logo


ASICRO FOCUS file no.74c

張學友光年世界演唱會2007 東京公演レポート

p3

写真提供:PROMAX/撮影:山路ゆか
 さて、舞台の様子が変わり、いよいよ次のハイライト、30分のミニ・ミュージカルへ。これはオリジナルミュージカル『雪狼湖』と、映画『ウィンターソング』から曲目を選んで再構成されたもの。中央スクリーンに雪景色が映し出され、『ウィンターソング』の序奏が流れます。ステージ中央には、白いベールをかぶった女性がしゃがみ、そこへ黒いマントをまとったジャッキーが登場。

 どうやら婚礼のようで、花嫁姿の女性ダンサーたちがたくさん登場し、「是否在戀愛」で恋の気分を歌いあげます。続いて「愛是永恆」を高らかに歌いあげ、永遠の愛を誓おうとするその瞬間に、振り向けば、なんと花嫁が他の男とキス! 嫉妬にかられた主人公(ジャッキー)は女性を殴り、その男に決闘を挑むことに。

 この辺は『ウィンターソング』を彷佛とさせる展開で、「男人本該[女戸]忌」「 [女尓]是愛我的」「一個人的犠牲」とメドレーが続きます。そして「命運曲」、映画の主題歌だった「如果愛」へ。最後には全員が登場し、ミュージカルと同じく、皆でカーテンコールをして幕となりました。このミュージカル部分でのジャッキーの歌はまさに圧倒的で、舞台経験を重ねたおかげか、ジャッキーの歌唱法はさらにパワーアップしていました。

 さて、コンサートプログラムは終わりましたが、ここからがジャッキーの本領発揮。お待ちかねのアンコールタイムです。

 やや時間を置いて、ラフなグレーのトレーナー風ジャケットと、サイドに黒い線の入ったグレーのパンツ姿で登場したジャッキー。総立ちの観客の声援の中、最初に唱ったのは99年のライブを彷佛とさせる「今晩要盡情」。続いてフェイ・ウォンとデュエットで歌った「非常夏日」と、アップテンポな曲が続きます。それから、しみじみと聴かせる「我真的受傷了」「情書」と続き、コンサートへ来るファンのことを弾き語る「[女也]来聴我的演唱會」。

 ここで、今回のツアーバンドのメンバー紹介。さらに、「離開以後」「月半彎」と続くのですが、歌詞を忘れて観客に「ナナナ…」と歌わせる場面も(笑)。「次は最後の曲…」と言いかけると「イヤー!」の声があがり、「最後、イヤ?」と皆に尋いてから、もう1曲おまけ。本人が一番好きな曲でもある「李香蘭」を、せつせつと歌ってくれました。そして、コンサートの最後を飾るのは「祝福」。「また微笑んで会える日を期待して、今は別れましょう」という名曲を、観客と一緒に歌いあげ、手を振って階段の上から消えていきました。

 ちょうどほぼ3時間のステージは、ヴァラエティに富んだ構成と選曲で、長らく生の歌声が聴けなかったファンたちにとっても大満足の内容。特に印象的だったのは、かなりお金がかかったというダンサーたちの衣装で、曲ごとに変化をつけたり、様々なマスクを使用するなど、かなり前衛的な演出がされていました。これもミュージカルの経験から生まれたものかも。しかし、なんといってもジャッキーの歌声に勝るものはなく、素晴らしい歌にユーモラスな日本語MC、そして感動のメッセージにミニ・ミュージカルと、ジャッキーの魅力に溢れた素敵なコンサートでした。

 1回きりの公演というのがなんとも残念ですが、ツアーは来年の春節前まで続くとのこと。来る8月の香港公演では、なんと追加公演が4回も出て、改修前の香港コロシアムで18公演(8/17〜9/3)が予定されています。海外では大きなスタジアムでの公演が多く、さらに大がかりな演出がされています。その後も順次、各地の公演情報が発表されていますので、海外で観てみようという方は、ツアーの公式サイトをチェックしてください。

 さて、このツアーが終わった後は、まったく新しいミュージカルを作りたいと語っているジャッキーですが、つい先日は、来年の北京オリンピックの香港地区聖火ランナーの1人にも選ばれました。大御所となってもその地位に安住することなく、常に様々なチャレンジを続け、成長と変貌を遂げているジャッキー。フランク・シナトラやトニー・ベネットのように、いつまでも若く、そして末永く歌い続けて欲しいものです。


続きを読む  P1 > P2 > P3  ▼RAIN ▼五月天
更新日:2007.7.11
●back numbers
張學友光年世界演唱會2007
東京公演
The Year of Jacky Cheung
World Tour 2007 in Tokyo

2007.6.17
東京国際フォーラムホールA
17:15-20:15
band list

musical director
/Andrew Tuason (杜自持)
drum
/Couto Remotigue Joventino
(Jun Kung/恭碩良)
trombone
/Ben Pelletier
keyboard
/Alexander dela Cruz
/Harry NG Chung Hang
bass
/Marinito S. Balbuena
guitar
/Guillermo Fuego Jr.
/Leung Chi Kuen
programmer
/Beve Lo Tsz Chung
saxophone
/Blaine Whittaker
trumpet
/Paul Panichi
chorus
/Lau Jun Yin Jim
/Lau Cho Tak
/Ko Siu Wah
guest artist
/Ruohui Wang
関連サイト&ページ
・ワールドツアー公式サイト
・アジクロのジャッキー特集
 *メッセージあり
・アジクロミュージック公演情報
映画で歌うジャッキーを観る

ウィンター・ソング

『ウィンターソング』DVD