこと、今の家庭でも女性に囲まれていることを披露。「だから、私は、女の人の気持ちがよくわかります。（場内拍手）娘に歌を作って、奥さんに作らなかったら、大変なことになる。そこで、この歌を作りました」と妻に捧げた「講[ｲ尓]知」。
そして「2003年、香港の芸能人がたくさん亡くなりました。皆、私の親しい人たちでした。私はかなり落ち込みました。歌を作って、心を落ち着つかせようとしました」と、今は亡き大スターのレスリー・チョン、著明な作詞家の林振強、冒険家で映画監督兼俳優でもあったアラン・コーの父、ブラッキー・コー、そして歌姫のアニタ・ムイに捧げる「給朋友」へと続きます。訃報を聞いた時のモノローグから始まるこの曲は、残された者の悲しみと同時に、旅立った人たちの解放感も歌われており、残された人々への励ましにもなる荘厳な曲。これにもまた、日本語のテロップが添えられて、会場では静かに涙を流した方がたくさんいました。
しんみりとした後で「人生には、うれしいことも、辛いこともあります。2005年、私に2人目の娘が生まれました。だから、辛いことがあっても、絶対に諦めないでください。頑張ってください。信じてください。必ず、うれしいことが起こりますから」と、心強いメッセージをくれた後、最新アルバムで次女に捧げた「在[ｲ尓]身邊」へ。今年で46歳になる、様々な人生経験を積んだジャッキーならではの言葉は、観客ひとりひとりの胸にしっかりと届いたことでしょう。
怪しいダンサーたちと歌い踊るジャッキー
写真提供：PROMAX／撮影：山路ゆか
|
ここで衣装替えタイム。バンド演奏に続いて、妖しいイントロと共にステージが真っ赤に染まり、赤い太陽のようなマスクをつけ、赤いミニドレスをまとったセクシーな女性ダンサー6人が登場。ジャッキーは黒い帽子に赤いジャケット姿で現れ、中央の椅子に座ります。まとわりつくダンサーたちと共に歌うのはセクシーな曲「紅色」。続いて、これまた怪し気なマスクをつけた男性ダンサーたちが登場し、アップテンポな「屈到病」。
「私の歌にはセクシーで変な歌もあります。ロックとか変な歌を歌っているとき以外は、いい子です（笑）」と、ユーモラスに説明するジャッキー。様々なタイプの曲、ステージを披露してみせながら、観客サービスも忘れず「次は、皆さんがよく知っている歌を歌います」と、中華圏では根強い人気の名曲「毎天愛[ｲ尓]多一些」、そして久々にバラード・ヴァージョンの「吻別」を披露。ヴァン・ヘイレンぽいアレンジがきいたロック・ヴァージョンもよいですが、オリジナルで聴くと、やはり名曲だなあとしみじみ。そして、3曲目の「忘記他」の途中では、ダンサーたちを紹介。以上で、コンサートのシークエンスが終了します。
実はコンサートのワールドプログラムでは、この前に、エミール・チョウやフェイ・ウォン、ステファニー・スンなどの他人の曲を歌うコーナーが挟まれているのですが、残念ながら、日本公演では省略されていました。（＊これらは『活出生命Live演唱会』というライブアルバムで聴くことができます）（続きを読む）
続きを読む P１ ＞ P２ ＞ P3 ▼RAIN ▼五月天
|