花束贈呈で登場した早乙女太一と共に。(全身を見る)
二人の日中女形舞台共演が観られるといいですねえ。
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Q:チェン・カイコー監督とお仕事をした感想を教えてください。
安藤「日本だけでなく、もっと海外に出たいという思いがあったので、中華圏で役者としてのスタートを切る上で、チェン・カイコー監督と仕事ができたというのは、日本で映画人としてスタートするのと同じくらい大きな影響があるんだなと、撮影をしながらも思いました。映像を観ていても思うんですけど、演出の細かさとか、ほんとうに素晴らしい監督だなというのを、あらためて肌で感じました」
監督「安藤さんの演技について、付け加えたいことがあります。彼はとても特別な俳優で、大変個性的です。仕事をするとなると、最初から最後までやらないと気が済まないタイプです。初対面の時、彼の眼を見てとてもびっくりしました。とても大きな力を感じました。この眼なら、いろんなものを伝えることができるのではと実感しました。さらに、このような素晴らしい若者が、もしほんとうに戦争に入ってしまったら、ほんとうにもったいないことだなとも感じました。彼の眼からは、彼が自分で感じたことや、世の中に対する見方というものをしっかりと感じ取ることができました」
短かいながら、ここで質疑応答は終了。続いて壇上が舞台に変身。京劇の音楽が流れ、ユィ・シャオチュンが『貴妃酔酒』の一部を披露します。そして、スペシャルゲストとして、日本の若手人気女形として活躍中の早乙女太一が登場。3人に花束を贈呈しました。
司会「ユィさんの踊りを見ていかがでしたか?」
早乙女「僕がやってるのとはぜんぜん違う身体の使い方とか、すごい細かい指の使い方とか、とてもきれいで勉強できました。ありがとうございます」
早乙女くんは16歳で新歌舞伎座の最年少座長公演を行い、2007年12月には日中現代舞踊家合同公演でも日本を代表して中国で公演をしています。
司会「その時の公演はいかがでしたか?」
早乙女「中国でやるのは初めてだったんですが、僕以外にも中国のトップダンサーやアンドレ・リュウさんなど心強い方たちがいてくれたので、とても楽しんで公演できました」
司会「監督とユィさんは早乙女さんの踊りをご覧になっているそうです。早乙女さんの踊りはいかがですか?」
監督「花束をありがとうございました。残念なことが1つあります。今日はメイクをして来られなかったのですね。メイクをしてシャオチュンと一緒に並んでくださったら、どんなにきれいだったことでしょう。おそらく双璧になるのでは(笑)。早乙女さんが出演なさった舞台映像をたくさん拝見しましたが、ほんとうに美しいですね。昨日もユィ・シャオチュンと『ほら、見ろよ。この首のあたりが空いていて…こういうところを見ると、彼が男性なのか女性なのか、ほんとうにわからなくなるな』と、そんな話をしました(笑)。人間はほんとうに不思議な動物ですね。男性がメイクをして女装して美女になっている姿を見て、男性として見てはいるけど、やはり見方や感じ方が違うのかなと思いました(笑)」
ユィ「実はこれまでは、芸術に国境はないというのが今いち実感できていなかったんですが、昨日は監督と一緒に早乙女さんのビデオを見せていただいて、すごく僕たちと似ている、同じところがいっぱいあるなと思いました。ただ、2つの国、2つの文化の違いだけであって、表現する女性美はまったく同じだと思いました。ほんとうに素晴らしいです。ぜひ、教えていただきたいです」
監督「いつか、この二人に舞台で共演していただきたいですね(笑)」(拍手)
司会「同じ女形として、このお言葉、今のお気持ちはいかがですか?」
早乙女「ほんとうにとてもうれしく思います。女形というと、こういう格好をしているだけでもきついのに、それをぜんぜん見せないプロ意識だとか、とても感心させられました」
司会「映画はご覧になりましたか?」
早乙女「とても大人の世界で、すごい美しい映画だと。僕が言うのも何ですが、いい作品だと思います」
司会「何か舞台の参考になりましたか?」
早乙女「僕が一番目がいったのが指で、日本舞踊ってけっこう指を閉じた仕種が多いんですが(と指で仕種をとる)、京劇だとか中国ではすごく指を複雑に動かしていて、僕は真似できないんですけど、その辺がすごく興味がありました」
なるほど! さすがに、同じ舞踊家同士、見るところが違いますね。それからフォト・セッション、角川映画主催の懇親会と続き、シャオチュンはメイクを落として、普通の若者の姿で登場していました。たくさんの記者に囲まれていましたが、アジクロではその後で単独インタビューをすることができましたので、こちらもご覧ください。
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