張學友光年世界演唱會2007
東京公演ライブレポート
2007.6.17
東京国際フォーラム(有楽町)
1995年の暮れ、日本で初めて本格的ソロ・コンサートを行ったアジアの歌手がジャッキー・チュンでした。以後、99年、02年とコンスタントに来日公演を行い、合間にも各種イベントやジョイント・コンサートで来日。本人も日本好きとあって、ほぼ毎年のように来日してファンを喜ばせていましたが、03年に前回のワールドツアーが終了した直後、ジャッキーも香港芸能界も大きな転機を迎えます。
SARSの蔓延、レスリー・チョンに始まった数多くの友人たちとの別れ。しばらく活動が停滞していましたが、この時期に人生について感じたことを綴った広東語アルバム『Life Is Like A Dream』を発表して、活動再開。さらに、自ら手がけたミュージカル『雪狼湖』の北京語版でワールドツアーを開催。2人目の娘も誕生し、心の傷も癒えてきたジャッキーが、再び創作意欲に燃えて発表したのが、北京語の新譜『在[イ尓]身邊』。そして、今回のワールドツアーです。
当日は、この日を心待ちにしていたオールドファンから、映画『ウィンターソング』を観て好きになったという新しいファンまで、まさに老若男女、親子連れと年齢層も幅広く、海外から駆けつけたファンもいて、飛び交う言葉も国際的。寄贈された花輪の中にはレスリーファンからのものもあり、暖かいものを感じました。
開演時間は17時、とちょっと早め。というのも、ジャッキーのコンサートは3時間以上というのが普通だから。歌えば歌うほど調子があがる歌神様なので、アンコールがエンドレスに続くのです(笑)。さて、今夜は何曲歌ってくれるだろう…と思っている内に、15分ほど押して場内が暗転。いよいよ、コンサートが始まります。
耳慣れたイントロに続いて、ステージ中央にある階段の上にシルエットが映ると、大きな歓声が! オープニングはアップテンポな「愛火花」。シルバーのスーツに身を包み、髪にもシルバーのラメを吹き付けたジャッキーが、颯爽とステージに登場。真っ赤な上着にシルクハット、怪しい仮面をつけたダンサーたちと共に、激しく歌い踊ります。続く「頭髮亂了」(パク・チニョンの「Honey」のカバー)では、ダンサーの上着がモールに替わり、ステッキを使ったミュージカル風ダンスを優雅に披露。
3曲目では上着を脱いで、ノリのいいロックナンバー「和好不如初」。すでに総立ちの観客と一体になり、右へ左へとステージを移動して歌います。そして、4曲目は新譜から「聽天由命」(これも韓国ラップのカバー)。この曲をプロデュースしたジュン・コン(恭碩良)も、ドラマーとしてステージに参加していました。
熱く盛り上がったところで、最初のMCタイム。毎回、来日公演のたびにキュートな日本語を連発してくれるジャッキーですが、それはこの日も健在。「また、日本でコンサートができて、うれしいです。今日は、ニ・ホ・ン・ゴで話します」と、会場には中国語のわかる人も多いのに、日本人ファンのためにうれしい発言。連日のツアーで、今回はあまり練習する時間がなく、いつもよりたどたどしくなっていましたが、ジャッキーの場合はそれもご愛嬌。間違えてクスッと笑ったり、観客の反応を見ながら1つ1つ言葉を確かめ、一生懸命話す姿にはかなり好感が持てます。
続いてはヒット曲を3曲。北京語の「一千個傷心的理由」と「一路上有[イ尓]」をしっとりと歌い、広東語の「只想一生跟[イ尓]走」をじっくり聴かせます。この辺りは、さすがに定評あるバラードで場内うっとり。そして、そのまま退場していきました。(続きを読む)
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